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2018年4月15日

La Bible PC Engine Volume 2 Les CD-ROM

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 以前に紹介した、フランスの PC エンジン本の、CD-ROM2 編。
 実は2013年頃に発売されていて、そのときに買っていたのだが、
 なんかもう色々と忙しくて記事を書けずにいた。
 その間に、違う表紙のバージョンも見かけるようになったので、再版されているのかもしれない。
 日本の Amazon だと業者出品だからか妙に高いけど、だいたい3,000円くらいの本。
 できるなら、欧州の Amazon から輸入するか、このテの本を扱っている店で買ったほうがいい。
 最近は情報収集していないので、国内でこういう本を取り扱っている店って、もう全然分からないけど……。

 完成度は Volume 1 同様で、Volume 1 を見て期待していた人なら、文句のないレベルに仕上がっている。
 ハッカーインターナショナル系のゲームも完璧に網羅。『ハイレグファンタジー』も当然のように掲載。
 ハッカー系だけ別にしてあるんじゃなくて、全部同列に扱っているのがまた嬉しいというかなんというか。

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『コズミック・ファンタジー』シリーズの写真に添えられた "HENTAI" の文字。

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システムカードエラー画面を集めたページ。

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『ハイレグファンタジー』も掲載。

 ただ、全編フランス語なので俺が見逃している可能性が高いが、
 CD プレイヤーに入れたときに「音楽 CD として再生しないでね」系の警告メッセージをまとめたページは
 なかったかも。ちなみに『エメラルドドラゴン』はこんな感じのメッセージが流れる。


 ・ ・ ・
 んで、なぜ今頃になってこの記事を書いているかというと、先日、この Volume 2 の制作に携わった
 Gicquel Rodolphe(ジッケル ロドルフ)氏という日本在住のフランス人の方からメールをいただいたのだ。
 Volume 1 について書いた記事を読んでくれたらしい。
 記事中で、今は亡き雑誌「ゲームサイド」はフランス人にも読まれていたんだなァというようなことを書いたが、
 こんな、ネットの海の片隅の無人島みたいなサイトまで見てくれて、なおかつメールまでくれるなんて……。

 「答えられることなら答えマスヨー」的な、とてもありがたいご返答をいただいたので、
 いくつかお尋ねしてみた。以下、その内容。
 (※掲載許可をいただいたうえで、誤字脱字と思われる部分は分かる範囲でこちらで修正しています。)

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 まず、自己紹介します。
 11年前から日本に住んでいます。
 仕事は翻訳のことです。今、フランス版の銀魂という漫画の翻訳者です。
 趣味はもちろんゲームですが、レトロゲームについての調査をするのは大好きです。
 古い雑誌とかネットで90年代のゲームについてのインタビューを探すことは面白いです。
 これで、フランスで発売された色々な本に手掛けました。
 "Bible PC Engine Volume 2"と "Bible Super Nintendo" (スーパーファミコン)ではゲームで遊んだり、レビューを書きました。
 "La Legende Final Fantasy VII", "La Legende Final Fantasy VIII", "La Legende Final Fantasy IX", "La Legende Final Fantasy X",
 "La Legende Final Fantasy XII", "Castlevania, le Manuscrit Maudit" (悪魔城ドラキュラ)ではゲームの制作についての色々な情報を探して、翻訳しました。
 今、そういう本に手掛ける時間がないのですが、”パルスマン”というメガドライブで発売されたゲームについて記事を書く予定があって、また色々な細かい情報を探しています。
 マニアだけが興味がある情報だと思いますが、ちゃんと調査がうまくできた時に満足します。
 たとえば、めガロープレプロジェクトのゲームと同時に発売されたピンバッジを探して集めてみました。
 pcエンジン版のストリートファイターIIのFanbookの手に入れ方とかミニうちわについての情報とかいろいろ。

 "Bible PCエンジン"の制作では、チームで行いました。実は、私は制作の途中に手掛けました。
 CD-ROMのゲームの主な問題は(フランス人によって)、日本語がわからないと遊べないゲームが多いですね。
『La Bible PC ENGINE』Volume2の予定が始まった時に日本語ができる人は一人しかいなかったのです。
 ですから、二年間ぐらいその予定が全然進まなかったです。
 私は2011年に『La Bible PC ENGINE』Volume1を買って、読んだ、これすごいなあと思ってVolume2を待ちきれなかったです。
 それで、そのVolume2の企画者と話して、その予定の一員になりました。
 "Hi-Leg Fantasy"を込めて、75個のゲームのリビューを書きました。
 六ヶ月後Volume2が完成されました。

 次は聞いてくれた質問に答えます。


●Q1.
 『La Bible PC ENGINE』Volume2 に掲載されている中で、
 フランス人としての感覚で、最も意味が分からなかったゲームは何ですか?
 特に意味が分からなかった部分も教えてください。

 〇A1.
 『Lord of War』かな。はっきりと思いだすのはこのゲームの遊び方がちゃんとわかるために説明書を読まないといけないとおもって、買いました。
 後は『電脳天使』です。途中でストーリーが分かりにくくなりましたから。


●Q2.
 『La Bible PC ENGINE』Volume2 に掲載されている中で、
 フランス人としての感覚で、最も「すばらしい!」と感じたゲームは何ですか?
 その理由も聞かせてください。

 〇A1.
 『天外魔境 Ziria』です。pcエンジンという本体には色々な驚かせるぐらい素敵なゲームがありますね。
 R-Type,ストリートファイターII、銀河婦警伝説サファイアなどですね。
 『天外魔境 Ziria』は32バイトシステム(プレイステーションとセガサターン)にあるRPGの祖先だと思います。
 アニメでのCGがあって、CD化の音楽又はキャラクターの音声もありました。
 このゲームの発売日はゲーム業界では歴史的な日だと思います。


●Q3.
 本を作るために着手してから完成までにかかった期間はどれくらいですか?

 〇A3.
 制作のはじまりは2009年でした。期間は3年間です。
 (※編注:自己紹介の部分にもあるように、2年ほど企画が停滞していた期間があるため、実質、半年~1年以内と思われる)


●Q4.
 日本では、とにかく権利者に許可をもらわないと
 こういう本は出せないのですが、フランスではそのあたりは結構自由なのでしょうか?

 〇A4.
 フランスにも必要ですが、pcエンジンは正式的に発売されなかったですね。
 実は、UBISOFT を作る前にギユモ兄弟(※編注:UBI SOFT の創設者)は"Sodipeng(Societe de Distribution de la PCEngine [pcエンジンを配る会社」"という会社を作りました。
 日本の NEC にフランスにpcエンジンを売る許可をもらって、発売しました。
 任天堂の場合ではスーパーファミコンについての本を作ったら、Nintendo Europe は許すらしいですが、
 そのスーパーファミコンで発売されたただ一つの任天堂のゲームについての写真がある本を制作したら、
 Nintendo Europe はたぶん訴えて、その本は禁止されるかもしれません。
 後は、フランスでは、本が雑誌がなかったら、許可が必要ではないです。

(※Q4についての、私からの追加質問)
 この「本が雑誌がなかったら」という部分が分からなかったのですが、
 「本が雑誌でなかったら」、「雑誌でなければOK」ということでしょうか?
 日本だとおそらく逆で、雑誌への掲載ならOKで、書籍として出すとなると、難しいかもしれません。
 ↓
(※その返答)
 フランスは同じ問題です。ですから、"La Bible PC Engine"は書籍ではなく、ムックです。

 すみません、書き間違いました。雑誌ではなくて写真という言葉を書こうと思いました。
 本では写真がなかったら、許可が必要ではありません。例えば、手掛けたファイナルファンタジーについての本はテキストだけです。


●Q5.すべての PC エンジンのゲームの中で、
 ジッケル ロドルフ様が個人的に一番好きなゲームは何ですか?
 その理由も聞かせてください。

 〇A5.
 『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』。このシリーズはファミコン時代からとても好きですね。
 でも、PCエンジン版を初めて見た時にショックうけました。
 ドイツ語でのイントロ、CD化の音楽、リヒターベルモンド、隠れているレベル、新しい敵を見た時に絶対PCエンジンを手に入れないといけないと思いました。
 そのゲームのおかげでPCエンジンを買いました。

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 以上!
 Gicquel Rodolphe 様、ありがとうございます。
 こんな無人島みたいなサイトの質問に丁寧に答えてくださって……。
 やはり『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』はフランス人の目から見ても衝撃だったのだ……。

 出版事情は日本とそこまで変わらないらしく、出版に携わったことがある者としては
 Q4 の微妙な線引きの説明の辺りには、なんとなく納得してしまう。

 画面写真の有無による線引きもそうだが、本の内容を1タイトルに絞っている場合は
 許諾が必要となる場合が多い。ただし、複数タイトルを扱った本、
 しかも書籍ではなく雑誌 or ムックとなると、話が変わってくる。

 これは日本だと三才ブックスがよくやっていた手で、多分見かけた人も多いと思うのだが、
 一見、新作の攻略本に見えて、最後の数ページだけ別のゲームの攻略情報が載っている。
 こうすると、「1本のタイトルを専門に扱った本ではない」ことになり、
 攻略本ではなくムック扱いにできる(多分)。
 さらに、実際のゲーム写真を一切使っていないことも多く、
 ここまで徹底すれば、法的には限りなくセーフとなる。

 なにぶん私も約1年間しか出版の現場に居られず、携われた本も少ないので、
 正確な知識だと断言できないのが申し訳ないが、
 だいたいのニュアンスで「ソウナノカー」と思っていただければ。

 ・ ・ ・

 さて、ここが本当に申し訳ない所なのだが、ジッケル氏からメールをいただいてから実は1年以上経っている。 
 昨年にPC の C ドライブがイカレて、ここ10年以上のメールデータとアドレス帳が吹っ飛んだことがあった
 のだが、それの復旧に追われながら仕事をしつつ、壊れた HDD からサルベージできたデータを
 「未整理」フォルダに突っ込んでおいて、時間のあるときにひとつずつチェックしていたら、
 もう翌年の4月でしたという。
 「気になるゲームが発売されたら、そっちを遊んでいたくせに!」と言われると、半笑いで照れるしかないけど。

 幸い、記事にする予定だったので、メールでの質問など、書きかけのものをテキストファイルにコピーしていて、
 そのテキストファイルが無事だったことが分かったので、なんとかなった。
 質問の中には、ちょっと掲載してもいいかどうかきわどい内容のものもあり、
 それはカットするかどうかも迷っていたので、作業の順序としては後回しになってしまっていたのも申し訳ない。

 Gicquel Rodolphe 様、ありがとうございます!
 そして、年単位で空いてしまって申し訳ない!
 「日本人は時間に正確で勤勉な人種だと思っていたけど、認識が変わりマーシタ」と思われているに違いない。
 ゆるしてチョンマゲ!(ジャパニーズジョーク)







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