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2025年5月 4日

Analogue Pocket ~ネオジオポケット編~

 ゴールデンウイーク特別企画第 2 弾ー……は、発売後に「欲しい……いや、やっぱ要らない……」と散々迷ってきたが先日ついに買ってしまった Analogue Pocket について。2021 年発売なので、実に 4 年くらい迷っていたことになる。だって、高っけぇし……。

Analogue Pocket

 受け取り時に関税(?)が 3,900 円ほどかかった。本体、ドック、アダプターセット(Hu-Card、Lynx、ネオジオポケット)、ゲームギア用アダプタの 4 点セット+送料で、だいたい 520 ドル。購入時のレートで日本円にして 78,000 円くらいだろうか。ちなみに送料が驚愕の 70 ドル(約 10,500 円ほど)。

 既存の Analogue 製品は実カートリッジを挿さないといけないが、いわゆる Jailbreak、カスタムファームウェアも作られていて、それを入れれば SD カードからロムの起動ができる。

 ただ、公式の機能ではないし、それをやると微妙にグレーゾーンに行ってしまうしなぁ……と思っていたところ、Analogue Pocket はリリース後のアプデにより、openFPGA によるハードウェアエミュ的なものが動くようになったらしく、この openFPGA は公式の機能でもある。それで動かすならステートセーブや SD カードからの起動もできるようなので、そこが大きな決め手になった。あと、欲しい情報がどれだけ検索しても出てこず、自分で調べるしかなさそうというのもあった。

 欲しかった情報はいろいろあるが、最優先で知りたかったのが、ネオジオポケットの動作具合について。ぶっちゃけ、『水木しげるの妖怪写真館』と『スーパーリアル麻雀 プレミアムコレクション』は動くのかどうかだ。有名なソフトなのに、Analogue Pocket でこの 2 本を起動してみた動画や記事がひとつも見つからない。ネオジオポケットといえば、この 2 本だろうに!

 結論としては、『スーパーリアル麻雀 プレミアムコレクション』は動くけど不具合がある。『水木しげるの妖怪写真館』は今のところ問題なく動作している。ブラボー……! これだけでも買った甲斐があった。

スーパーリアル麻雀プレミアムコレクション_01
水木しげるの妖怪写真館_01
※クリックで拡大。掲載している画像は重さ軽減のためにサイズを 1280×720 に落としているが、実際は 1920×1080 で出力される。

 画面フィルターがいろいろ選べるのだが、ネオジオポケットの実機風の画面になるフィルターが、なかなか良い。カラーではないほうのネオジオポケット本体だと起動しないゲームでもモノクロ液晶っぽく表示できる。

Analogue Pocket システムメニュー画面
水木しげるの妖怪写真館_02
水木しげるの妖怪写真館_03

『スーパーリアル麻雀 プレミアムコレクション』の不具合についてだが、まず最初のメニュー画面でカーソルを上下させていると、高確率で音が消える。BGM が切り替わる場面まで進むとまた鳴り出すが、この他にも、後半戦でロンされた瞬間にカラーパレットが狂ってゲームがフリーズしたのも確認している。必ず同じ場面で発生するのかどうかは分からないが、検証しようにもこのゲーム、後半戦までかなりの長丁場になるので、同じところまでいくのが大変。

 古い物なので、たまたま、このロムカートリッジが壊れているという可能性もあるため、中古でもう 1 本手に入れて検証してみたが、症状は変わらず。さらに実機でも起動してみたが、実機では普通に動作している。ロムの故障ではないことが確定。

 今回、十数年ぶりにネオジオポケット実機に電池を入れて起動したが、最初はウンともスンとも言わず、「壊れてたか……」とガックリきていたら、しばらくすると通電したのか、普通に動くようになった。電池を抜いてケースに入れ、さらに引き出しの奥という、外界とシャットダウンした状態で保管できていたのが良かったのかもしれない。

ネオジオポケットカラー本体
よく動いてくれた……。久々にやったが、やはり実機の画面は見づらい。ゲームボーイカラーもそうだったが、電灯の真下でも見やすいとは言い難く、小一時間しかやってなくても、目が異様に疲れる

 ちなみに、これらのネオジオポケットの動作は openFPGA ではなく、Analogue Pocket 本体の機能。カートリッジを挿して、それを動かしているだけ。openFPGA にもネオジオポケットのコアはあるっぽいのだが、少なくとも openFPGA のほうはネオジオポケットカラータイトルがサクサク動くような感じではなさそう(モノクロのみ?)で、他のコアと違って導入もちょっと面倒臭そうなので敬遠している。

 というわけで無事に「ネオジオポケットの外部出力環境確保」という、Analogue Pocket 購入の最大の目的は達成できた。できればアプデで『スーパーリアル麻雀 プレミアムコレクション』の不具合も直してほしいけど……。

 難点としては、セーブ先がカートリッジのみになること。倍速機能やステートセーブもない。Analogue Pocket がネオジオポケット本体の代わりをこなしているだけと思ってもらえばいい。せめてセーブが Analogue Pocket の SD カード内に保存できれば良かったのだが……。ネオジオポケットのソフトは電池式ではなくフラッシュロムっぽいので、今のところセーブは維持できているが、これも古い物だしなぁ。フラッシュロムが寿命を迎える前にやり尽くして、画像を撮ったり動画を撮ったりしておく必要がある。

 利点としては、やはり Analogue Pocket のドック経由で出力すれば画像や動画が撮影可能になることと、外部出力中はコントローラを接続しての操作になるので、コントローラで遊べるのもイイ。PS4 や Nintendo Switch のコントローラも使えるらしいが、俺は Polymega 用に買った 8BitDo の Pro コントローラを繋げて使っている。このコントローラは有線だが、Analogue Pocket は有線・無線両方いけるっぽい。

 ちなみにゲームボーイやゲームギアなど他のハードは openFPGA のコアがあるので、そちらで遊べば、セーブデータは SD カード内に作られる。このへんはまた改めて記事にしたい。


■ネオジオポケットのセーブデータについて
 ネオジオポケットソフトのセーブデータの仕様はどうなっているのか、今までよく知らなかったのだが、吸い出し機でロムを吸い出してみて分かったのが、ロムデータの中にセーブデータが含まれているということ。ロムを吸い出すと拡張子(.ngp)もしくは(.ngc)のロムファイルが出来上がるが、これを PC 上のエミュに読み込ませると、セーブデータがある状態で始まる。ちょっとビックリした。

吸い出し機
これが吸い出し機。Amazon で普通に売ってます

 試しに、一度吸い出した後、実機で少し進めて別の場所でセーブ。今度はそれを吸い出してから PC 上のエミュに放り込むと、実機で少し進んだ場所からの再開となった。間違いなくロムファイルの中にセーブデータがある。

 あと、吸い出し後はやはり ROMチェッカーで調べておいたほうがいい。今回も、吸い出し時には「Success!!」と表示されても、調べてみたら普通に CRC エラーの物が出来上がったりした。ロムカセットの状態にもよると思うが、2 ~ 3 回もやればちゃんと吸い出せるはず。

 ・ ・ ・

 結論として、『水木しげるの妖怪写真館』と『スーパーリアル麻雀 プレミアムコレクション』をなんとしても外部出力したい人は買い。『スーパーリアル麻雀 プレミアムコレクション』は若干不具合があるものの、とりあえず「ギャラリー」をコンプリートしたロムカセットを使って、脱衣シーンは問題なく全キャラ再生できたことを書き記しておきたい。録ったどー!(動画を)

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 ネオジオポケット作品は、SNK が「ネオジオポケットカラー セレクション」として 2020 年から復刻し始めていたが、2022 年を最後に途絶えてしまっている。『水木しげるの妖怪写真館』と『スーパーリアル麻雀 プレミアムコレクション』、なんとか復刻してくれんかなぁ。

 とはいえ、『スーパーリアル麻雀 プレミアムコレクション』は乳首が見えている都合上、復刻するにしても PC ソフトにするしかなさそうだし、『水木しげるの妖怪写真館』は、今まで鬼太郎ゲーがわざわざ復刻されたケースが一度もないことから、何か難しい事情があるのだと思う。鬼太郎ゲーはレア化しやすいのだが、レア度でいえば、GBAの『危機一髪! 妖怪列島』がヤバい。10 万くらいする。

 先日、『遊戯王』の歴代ソフトがいろいろセットになって発売されていたので、似たような感じで、がんばってもらえんものか。難点としては、鬼太郎ゲーはバンダイから出ているものとコナミから出ているもので大きく二分されてしまうことだろうか。『妖怪写真館』に至っては、どっちでもないしな……。

 Analogue Pocket は他にもいろいろできるので、また改めて。

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