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2018年6月17日

『スチームワールド ディグ』に翻弄される

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 PSN の今月のフリープレイタイトルの1つ、『スチームワールド ディグ』が予想外におもしろかった。以前にもフリープレイになったことがあるらしいので、知っている人にとっては今更かもしれんけども。

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西部劇のような荒野と、スチームパンクが同居したような不思議な世界観。登場人物は全員ロボットだ

 画面から受ける印象は『テラリア』で地中を掘っているときに似ているが、ゲーム性はまったく異なる。掘れた鉱石類を売ったお金でピッケルやドリルの性能、体力、かばん収納数などを強化していけるものの、クラフト要素はない。あくまで “下へ掘り進んでいくこと” のみに特化したゲーム。

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日本受けしなさそうな、クセのある絵柄だが、だまされたと思ってやってみてほしい

 ゲームの特徴としては、一度掘った場所を埋める手段はないことが大きい。

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・自分の頭上は掘れるが、2マス上になると掘れない。
・垂直の壁は伝ってどこまでも上がっていけるが、すり鉢状になっていると上へ戻れなくなることもあ る。

 つまり、むやみに掘りまくると足場がなくなり、掘れない箇所が出てくる。これらのことから、掘り進み具合によって「鉱石の確保のしやすさ」「帰還しやすさ」が変わってくる。

 「帰還しやすさ」と「下層への進行」を同時に考えると、真下へ一直線に掘っていくのがベストなのだが、絶対に掘れない岩盤や敵キャラが邪魔となる。地形を削るタイプの敵もいるので、なかなか思い通りのルートでは掘れない。

 また、ある程度進むごとに、「ダッシュ」「大ジャンプ」「落下ダメージ無効」「二段ジャンプ」など様々な新能力を入手できる。トロフィーの中には、「本来は二段ジャンプを取ってからでないと行けない場所に、二段ジャンプの入手前に入る」というものもあり、メトロイドヴァニア的な側面も持っている。

 ……と、いろいろ書いたが、正直、このゲームを的確に説明するのは難しい。ひとことで言えば「下に掘り進んでいく 2D アクションゲーム」なのだが、それだと、このゲームの魅力を正しく表現できていない気がする。

 突き詰めて考えると、「このゲームはあれと一緒だな」と言い切れず、テンプレートに当てはめられない。既存のゲームに見られた要素を多く含みつつも、見事にオリジナリティを出している。『ディグダグ』『ミスタードリラー』『ロードランナー』『テラリア』、横から見た『マインクラフト』……このゲームをやりながら、いくつもの掘りゲーが頭をよぎったが、結局そのどれでもない。それでいて、時間を忘れて遊ばせる力がある。いいゲームに出会えたと思う。

トロフィー狙いによって覚醒するゲーム性

 掘れる鉱石類の総量が有限なので、無駄遣いをすればするほど金銭面は徐々にキツくなっていく。とはいえ、クリアーを目指すだけなら、そこまで気にする必要はない。なんとかなる。

 ただ、トロフィーコンプリートを狙おうとすると、途端に難しくなる。節約しつつ、稼ぎつつ、素早く無駄なくクリアーしなければいけない。というか、1度クリアーした後にトロフィー狙いで再挑戦し始めてからがこのゲームの本領ではないかというくらい、ゲームバランス的には非常に良く考えられている。

 プレイ時間は短めで、のんびり遊んでも4~5時間といったところ。だが、トロフィーに「2時間 30 分以内にクリアー」というものがあり、これが問題。2時間 30 分以内にクリアーするだけなら余裕なのだが、以下の4つの条件を同時に満たしてクリアーするトロフィーがあり、これがキツい。

・「2時間 30 分以内にクリアー」
・「お金を累計2万ためた状態でクリアー」
・「オーブを累計 150 個以上集めた状態でクリアー」
・「1度もゲームオーバーにならずにクリアー」

「2時間 30 分以内」と「お金2万以上&オーブ 150 個以上」が要素的に相反するものなので、いかに無駄を排するかが問われる。「ゲームオーバー」に関しては、やられた瞬間にメニューに戻れば回避できる。

 というわけで、記憶が新しいうちにトロコン目指してみようと再挑戦してみたのだが……

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お金とオーブが足りない……

 最下層への到達自体は 45 分ほどで行けるのだが、お金集めに時間がかかる。あと9分でお金 6,000 とオーブ41個はムリなので、この回は断念。お金は鉱石売却時に累計も見れるのだが、オーブはメモッておかないと累計が分からなくなるという問題もある。

 それらを踏まえて、3回目。

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逆に、狙っても難しいと思う

 さすがに、目を疑ったよね……。「以内」だから、30 分もセーフだと思うんですけど……とゴネたくとも、ゲームが相手では……。ある意味、「2時間 30 分ちょうどはアウト」という、貴重な情報提供になったかもしれん。

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「以内」じゃん! 「以内」じゃん!

 しかもこれ、クリアー時に自動でセーブされるから、最後のセーブからやり直すこともできない。オンラインストレージにセーブデータをコピーしておけば再挑戦はできたのだが、いけると思ってコピーしておらず……。

 そういえば何年か前に『バイオハザード0 HD リマスター』をやったときにも似たようなことがあった。3時間半以内にクリアーすれば無限ロケットランチャーが手に入るのだが……

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……。

 14 秒に泣いた。

 ・ ・ ・

 さすがに、すぐに4回目を始める気力がなかったので、少し日を置いてから、今度は Xbox One 版に挑戦。どうせなら、このノウハウを生かして実績も稼ぎたいのでござる。Xbox One 版は国内ストアでは売っておらず、海外のみとなるが、日本語化はされている。まさか、フリープレイがキッカケで、別ハードでも購入することになるとは……。

 そして4回目。

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がっ……ぐっ……

 オーブに泣かされるハメに。オーブは今まで意識しなくとも 150 を超えていたので、油断していた。メモッておけばよかった……。

 そして5回目。

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Oh, yes...

 ようやく達成。5回もやれば慣れはするものの、それでも時間に 10 分しか余裕がない。

 ここで、ようやく PS4 に戻ってリベンジ。

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ふう……。

 6回目。30 分残して達成となった。でも、オーブの数がギリギリすぎてヤバい。

 ・ ・ ・

 トロフィーコンプリートを狙ってみて初めて分かるゲームバランスの絶妙さには拍手喝采。PS4 と PS Vita は同一トロフィーのようだが、これがもし PS Vita も別トロフィーだったら、もう1回やってもいいくらい。ハードをまたいで計6回もやってしまったが、それでもまだやってもいいと思えるのはスゴいと思う。
 ●追記:(PS Vita 版は別トロフィーなのを確認。こちらもフリープレイで無料でダウンロードできるので、落とせる人は落としておいたほうがよいと思われる)

 そう思える理由としては、1回のプレイが短めということもあるが、何よりゲーム中のストレスが限りなくゼロに近いことが大きい。レベルデザインも恐ろしく秀逸。短すぎず長すぎないステージ構成の中で、新たな能力が得られるタイミング、ピッケル・ドリルの性能アップやかばんの収納数を拡張できるだけのお金がたまるタイミングもちょうどいい。ゲームバランス調整が神がかっている。

 ・ ・ ・

 このゲーム、元は海外のゲームなのだが、3DS / Wii U / PS4 / PS Vita / Xbox One(海外)/ Steam と様々なハードで出ていて、そのすべてで日本語化されている。(※Steam 版は日本語の表記がないが、ベータ実装されているらしいので、プロパティから切り替えればいけるそうな)

 ただ、続編の『2』に関しては、PS4(海外)/ PS Vita(海外)/ Steam(英語)/ Nintendo Switch の4機種で、日本語化されているのは Nintendo Switch 版のみ。

 フリープレイということで多くの人が触れる機会のあるゲームだと思うが、『1』を遊んだ人なら高確率で『2』をやりたくなる良いゲームなのに、『2』をやるには Nintendo Switch が必要。Nintendo Switch ユーザーからすれば、『1』がないので、いきなり『2』は手を出しづらい。任天堂ハード寄りでリリースされているので、3DS か Wii U があれば大丈夫ではあるが、同一ハードで『1』と『2』が揃っていないという点で、機会損失を招いている気がする。もったいない。
(※後日追記:7月5日から、Nintendo Switch で『1』が配信開始される模様。)

 ……とかなんとか言いつつ、このタイミングで Nintendo Switch 版の『2』のダウンロードコードが6月 24 日まで 25 %オフというのを見つけ、買ってしまった。実績やトロフィーがないのが残念な Nintendo Switch 版『2』だが、いざゲームを始めたら、そんなの気にせず夢中で一気にクリアしてしまった。最高ッス……。

 ちなみに『2』の公式などで使われているイメージ画像は、日本の目線で見ると「こ、これは……」と感じるくらいに強烈な印象。
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 実は、この記事の冒頭あたりの画面写真で出てきた、鉱石を換金してくれる女の子ロボが『2』の主人公。しかし顔が青いのと笑っているのが効いていると思うのだが、何だろう、この、にじみ出る不気味さは……。ちなみに実際のタイトル画面は、もうちょっとかわいい。↓

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 ニンテンドーeショップの画像も↑の不気味なほうの画像なので、なんとなく損をしている気がするのだが、『1』を遊んで『2』もやってみたいと思った人は、画像のイメージに惑わされず、カカッと購入して大丈夫だ。期待を裏切らない良作。もし『3』が発売されたら、発売日に飛びつくと思う。

 ・ ・ ・

 掘り進むことがゲームの目的、奇抜な世界観、拠点に居る変わった住人……というと『ミスタープロスペクター ほりあてくん』を思い出してしまったが、アイテム収集要素もなく、経験値や酸素の要素はないので、やはりゲーム性は大きく異なる。

「掘る」ことを主軸に置いたゲームでも、いろんな差が出せるものなんだなぁと改めて思わされた作品。……久々に『ほりあてくん』やりたくなってきたな。現在ややプレミア化の傾向にあるようだが、なぜかゲームアーカイブスで配信されているので、やったことない人はやるべき。

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| コメント (2)

コメント

トロフィーリストにはPS4 / PS VITAって表示されるけど、どうやら別トロフィーらしいっすよ
まだやってないけどオススメしてるのでやってみようと思います


投稿者 友人K : 2018年6月20日 10:26

え、そんなまさか……

(Vita もフリープレイで無料だったのでダウンロードしてみる)

げぇっ! 本当だ!
ま、また挑戦の日々が……。


投稿者 夢崎(管理人) : 2018年6月20日 21:48

※現在、スパム対策のため、コメント入力機能を一時停止しています。御用の方は掲示板まで……