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2017年12月22日

セガサターン版『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』を今プレイする際に立ちはだかる壁

 去年の今頃、ドリームキャストの映像に関する記事をアップしたのだが、今年はサターンについて書いておきたい。特に映像にこだわらず、普通にゲームで遊ぶ分にはどうでもいい話なので、興味のある人だけ読んでくれい。

『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』(以下、『月下』)のセガサターン版は、おまけで使えるマリアの性能がチート級だったり、微妙にマップ&新曲が追加されていたりと、ファンには嬉しい点が多い。

 先日、「ちゃんとしゃぶり尽くしておこう。サターンが壊れる前に……」と思い、フレームマイスターを使ってサターン版『月下』を RGB 接続でプレイ&キャプチャーしようとしたところ、メニュー画面を開くたびに、映像信号が一時的に切断される症状に遭遇。こうなると、キャプチャー機器が再び映像信号を検出するまで、しばらく待たされてしまう。『月下』は頻繁にマップを確認するゲームで、メニュー画面を経由しないとマップを開けないため、さすがに、メニュー画面を開くたびにこれはキツい。

 この現象は、『スターソルジャー バニシングアース』など、ニンテンドウ64の一部のゲームでも確認していた。多分これ、ブラウン管などのアナログ環境なら何の問題もなかったのだと思うが、液晶モニタの映像信号検出方法だと、「解像度か何かが変わった」と検知した瞬間に映像信号の検出し直しをしているのではないだろうか。……と思っていたのだが、このサイトの情報によると、ゲーム中にインターレース/ノンインターレースの切り替え処理をしているゲームの場合に発生するらしい。

 となると、液晶モニタに映す限り、せっかく RGB 接続で美麗な画面を出力したところで、まともに遊べないのか……と落胆しかけたが、この現象、どうもフレームマイスターを経由していることで起きるものらしい。ってことは、フレームマイスターを使わずに RGB 接続ができれば……? そんな感じで模索した結果が X-RGB3 だった。

 これはキャプチャ機器でいえば一世代前のブツなのだが、RGB 入力→ DVI 出力の機能を持っている。DVI は HDMI に変換できるので、サターン→ X-RGB3 → DVI - HDMI 変換アダプタという繋ぎで映せば、フレームマイスターを介さずに RGB 接続の映像を HDMI 出力できる。

 X-RGB3 は、たまたまヤフオクに出品があったので、勢いで落札。結論としては、うまくいった。この方法なら、映像信号が途切れることなく遊べる。良かった……。ほぼ完全にブラウン管から液晶に移り変わってしまった現代、サターン版『月下』は、もうまともに遊べないのかと思ったよ。

 ちなみに、X-RGB3 は AC アダプタの異常によって映像が乱れることがある。ヤフオクで入手した物を接続してみると尋常じゃないくらいに映像が乱れたので「故障か……」と諦めかけたのだが、ググッてみると、AC アダプタの異常で起こるという症状に激似。ダメ元でマイコンソフトのオンラインショップから AC アダプタを注文して接続してみると、見事に映った。もし、同様の症状で X-RGB3 ごと処分しようとしている人がいたら、「ちょっと待った!」と言っておきたい。問題の AC アダプタは↓こんなヤツ。

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 X-RGB3 を持っている人で「あらヤダ、ウチのもこれだわ!」という人は、今のうちにマイコンソフトのダイレクトショップで AC アダプタを確保しておいたほうがいいかもしれない。新しく注文して届いた物は、サイズが小型化されていた。

 しかし問題は、もうひとつあった。


セガサターン用 RGB ケーブルの話

 セガサターンの純正 RGB ケーブルには欠陥があって、音にはノイズ、映像もおかしいという、なかなかの地雷商品として有名。しかし画面写真などを交えて具体的な差を見せているようなサイトもなく、実際に使ってみるしか方法がなかった。

 最初から地雷と分かっているものを購入するのもアレなので、せめてこれ以外のケーブルを……と探したところ、スーパーファミコン、プレイステーション、セガサターン、ドリームキャスト、Xbox といった複数機種を RGB で繋げる、海外産の怪しげなケーブルを手に入れた。

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こんなヤツだ。「f」って何だろね……ファ○ク?

 幾多のケーブルを買ってきた者としては当然、疑いの目線を忘れない。端子は RGB でも、必ずしも RGB 信号を引っ張ってきているとは限らない。海外産は、そこまで疑って当然だ。

 しかし、「このケーブルは大丈夫か?」というテストのために、スーファミの純正 RGB ケーブルで繋げた映像と比較したところ、まったく同じだった。なので、それからというもの、このケーブルは「どうやら大丈夫らしい」という安心感を持っていたのだが、サターン版『月下』で画面写真を撮ってみると、どうもおかしい。

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↑クリックすると原寸サイズに
↓拡大図
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 これはマップを開いたところだが、この「拡大して見てみると市松模様のようになる現象」は、S端子の映像をキャプチャしたときによく見られた現象だった。しかし、サターンのS端子ケーブルも別に用意して比較してみたところ、明らかにS端子よりはキレイ。「あれ? じゃあ、サターンの RGB って元々この程度なのか……」と、ガッカリしつつ、このケーブルを使い続けていた。

 が、ある日。普段、何かをしながらゲームも併行する場合、右耳にだけイヤホンをつけてプレイすることが多いのだが、『月下』のワープルームでドアがギギーッと閉まるとき、あることに気付いた。ワープルームは場所によってドアの位置が右だったり左だったりするのだが、あるとき、ドアが右にある部屋なのに、右耳のイヤホンからはドア開閉音が聞こえなかったのだ。「あれ?」と思い、イヤホンを両耳につけてもう一度ドア開閉してみると、開閉音自体は聞こえた。……ただし、から。こっ、このケーブル……音の左右が逆っ……!

 ここで初めて、決定的にこのケーブルの質に疑いを持ち始めた俺は、穴場開発事業団の RGB ケーブルの購入を決意する。もしかしたらサターンの RGB 映像なんて、こんなものなのかもしれないし、このケーブルを買ったところで無駄なのかもしれない。しかし、しかし、もしかすると……!

 結果的には、これを買って大正解だった。実際に、その差をご覧いただきたい。(BGM:劇的ビフォーアフターの、あの曲)

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↑クリックすると原寸サイズに
↓拡大図
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 市松模様のようになっていたマップが改善され、キレイになっている。また、残像のような線も消えており、これによって、文字の背後にあった残像も解決していた。

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↑謎のfケーブル
↓穴場開発事業団のケーブル
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 ・ ・ ・

 さて、長々と申し訳ないが、この話にはまだ続きがある。少し前に、サンコーから RGB を HDMI に変換するアダプタがケーブル付きで約 5,000 円という低価格で発売され、一部で話題になった。

 ネットの評判を見ると、値段相応で、そこまで質は良くないらしい……のだが、今まであれこれと RGB 接続を追い求めてきた者としては、やはり気になる……ので注文してみた。↓は、「サンコーのアダプタ&サンコーのケーブル」と「X-RGB3 &穴場開発事業団のケーブル」の画像比較。

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↑サンコーのアダプタ&サンコーのケーブル
(※クリックで拡大)
↓X-RGB3 &穴場開発事業団のケーブル
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 意外とキレイで驚く。ただ、アルカードや使い魔をよく見ると分かるが、ドットクッキリとまではいかず、若干ぼやけている。人によってはドットクッキリ=粗いと感じることもあるようなので、この点に関しては必ずしも欠点とも言えない。普通の人が普通に遊ぶ分には、意外と良い品だといえる。

 最後に、ケーブルの質チェック。このサンコーのケーブル、単体で買うと税込 1,980 円だが、アダプタとセットで買うと、ケーブルは実質 1,000 円くらいで手に入ってしまう。ただでさえ貴重な RGB ケーブル、予備の役目を果たせるなら、お得な値段。というわけで「XRGB3+サンコーのケーブル」で画像チェック。

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↑XRGB3&サンコーのケーブル
(※クリックで拡大)
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市松具合はfケーブルより弱め。

 文字の背後にあった残像のような物はなく、fケーブル超えを果たしているが、マップを拡大してみると、ビミョーに市松模様になっている。結論としては、fケーブル以上、穴場開発事業団以下といえる。

 アナログ映像信号がどういうものなのか、俺のような素人にはよく分からないが、おそらくはケーブル内の、ちょっとした調整でこういう差が出るんだなァと……。サターンの映像を追究する人は、X-RGB3 と、穴場開発事業団の RGB ケーブルは持っていて損はないぞ。

 そんなこんなで映像問題も解決し、サターン版『月下』を堪能できた。

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意外と時間はかかっていない……。
(※クリックで拡大)

 マップ完成率も、サターン版の最大である 211.2 % を達成。他機種版と違って「ALL」と付くのがイイネ。

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