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2024年11月13日

『ロマサガ2 リメイク』、難易度ベリーハードで 2 周目をクリア

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 常に「こちらの HP の 9 割を削られるか死ぬかの二択」という被ダメのデカさには悩まされたが、なんとかクリア。最初から最後まで、帝国重装歩兵にお世話になりっぱなしだった。パリィは世界を救う。

 序盤~中盤が最もキツくて、終盤に近づくほどラクになっていく。中盤を過ぎる辺りまで、とにかくずっと火力が足りず、七英雄がどれも倒せないもんだから後回しにしまくっていて、いよいよ七英雄のどれかを倒さないことにはもう先に進められんぞこれ……というところまで追い詰められてからが大変だった。逆に、1 体倒してからはトントン拍子にラクになっていった。

 ラクになる理由としては、七英雄を倒すことで敵勢力レベルが上がり、強い技を次々と閃けるようになっていくことと、火力が上がるにつれ、1 周目クリア後に入手できる七英雄アビリティの「連携ダメージ 2 倍」が効いてくるから。与ダメが 2 万とかになってくると、倍で 4 万になるわけで、かめごうら割りを入れてから連携をスタートすれば、もっとハネ上がる。

 ラスボス戦ともなると普通に 99999 出せるようになるので、シャドウサーバントで、さらに倍の 99999×2。ラスボスの七英雄は 3 ターンで終わった。3 ターン目初手の 3 連携で終わったもんだから、変な玉からはまだノエルとロックブーケしか出てなかった。1 ターン目:ノエルの流し斬り→見切ってる、2 ターン目:ノエルの下り飛竜→シャドウサーバントで回避、ロックブーケのテンプテーション→見切ってるという。よく考えたらノーダメ撃破。

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 シャドウサーバントは原作の頃から強い強いと言われていたが、今作でもその強さは健在。クイックタイムは弱体化されたけど。

 ただ、今回は「地相」システムがあるため、シャドウサーバントを使うたびに闇地相が濃くなっていき、闇地相の敵相手だと逆に危険な状況になることも多い。闇地相で毎ターン 2 万とか回復しながら闇系の攻撃まで強化されるわけで、闇地相を打ち消すために光系の技や術で地相変化させている暇があるなら、シャドウサーバントを使わずにいきなり攻撃スタートしたほうが早くて安全だったりする。

 強化全消し効果の「ヴォーテクス」を使われることも多いし、シャドウサーバント、かめごうら割りによる敵防御ダウン、リヴァイヴァ、光の壁といった「仕込み」に時間をかけすぎると、先に敵からの大ダメージをくらって、次のターンは回復と蘇生に手一杯になり、いつまで経っても攻勢に転じられないままジリジリとやられていくパターンが多い。

 また、新たな合成術として全体回復効果の「レストレーション」が追加されたのだが、天と風の合成術なので、これを習得していると、シャドウサーバントは習得できない。レストレーション習得者は回復の要ともいえるキャラになるので、そうしたキャラにシャドウサーバントを使わせないことでも、バランスをとっているように思う。それでも強すぎてどうのこうのと言う人は勝手に縛ればいい。

 トロフィー的には「難易度ベリーハードでクリア」が最後の壁みたいなもので、残るトロフィーは、「陣形コンプ」「アビリティコンプ&全極意化」「全クラスを仲間にする」「5連携を発動する」の 5 つ。プラチナトロフィーを入れると 6 つ。あとは 1・2 周目で取らなかった行動をしつつ、地道にアビリティコンプするだけなので、なんとかなりそう……と思っていたのだが、ふと、5 連携はこれどうするんだろ……と。4 連携を 1 回した後でないと 5 連携は出せないから、相当タフな相手じゃないとダメだし……。

 ドレッドクィーン相手に、弱い技ばっかり装着しておけばいけるか……? とか色々考えていたのだが、ベリーハードのドレッドクィーンを倒すと強いアビリティをもらえるらしいので、行ってみることに。やっぱクソ強ぇなコイツ……と思いながらも、何度かやられていると少しずつ攻略法も見えてきた。特に「カマイタチ」を「ミサイルガード」で無効化できると分かったのはデカかった。

 見切りは「コークスクリュー」「ふみつけ」「地獄爪殺法」「テラーボイス」の 4 つを全員に付けておき、「つむじ風」(縦貫通)の被害を減らすことと、後半の 5 連続行動対策に、陣形はラピッドストリーム。「デスレイン」は「炎の壁」で防げる。

 毎ターン、うーんうーんと悩みながら進めていたのだが、ふと、あるターンで 5 連携が可能な状況であることに気づく。しかし、クィーンの体力はまだ半分ある。「この回は負けたとしても、5 連携のトロフィー取れるならいいか」とダメモトで発動したら、なんと削り切ってフィニッシュ。5 連携トロフィーも獲得。ドラマティックすぎる締めだった。

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 振り返ってみて、ここまで集中的に遊ばせる力を持った RPG って久々だなと感じたし、戦闘の濃度は実にサガらしい。それでいて、技の演出などは長すぎず、テンポが損なわれていない。ダンジョンの長さや敵シンボルの密度も絶妙で、行く前から「面倒臭ぇ……行きたくない……」となるギリギリ手前のラインを攻めている。

 また、ボクオーンの戦艦など特殊なダンジョンの攻略中以外であれば、ダンジョンの中からでもファストトラベルが可能など、原作の不便な点などを現代風に上手くアレンジしていて、リメイク作品にありがちな「ここはこうじゃないだろ、違うだろー」という点もない。

 各クラスの外見もスーファミ版の原画に驚くほど忠実に作られていて、安易に今風にアレンジはしない、原作への確かなリスペクトが感じられる。フリーメイジ男の人間離れした仙人みたいな外見や、軍師の変な髪型&変なサングラスも当時のまま。

 ネレイドが仲間になると人間の足になって登場したり、コッペリアの顔が美少女化していたりといった変化はあるものの、ネレイドは下半身魚のままだと「足装備どうやって装備してんだよ」というツッコミが来そうだし、コッペリアはスマホゲーのほうですでに美少女化していたからそっちに合わせた説もありそうだしで、いわゆる「謎の改変」は特にない。総合的に見て、欠点を挙げろと言われても思いつかないレベルの良リメイクになっている。

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 強いて言えば、全滅したときに「皇帝継承」ではなく「セーブデータのロード」が欲しかった。ほとんどの場合で、継承した後にメニュー画面開いて「オプション」から「ロード」を選ぶので、どうも無駄に感じる。とはいえ、開発側としては戦闘不能になって次の皇帝に……というのもプレイヤーが紡ぐ物語のひとつであってほしいという思いもあるだろうから、ロードによるやり直しをわざと面倒臭くさせている気もする。

 パーティメンバーが閃いた技がいくつかあったときに全滅して、皇帝継承して同じクラスを仲間にしてみたら閃いた技がなかったのでロードしていたのだが、そのまま進めて年代ジャンプすれば、技道場には登録されるらしい。……まあ、しばらく年代ジャンプしない状況だとまた閃き直しになるので、やっぱりロードするんだけどね……。

 あと賛否ありそうなのはキャラクターのグラフィックだろうけど、「Nintendo Switch でも出すには 1 キャラを緻密に作り込んだグラフィックにすると読み込みの関係で無理が生じるから、ある程度アッサリしたグラフィックにする必要があった説」があって、ちょっと納得してしまった。

 今のゲーム市場で Nintendo Switch で出さない選択は相当厳しいうえ、Nintendo Switch を切るなら、相応の映像レベルが求められる。切ってまで映像美が求められるタイプのゲームでもないし、ロマサガ2としての楽しさを重視したうえでより多くのハードで出したいのであれば、このグラフィックで、PS4 / PS5 / Nintendo Switch / Steam はベストな選択だったといえる。……Xbox でも出していいのよ?

 まだ最高難度の「ロマンシング」が残っているものの、トロフィーにはなっていないし、個人的には一応ここらで一区切り。ちなみに「ロマンシング」のドレッドクィーン撃破で「BP 消費なし」のアビリティがもらえるとか。これがあれば技・術が撃ち放題になり、長期戦が可能になるので、これを使って新たな縛りプレイをする人も出てきそう。

 あと、ここまでやり込んでから初めて知ったのだが、アバロン宮殿 3 階の部屋にあるレオンの肖像画を調べると得られるアビリティがあった。ジェラールの肖像画を調べることで得られるアビリティは取ったが、ジェラールのは自室にあるから気づきやすい。でもレオンのほうは離れた部屋で、まったく立ち寄る必要がない場所だったから盲点だった。ボス戦前にセットしておくと役立つアビリティなのでオススメ。

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 そういえば、七英雄関連の追加要素はまあ妥当というか、七英雄たちが「古代人になぜ追放されたのか」が具体的に描かれている。リマスター版で追加されたドレッドクィーンもストーリーに結びつけたことで、七英雄がどうこうというよりは「アリのほうがヤバい脅威だった」という印象になっているような気がしないでもないし、初めてプレイする人にとっては、「なんで悪役をこんなに掘り下げてるん?」と感じられるかもしれない。掘り下げはクリア後で良かったような……。

 今から戦うべき相手の「こいつらにもこんな事情があったので、同情の余地がある」みたいな情報が、“戦う前” に果たして必要だったのかという疑問は残った。クリア後に七英雄の過去が明かされ、その過程で力を託す的な流れで七英雄武器が手に入るのであれば、人類代表ともいえる最終皇帝たちと七英雄が結束して、クリア後のボスであるドレッドクィーンに立ち向かう……という綺麗な構図になったような気がしなくもない。

 そう考えると、河津氏の原作での「七英雄の過去とか、そこはあまり語る必要はないだろう」とバッサリとカットした判断は正しかったようにも感じる。語られないことによって、「プレイヤー=皇帝が伝承法によって、人の力で七英雄の脅威から世界を救った」という部分にバシッと焦点が当たり、物語がクッキリする。
 ……まあこれはリメイクだし、間にリマスター版も 1 回リリースされている作品だから、「そろそろ語ってもいいんじゃない」という感じはあったし、あれこれ言うのは無粋かもしれない。

 リメイク作品で重要なことの 1 つとして、「当時そのゲームで遊んだ人たちが感じた楽しさや感動を、今の世代に同等のレベルで伝えられているかどうか」があると思うのだが、今回のロマサガ2リメイクはそのハードルを余裕で越えてきた印象がある。素晴らしいリメイクだった。本作は、今後のリメイク作品の 1 つの指針になるのではと思う。

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