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2014年2月26日

「Romancing SaGa バトルアレンジ Re:Birth II -閃-」レビュー

パッケージ

公式サイト

 イトケンの『Re:birth』シリーズ第3弾。前回の「Re:birth」は、いつの間にか発売されてて、イトケンファンのくせに数ヶ月遅れで聴くザマだったが、今回は満を持して発売日に購入。ファンの期待も高かったのか、早速 Amazon でも売り切れで「7~10日以内に発送」になってるけど、iTunesストアで全曲購入だと 1,800 円とお安く、品切れもないのでオススメ。ただ、パッケージ版の初回生産分にはオリジナル楽曲のダウンロードコードがついてるので、そっちも欲しい人はパッケージ版を 10 日くらい待てばいいさ。俺は待てん! も、もう入れるぞッ!(iPodに)

 前回の『Re:birth』は、イトケンのゴールデンナンバーともいえる「七英雄バトル」「四魔貴族バトル」が入ってたうえに、『2』と『3』のラストバトル、「決戦! サルーイン」もブッ込んで来るという血管ブチ切れ全開ラインナップだっただけあってファン満足度は高かったのではないかと思うが、今回は『サガフロ』も入ってきて、後期中心……かと思いきや、前回の「七英雄バトル」アレンジは不評だったのか、違うアレンジで再登場。この曲もだが、全体的に変化よりも正統進化を目指した感じで、聴き方によってはインパクトが薄いかもしれない。

 そしてタイトルが「バトルアレンジ」なのに「下水道」が堂々の登場。ニコニコ動画でも「世界一抱かれたい下水道」などのタグが貼られるほどの、ホントなんでこれ下水道の曲なんだってくらい良い曲だが、個人的に残念だったのは『ミンストレルソング』版の下水道がベースというところだろうか。あっちはちょっとイントロがなんかキラキラしすぎてて、元の下水道の良さがあまり発揮できてないと感じるんだ……個人の感想です。「下水道」に関しては、ここのピアノアレンジが素晴らしい。

 トラックリストを見る限り、今回の見所はやはり「バトル#5(『サガフロ』のメタルアルカイザー戦)」だろう、と思っていたのだが、この曲、実は基本的な部分はそんなにアレンジされていない。後半はちょっとソロパートでハッスルするが……。

 奇しくも以前に書いた『聖剣伝説2』のアレンジアルバムっぽく、かなり原曲重視で、数年ぶりに聴いた人なら「あれ? 元々こんなんじゃなかったっけ?」と感じるかもしれないくらいの、各楽器の音色のみを現代相応にパワーアップさせた感じ。もし『サガフロ』がリメイクされたら、戦闘曲はこれこのままで全く問題ないレベル。元が、曲調も音色も特撮ヒーロー曲テイスト強めだったので、そこはちゃんとロックに置き換えたといったところだろうか。しかしこれの衝撃には敵わない……。

 その他の注目曲について、ちょこっとレビュー。

●呼び醒まされた記憶(『ミンストレルソング』)

 元が PS2 の頃の曲で、音色や音数が厳しかった頃でもないので、そんなにパワーアップした感じはないだろうと思っていたが、その予想は裏切らない、無難な落としどころを狙った印象。変えすぎて評価が分かれるのを避けたのか、元々激しい曲だったので変えようがなかったのかは分からないが、新鮮味はない。

 ここここのアレンジみたいに、あえてイトケン本人によるスーファミ音源アレンジも聴いてみたいなぁ。ていうか元のワンダースワン版の原曲が1回も CD に収録されていないので、なんとかしてほしい。あと『ワイルドカード』も頼むよ。あれ、名曲多すぎなんだよ。

●バトル2(『ロマサガ1』の「四天王」)

『ミンストレルソング』版から、そこまで大きな変化ではない。しかしロマサガ風アレンジの金曜ロードショー見てからというもの、『ミンストレルソング』版の四天王はもうそのイメージで固定されて困る。

 最後のほうがピアノアレンジになってフェードアウトしていくのだが、これが意外とメロディーライン的に良かったので、逆にこれをオープニングに持ってきて、X JAPANの「Silent Jealousy」みたいな始まり方にした激しいアレンジを聴いてみたかった。

●バトル1(『サガフロ1』通常戦闘)

 原曲は、聞き飽きないという意味で地味な名曲だと思っているのだが、これまた変わってなさすぎで、やや肩透かしか。これも、ゲームがリメイクされたらそのまま使える感じ。

 今回、サガフロ曲が多いので、実は水面下でサガフロシリーズの現行機リメイクでも進んでるのか? と勘繰ってしまいたくなるが、もしそうだったら嬉しいものの、それより先にケータイで配信されてるロマサガ2を移植してくれ。「強くてニューゲーム」とか強敵追加されてるんだよ。しかも最近のスマホのアプリじゃなくて、iモードだの EZWeb とかの時代の産物。マジでなんとかしてくれ。

●ラストバトル -アセルス-(『サガフロ1』)

 原曲からして往年のマリスミゼル的なムード全開だった曲だが、そのまま正統進化させた感じ。アレンジなんだからパートによってはもっとドラムをドコドコさせてもいいんじゃないかと思ったが、ゴシックというか耽美的な世界観を壊さないほうを選んだのかな。

 前回の「Re:birth」収録の、ロマサガ3の「ラストバトル」に、ロマサガ1の四天王の曲のフレーズが入ってきたときは震えたものだが、ああいった大胆なアレンジは今回はナシ。逆に、前回の賛否の否のほうの意見に対して作った正統バトルアレンジ、という印象。良いデキなんだけど、これだけ散々、動画などで素人がアレンジを発表しまくってる現代の状況だと、新鮮味は薄いかも。でも総じて多くの人に高評価を得られそうなところを狙った感じのする正統派アレンジ集なので、買って損はない仕上がり。

 そんなわけで、第4弾を出すなら『ジュエルサマナー』の通常戦闘曲とか、ギターフリークスの「OVER THE LIMIT!」とか、上でチョロッと書いた『ワイルドカード』とかもやってほしい。第1弾は『聖剣』で、2・3弾が『サガ』シリーズだったから、そろそろいいだろう……と思ったけど、『ワイルドカード』はともかくとしても、他の2つは版権が難しそうだ……。

 あと、ついでに……というか「合わせたのか?」と思うほどに同日だが、Wii U のバーチャルコンソールでロマサガ3が本日配信開始。少し前に『1』『2』も来ていて、やっとロマサガ3作全部が Wii U タブレットで遊べるように。これの何が重要って、Wii 版と違って Wii U 版はどこでもセーブができるから、戦闘終了直前にセーブしといて技の極意化狙いやレアアイテム狙いも容易に。これがロマサガ3スキーにとってどれだけありがたいことか! Wii 版を持っている人は 150 円で買えるので早速買ったけど、セーブデータ引き継げないのね……。

 ちなみにこのバーチャルコンソール版ロマサガ3、割と致命的な裏技は修正されているらしい。バーチャルコンソール化の際に、昔は良かったけど現在ではマズい表現(『たけしの挑戦状』における「土人」や、『ロマサガ1』の「アフマド」など」)のテキスト部分を修正していることがあるというのは知っていたが、バグ修正まで手を入れているのは初耳。テキスト部分ってのはデータさえ開くことができれば比較的いじりやすいほうだからなんとかなると思うけど、バグ技修正って原因突き止めないとだし、結構大変なはず。

 んで、大事なのは、今でも「いじれる」んだ、ということ。このテの復刻系って当時のスタッフがもういなかったりして、プログラムがいじれなくなってることが多かったり、たとえカンタンな修正でも「コストかかるから」ってやりたがらないメーカーが多いけど、いじれるならば、ロマサガ3で幻のモンスターとされているトウテツやスフィンクスが敵出現テーブルの手違いで絶対出現しなくなっている問題も、やろうと思えば修正できるはずなんだよな。あと、見切り技の「脳天割り」が絶対修得できない問題も。たしか Wii 版では結局これは放置だったので、Wii U 版ではここだけでも直してくれてると嬉しい……けど、どうだろうなぁ……。

 なお、王家の指輪増殖に関してはどうも仕様ということで良さそうで、Wii 版でも使えるのは確認している。ファンが多い作品なので、数日中には上記の幻モンスターの件がどうなってるか確認もできそうだが、ソワソワしてきたので、またカタリナでスタートするのであった。

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