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2024年10月21日

世界一遅い『ロマンシング サガ2』レビュー

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 2016 年に PS Vita版の『ロマンシング サガ2』をプレイし終えたとき、このサイト用にレビュー……というか、そのときに感じたことを書き留めていたのだが、なんとなく、お蔵入りにしていた。書いた内容に合った画像を用意するのも面倒だったし、画像なしで長い文章のみというのもなぁ……と感じたのが理由だったような気がする。

 しかし、いよいよリメイク版『リベンジ オブ ザ セブン』の発売が迫ってきた。当時はこんな形でリメイクされるとも思っていなかったこともあり、発売後だと、このテキストは完全に死蔵することになりそうなので、そうなると、なんかもったいないなァという気もしてきて……というわけでアップしておくことに。一応、ネタバレになる内容だと思うので、『ロマサガ2』をプレイしたことがないという人や、今度のリメイクで初めて遊ぶという人は読まないように。

──────以下、2016 年に書いた内容です──────

 PS Vita版の『ロマンシング サガ2』をクリア。実に 23 年ぶりのプレイだったが、何の問題もなく楽しめた。

『ロマサガ2』を名作だと語る人は多いが、「いかに名作なのか」となると、納得させられる答えを提示できているレビューは、なかなか見かけない。システムとストーリー両方の肝でもある “世代交代” がイイんだという人もいるが、RPG として考えた場合、あれはむしろ 3 歩進んで 2 歩戻るみたいなシステムであり、「どうイイのか」の説明は、ひとことでは難しい。

 というわけで、改めてじっくり考えてみた。


●プレイヤーの数だけ生まれる歴史と、その数に等しく与えられる感動

『ロマサガ2』の「ゲームとしての名作たる所以」は、『1』同様、“自由度の高さ” にあると思う。ひとことに「自由」と言っても色々あるが、『ロマサガ2』の場合、おおむね、以下の 3 点だろう。

・各イベントの攻略順
・各イベントの解決の仕方
・次の皇帝を誰にするか

 この 3 つの自由によって、プレイヤーによって千差万別の「帝国の歴史」が生まれ、まったく同じ歴史になることは、まずない。

 そして、『ロマサガ2』の「物語としての名作たる所以」は、エンディングの酒場の場面で訪れる。最終皇帝の背後に、今まで仲間にしてきたクラスの姿が次々に現れる。ここが素晴らしい。ゲーム中の最終皇帝は背後に気付いていないし、仮に見えたとしても、最終皇帝の世代以前で仲間にしたものがほとんどなので、最終皇帝自身にとっては誰だか分からないだろう。“神の視点” で見ているプレイヤーだけが、そのすべてを理解できる。

 最後に現れる初代皇帝レオン、流し斬りが完全に入ったヴィクトール、頼りないと言われながらもめざましい成長を遂げた第二皇子ジェラール。彼らが「何も言わない」のがいい。ただ、うっすらと現れて、消えていく。七英雄を倒したのは最終皇帝のパーティーだが、そこに至るまでに多くの人間の功績があった。この酒場のシーンで、凡百の RPG とは違うスケールを思い知らされる。七英雄を倒したのは最終皇帝ではない。“帝国” なのだ。

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 その後、歴代皇帝と、その皇帝が成した偉業が表示されていく。単に「ああ、この皇帝のときはこんなことがあったっけ」と回想し、達成感に浸るのもいいだろう。

 しかし、ふと気付く。このゲームは自分だけでなく、多くの人がプレイしている。その人たちも同じようにこの酒場の場面に到達し、“その人が紡いだ歴史の、歴代皇帝の姿” を見ているに違いない。当時、このことに気付いた瞬間、ゾワッとしたのを覚えている。

 このゲームはプレイヤーごとに異なる歴史を体験させつつ、全プレイヤーに等しい感動を与えているのだ。しかもそれはただ見せられたわけではなく、プレイヤーが選択し、自分で考えて動いた “結果” なのだ。俺がスーパーファミコンの『ロマサガ2』を初めてプレイしたのは中学生の頃で、本や物語が好きな子供だったが、「ゲームが本を超えた」と確信した瞬間だった。

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よく考えたら「戦火の中、先陣切ってやって来たのが大統領」みたいなことだから、帝国は相当イカレている

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「エロ同人みたいに!」って言いそうなネレイドと、心無い言葉のナイフで地味に傷つく皇帝。まあ格闘家だし、素手でいろいろ殴ってそうで実際汚そうではある

 中には、まだ何も成していないのに LP 0 でやむなく次世代に継承した皇帝もいれば、「皇帝にしてみたけど、なんか気にくわない」という無茶な理由で意図的に LP を削られてチェンジさせられた皇帝もいた。このゲームにおいては、そんなプレイヤーの無茶な采配、それもまた歴史の 1 ページであるとして許容する。比喩ではなく、エンディングで年表が出るものだから、マジで歴史の 1 ページになってしまう。とはいえ、本当に何も成していない場合は特に表示されなかった気はするけど……。

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 友人同士の会話で「俺のカンバーランド、滅んだんだけどw」「あれを皇帝にするかね普通」みたいな会話がなされ、盛り上がる。そして歴史の if を実際に聞かされると、「あえて滅ぼしてみるのもおもしろそうだな……」「次は俺もそいつを皇帝にしてみるかなあ」と、2 回目のプレイをやりたくなってくる。そんな様子を見ていると、自然と「ああ……名作だわ、これ」と感じたものだった。


●『ロマサガ2』は、限りあるからこそ美しい “生命” に対する賛歌

 作中、同化の法と呼ばれる術を繰り返し、ほぼ永遠の時間を生きることができる “古代人” の話が登場する。おもしろいのは、あくまで “不老” なだけで、死なないわけではないということ。戦いに巻き込まれれば普通に死ぬし、それゆえに、戦いを避ける性質があるらしい。「戦わなければ永遠に生きていられる」のだから、まあ仕方がないともいえる。

「不老不死」は、世の様々な作品で「生命の理に反するが、人類の悲願」「あったらいいよね」といった風に描かれることが多い。しかし『ロマサガ2』では、不老不死を真っ向から否定している。

 ほぼ不老不死と言っていい能力を持つ古代人は臆病に逃げ隠れ、寿命のある人間のほうが七英雄に立ち向かう。数世代に渡ってその人生を捧げ、世界を平和に導く。そこには人間賛歌、生命賛歌があるし、「古代人さん、永遠の命を持ってるのにそのザマって、マジカッコ悪くないッスか」的なディスも感じる。人は命に限りがあるからこそ今に全力を尽くし、その結果、全力を超えた何かを残すことができるのではないか。そういったことを伝えようとしている気がするのだ。


●命は「大切にするもの」ではなく、何かを成し遂げるための “燃料” である

 大人になってから改めて考えてみると、レオンの決断がカッコイイなぁと思う。息子・ヴィクトールをクジンシーに殺され、残るは、まだ頼りないジェラールのみ。この状況で、敵の必殺技、それも息子を殺した技を「見切って、ジェラールに伝えるためだけ」に、自分の命を使うのだ。

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 事前にレオンとオアイーブとの会話シーンがある描写から見て、レオンはオアイーブに伝承法を教わり、そしておそらくだが、クジンシーの技が即死技であることも知った(これはオアイーブが教えたのか、ヴィクトールの腕前を知っていたレオンが、ヴィクトールの体に命を落とすほどの外傷がなかったことから推察したのかは分からない)。ならば、見切りさえすれば伝承法でジェラールにそれを伝えることができる。

「ヴィクトールの弔い合戦だ」と口では言いつつも、レオンは死にに行ったわけだ。自分の命の心配だけでなく、兄・ヴィクトールに続いて父・レオンも倒れた後に 1 人残されることになるジェラールや、後々の自国の行く末など含めてリアルに考えると、不安なんてもんじゃないだろう。

 息子であるジェラールを信じていたこともあるだろうが、それ以上に、皇帝と帝国を支える兵士・臣民たちを信じていなければできない判断だ。ヘクターのように「ジェラールは、ちょっと……」と言う者も現れるだろうし、帝国内の情報を持って他国に逃れる者も出てきそうだ。

 しかしレオンは「クジンシーを討ち倒さねば、帝国そのものが滅びる」と確信し、「自分が死して、帝国が生き残る可能性」に賭けた。「国の王たる者、こうでなくてならない」という背中を見せられた気がして、スゴく好きなシーンだ。

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現在では修正されているが、当時の PS Vita 版のアプデ情報。トロフィー関連に不具合ありすぎだろ……と思うが、「はい、はい」を選択するとトロフィーが解放されないのはそのままでいい気もするな……

「命に限りあるがゆえに、志半ばにして次世代に託すことしかできない」という、短命な人間の弱点ともいえる部分。「命に限りあるがゆえに、“どうせ死ぬなら” と悔いのないよう、全力を尽くすことができる」という、短命ゆえの大胆さ。命を燃料と考え、いかに燃やし尽くすか。そこに人間の素晴らしさがあるのではないか……みたいなことを伝えようとしているのではないか……と思わされる。「俺たち不老なんかじゃなくて、寿命がある人間で良かったよな」的な人間賛歌というか。本作の「LP(ライフポイント)」というシステムは、それを象徴しているかのようにも見える。

 一方で、「寿命は締切のようなものでもある」……と考えると、「納期最優先」で有名な河津氏の考え方と通ずるものがあるようにも思う。期限を切ることは大事だよ……期限を切ることで全力以上の力が出るんだよ……という河津氏の仕事哲学をも伝えている……などと深読みすると、子供の頃には気付かなかった、『ロマサガ2』のスゴさを噛みしめることができるかもしれない。日々、締切に追われる仕事をしている者としては……イヤー、耳が痛いッス、河津先生。


●“永遠” の形

 古代人は「不死ではないが不老」という、歪んだ永遠を手にしている。その一方で「人間はすでに永遠を実現しているんだぜ」ということをも伝えているような気がする。

 ゲーム中では「伝承法」という形で表現されているが、似たようなことは現実世界の人類も、すでにおこなっている。親から子への教育や、学校での教育、職人の世界における師匠から弟子への技術承継。命に限りはあれど、次世代に「伝える」ことは永遠のひとつの形でもある。

 冒頭で「3 歩進んで 2 歩戻るみたいなシステム」と書いたが、実際の人類がおこなっている伝承も、だいたい、そんなもんだ。伝える側がヘタで上手く伝わらないこともあるだろうし、伝えられる側がテキトーな心構えでいたがために、上手く伝わらずに大事な部分をロストしたまま中途半端に伝承されて現在に至るものもあると思う。

 命に限らず、永久・永遠といったものは、それこそ永遠のテーマである。尽きない食料、尽きない電力、尽きないお金なんてあったらいいなぁ……というか、お金は尽きなくなったら価値自体がなくなるけど。永遠とは、「永遠でないもの」が比較対象として存在することが前提だ。

 エンディングで帝国は帝国制を廃止し、共和国化した。七英雄のこともあったが、帝国は人類同士・国同士の争いや戦乱も平定しながら突き進んでいたので、七英雄討伐と同時に、少なくとも、一応の世界平和を実現したといえる。

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 では、この平和は “永遠” なのだろうか。しばらくは大丈夫だろうが、そのうち、この平和が「当たり前」になってくると、人々の欲求はまた高まって来るだろう。帝国は他国を武力で平定することもあったので、帝国領となった国の中には、内心、よくは思っていない人もいるはず。帝国領に属して頭を垂れつつ、裏では力を蓄えているかもしれない。そういった人たちが恨みから嘘をばらまき、正しい歴史が後世に伝わらない可能性もある。“伝承” は、ままならないものだ。

 つまり「永遠」は、ない。必ず、いつか終わるときが来る。そのとき、人はどうすべきなのか。これは何気に、『ロマサガ2』が伝える重要なテーマであるとも思う。

 LP(ライフポイント)というシステムによって表現された「人の生命力」。悪く言えば、これを使い捨てていき、得た知識や経験を次世代へと繋げていく。大事なのは、人間ひとりがただ長生きすることではなく、目的のために命を消費し、その消費された命を決してムダにすることなく次へと繋げること。この力に勝るものはこの世に存在しない。

 レオンは自らの命を使い、ジェラールがクジンシーを倒す礎となった。序盤のこの演出には、『ロマサガ2』のすべてが詰まっているように思う。永遠ではない命を持つ人間がその生命を燃焼させ、永遠の命を持つ者に立ち向かう。限りなく永遠に近い平和を実現するために。結果ではなく、その過程に人間の素晴らしさが描かれている。『ロマサガ2』を最後までプレイすれば、そうしたことが自然と伝わるようになっている。


●欲を言えば……

 終盤、古代人の街でオアイーブに会った際、彼女は次のようなセリフを言う。

 私たちは彼らに殺されても
 仕方ありません。
 しかし、あなた方には
 罪はありません。
 あなた方には身を守る
 権利があります。
 ですから、その手段として
 伝承法をお教えしました。

 七英雄は、自分たちをハメて次元の彼方へ追放した古代人への復讐が目的であって、実は人間たちのことはあんまり眼中にない。しかし古代人たちは七英雄の帰還をマジでビビッており、「七英雄に見つかったら、俺ら完全に殺されるぜ」という焦りがあった。

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 古代人たちが「なんか今、帝国ってのがそこそこの力を持ってるみたいだし、あいつらを七英雄にぶつけてみようぜ」的なノリで、オアイーブが代表としてやって来て伝承法を伝えてみた……と考えると、オアイーブは『ロマサガ2』における黒幕ともいえる。

 事実、オアイーブたち古代人は、七英雄によって人間が危機に晒されていても、身を挺して守ろうとはしていない。「伝承法を教えるから、あとは自分たちでなんとかせいや。じゃあの」という感じで、遠くから見ているだけである。あわよくば、人間と七英雄が争うことで、七英雄が少しでも消耗してくれれば……という考えが透けて見えるようでもある。セコい。

 オアイーブが建前通り、人間たちに自衛の手段を授けたのか、あわよくば、七英雄を倒してくれるかもしれないと思って戦わせたのか。ゲーム中では明らかにされていないが、まあ後者だろう。

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古代人は進んだテクノロジーを持っていたようなのだが、ゲーム中では匂わせ程度にしか語られない。リメイク版で掘り下げてもいいのよ?

 オアイーブによってもたらされた伝承法は不完全であり、ゲーム中では、最終皇帝以降は能力の継承はできないとされている。破竹の勢いで各地を平定し、七英雄も倒した。ある意味、最も世界征服に近い位置にいた帝国だったが、先述のように、エンディングでは帝国制を廃止し、共和国としている。能力の継承ももうできないため、数世代に渡る記憶と技を受け継いだ超人とも言うべき最終皇帝が歳をとって死ねば、人間の世界は、また元通りに戻るのだろう。いや、各地を平定後に共和国化したため、以前より平和で争いのない、完璧な世界が実現したのかもしれない。

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話の流れとは関係ないが、時代を感じるセリフ。「いいこと」って、なかなかの死語だよな……。相手の男も、ゲーム史上最高クラスに頭悪そうな返答

 命を延ばす法を編み出し、ある者はそれを使って人を守り、ある者はそれに狂って人を傷つけ、そういった者たちを異次元に追放することで偽りの平和を生み出していた古代人。オアイーブも「あの人達がいつかは帰ってくると思いましたから。」と言っていたことから、それが永遠に続く平和でないことを知っていたと思われる。不老の身を持ちながらも、古代人たちの歴史は平穏とは言い難いものだっただろう。いや、不老だからこそ、終わらない恐怖に怯え続けることになったともいえる。皮肉なものだ。

 そんなオアイーブが皇帝を通して、人間の生き様を見て何を思ったか……までが描かれていれば、物語としてはもっと深くなった気もするが、そこはあえて描かず、プレイヤーひとりひとりが感じ取ってくれ、ということだろう。

 欲を言えば、クリア後の隠し要素でオアイーブと戦えたり、もしくはオアイーブが主人公で、他の古代人たちとパーティーを組んで、滅びきっていなかった七英雄に立ち向かう……というのがあったらなァとは妄想してしまう。「永遠の命なんて、死に臆病になるだけの、何の意味もないものだった……」と、古代人が生み出した「同化の法」と「七英雄を追放した過ち」を認め、人間たちを肯定して消えていく……みたいなのがあったら。皇帝だけに……なんつってな、ガハハ。

 ・ ・ ・

 以下、妄想。

(ラストバトルで皇帝が去った場所にて)

「やはり、まだ完全には死んでいませんでしたか、七英雄……」

「! 貴様、オアイーブ……今頃、何しに来た?」

「人間たちに感化された……とでも言っておきましょうか」

「ハ……ハハッ……まさか我らと戦うつもりか? 臆病で卑怯な貴様らに何ができる! 我らに守られ、我らを恐れて追放した裏切者共が! 貴様ら程度を蹴散らすことなど、わけないぞ!」

「でしょうね……しかしそれも、貴方たちが万全だったらの話。今の貴方たちは、皇帝によって尋常でないダメージを負っている。今ならば……結構いい勝負になるかもしれませんね」

「……ナメているのか……? いや、自分たちが戦うことを知らぬ赤子であることをまだ理解していないのか、愚かな。ん? その光は……伝承法……まさか、お前……」

「ここへ来る前に、皇帝から回収してきました。歴代皇帝が何百年もかけて受け継ぎ、研鑽してきた知識と技、そのすべてを。あの国は、もう……これがなくてもやっていける」

「きっ、貴様……本当に我らとやる気なのか。クッ……ククク、いいのか? その大事な大事な不老の肉体に致命傷を負うかもしれんぞ? どこかに隠れて怯えていれば、いつまでも生きていられるのに。今なら見逃してやっても……」

「そんな生は、もはや生ではない! そして、我らを守ってくれた気高き七英雄はもういない! だから我々は、狂ってしまった恩人に引導を渡しに来たのだ!」

「よくぞ言えたものだな、そんな戯言を。いいだろう。殺してやるぞ、オアイーブ。そして、その後ろにいる大勢の腐れ古代人共。貴様ら、一人残らず根絶やしにしてやる……!」

─戦闘─

(ここでロマサガ3のラスボス戦前の演出。オアイーブを先頭に走り出し、古代人たちが徐々にフォーメーションを組んで七英雄と対峙する。戦闘中、古代人たちは次々と倒されるが、後ろから次がどんどん補充される。オアイーブは強力な術と技が使えるが、何かを使うたび、その背後にそれを使っていた歴代皇帝の姿が点滅しながら現れる)

─戦闘後─

「グァァァァァ……!」

「ハァ……ハァ……痛い……苦しい……斬られ、殴られ、血を流すことが、これほどの痛みを伴うとは……」

「ハ……ハハ……それが戦いの証だ。赤子がようやく子供程度に成長したか。……ゴホッ!
 ……クッ、皇帝との戦いの後でさえなければ……貴様が皇帝から能力を継承していなければ……」

「貴方たちは滅びる。しかし……滅びるのは貴方たちだけではない。私たちも……共に行く。古代人はもう時代遅れの生き物なのだから」

「何……貴様ら、最初からそのつもりで……」

「この世界は彼ら……人間たちのもの。我々は、死に損ねていただけの過去の存在」

「ハ……ハハハ……! そうか……そうかもしれんな……」

「貴方たちも私たちも……人間に敗れたのです。ありがとう。ごめんなさい。そして……さようなら。七英雄……」

「オアイ……」

(オアイーブの体から伝承法の光が消え、微笑みながらその場に倒れる。
 七英雄も、自らが殺めた大勢の古代人の死体を見渡し、血塗れで倒れたオアイーブを見つめながら力尽きて消え去る)

 ・ ・ ・

 ……ベタだけどさぁ! こういうエピローグ的なものが追加されるのを夢見ちゃうのよ! 頼んだぞ! 『リベンジ オブ ザ セブン!』 リメイク作品は、改変すると原作厨的な層からいろいろチクチク言われるのが常だが、古代人と七英雄と異世界については元が語られてなさすぎなので、むしろこういう機会に掘り下げて欲しい! 大幅な新規追加要素、アリかナシかでいえば……

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