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2022年4月16日

Nintendo Switch 版『Tormented Souls』の話

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 先日、日本語が追加されたと思ったらすぐに削除されてしまった『Tormented Souls』。この週末に海外では Nintendo Switch 版がリリースされたはずなのだが、Amazon で予約しておいたパッケージ版が発送されない。海外から日本への配送ということで遅れているだけならいいのだが、試しに play-asia.com で検索してみると、「Pending stock arrival.」(入荷待ち)になっている。「海外の通販サイトでも発売日に品物がない……? なんか雲行きが怪しいな……もしかして製造が遅れていたりする可能性もあるのか?」と思ったが海外の Amazon では「In Stock.」(在庫あり)になっていて、パッケージ版は一応存在はしているようだ。

 ……というわけで海外のダウンロード版を買ってみたところ、日本語があることを確認。タイトル画面で確認できるバージョンを見る限りでは Steam 版や PS5 版よりも前のバージョンのようなので、単に日本語が消される前のバージョンということだろう。

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 他機種版の日本語消滅も謎だが、日本語訳の精度の低さ(※とある謎解きは、日本語でプレイすると意味不明なものになっている)に加え、日本語実装時に不具合も多かった(※セーブデータが消えたり、イベントシーンで表示される黒帯に隠れて文章が読めなかったり)ため、不具合の原因を突き止めたり、日本語訳をマシなものにするためにがんばっているところだと思いたい。

 ・ ・ ・

 既発のバージョンとの違いは、やはり Nintendo Switch のスペックに合わせた画質の低下と、読み込みの遅さ。モニタに出力した画面はほんのりとボヤケている感じで、おそらく携帯モードを基準にした画質のようにも見える。エリアチェンジ時の読み込み時間は「まあ、Nintendo Switch だとこれくらいにはなるか……」という程度。絶望的というほど長くはないが、短いか長いかで言えば長い。

 画質は順当に下がっているのだが、ライティングまわりが変更されているようで、Nintendo Switch 版はライターの灯りが暗い。

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 オプションの「輝度」で明るさを上げてみたが、他機種版だと輝度を上げ過ぎると露骨に画面が白っぽくなるのに対し、Nintendo Switch 版は、なんとまったく変わらない。輝度設定が機能していない。謎。

 また、アイテム入手時のアイテム画像すらすぐに表示できないのか、一瞬、以下の画像のようなローディング表示がある。特にエリアチェンジ直後に何らかのアイテムを調べると、表示までに数秒かかることも。

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 あと、読み込みの遅さによるものなのか、セーブ部屋など、部屋に入ると BGM が切り替わるタイプの場所に移動すると、無音の後、しばらくしてから BGM が流れる。しかも、ループで BGM が変なことになるときがある。セーブ部屋の BGM の出だしは「タラララーン タラララーン」なのだが、1 ループ終わったあたりで「タララタラララーン タラララーン」になったときがあった。この現象には 2 回出くわしたが、セーブをおこなった後に起こりやすい……?

 先程「単に前のバージョン」と書いたが、Nintendo Switch 版で初めて見る変更点もあった。メインホールが暗いのだ。

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 上の画像が Nintendo Switch 版、下が Steam 版。メインホールは階段を上がった所の窓から光が降り注いでいる場所だったのだが、Nintendo Switch 版ではこれが暗くなっている。ゲーム内の時間帯的には夜だから修正したのか、Nintendo Switch のスペック的にここの光源の処理が難しかったのか……? ライティングの変化を見ると、後者のような気もするが……。

 あと、本作は初期の『バイオハザード』(ゲーム的には『バイオハザード HDリマスター』のほうかも)をリスペクトした作りになっていて、トロフィー/実績にも「3 時間以内でクリア」「ノーセーブでクリア」「回復アイテム未使用でクリア」等、その影響が見られた。実際のところ、本編をクリアするだけならそこまで難しくはなく、1 度クリアした後にこれらに挑むことで初めて “ゲームらしいやり応え” が生まれる作品でもあった。

 しかし Nintendo Switch にはトロフィー/実績システムがなく、Nintendo Switch 版はゲーム内にトロフィー/実績システムを新たに作ってもいないため、ゲームとしてのやり応え、やり甲斐はガクンとダウンした。Nintendo Switch 版の『バイオハザード HDリマスター』にはアチーブメント要素がゲーム内に新設されていたので、そのあたりもリスペクトしてほしかったものだ。

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Nintendo Switch 版『バイオハザード HDリマスター』より。ただのベタ移植ではなく、この部分は新規に作られている

 あと、十字キーの上はきくが下は無反応だったり、マップを開く操作は右スティック押し込みのはずだが、なぜか左スティック押し込みになっている。このあたりは確実に不具合だろう。下キーがきかない のは Pro コントローラだけの問題っぽいが、マップの押し込みボタンが左右逆なのはジョイコンも同様だった。

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 本作は昨年 8 月に Steam と PS5 で発売され、それから少し遅れて 9 月頃に Xbox Series X|S 版がリリース。PS4 / Xbox One 版が発売されたのが今年の 2 月のことだ。前世代機である PS4 / Xbox One 版をリリースするのに半年くらいかかっているので、最適化には相当悩まされていると見える。そんなに重い処理が必要なゲームとも思えないのだが……。

 容量は 8.6 ギガ。Nintendo Switch のゲームでは大きめのサイズだが、Steam 版は 15 ギガくらいあるので、地味に半分くらいに圧縮していることになる。ちなみに読み込み時間に関しては、Steam 版でもインストール先が HDD か SSD かで、かなり差が出る。SSD だとエリアチェンジも一瞬で快適だが、HDD はマジでキツい。待ち時間が初代『バイオ『のドア開閉シーンより長い。Steam 版の HDD インストールに比べれば、Nintendo Switch 版はまだマシ。まあ、その分、画質は下がっているが……。

 Nintendo Switch の海外ゲーを買うことに慣れた人で、画質は問わない人、一刻も早く日本語で遊びたい人は、今の内に買って自動アプデを切っておくといいだろう。パッケージ版だとAmazon でも 5,500 円くらいするが、ダウンロード版は 19.99 ドルなのでお手頃。

 とりあえず日本語が確認できるうちに、全テキストを目コピで保存しておくべきか……。

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