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2013年6月27日

バーチャルコンソール、夏

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 Wii U のバーチャルコンソールで『聖剣伝説2』『FF6』が配信。ちょっと遅れて7月3日に『真・女神転生』も。なかなかラインナップに魅力的なブツが増えなかったけど、ここへきてようやく往年の名作 RPG が。ついに、布団に入りながら飛空艇ファルコンの浮上シーンや ICBM が発射されたりする様を見れるのか。ロマサガ早よ。

 とりあえず『真・女神転生』のアタックナイフ無限売り、『聖剣伝説2』の Lv 9 マナの剣、『FF6』の機械頭装備……といった裏技は使えるのかどうか確かめたいけど、Wii U のバーチャルコンソールは GBA も予定していたはずなので、どうせなら GBA 版の『真・女神転生』と『FF6』を配信してくれたら、問答無用で買うのに……。あと、よりによってこの2つはゲームアーカイブスで配信されているので、『聖剣伝説2』のように、他ハードで発売されていないタイトルを優先的に進めてもらいたいものだ。

 バーチャルコンソールといえば、3DS のほうでもいくつか買ってみた。

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 その内のひとつ、ゲームギアの『ドラゴンクリスタル ツラニの迷宮』。実は不思議のダンジョンシリーズよりも先に家庭用機に進出していた『ローグ』タイプゲーム。セガは何かと「早すぎる」と言われるが、これも、ご多聞に漏れず……。不思議のダンジョンシリーズと異なるのは、斜め移動がないこと、アイテムの上に乗っても自動で拾わないこと、食料は蓄積され、アイテムとして使う必要がない、といったあたりだろうか。

 食料についてはこのほうが便利な気がしたが、食料蓄積の最大値が意外に低い場合、アイテムとして保管できたほうがいいかも。アイテムの上に乗っても自動で拾わない点については、足元のアイテムを投げたり、アイテムの上に乗った状態で足元のアイテムを使ったりはできないので、なぜ乗った時点ですぐアイテム拾得、というシステムにしなかったのかは、ちょっと疑問符。斜め移動についてもそうだが、このあたりは後に不思議のダンジョンシリーズが一歩進化させた点……だろうか。

 ゲームバランスについては不思議のダンジョンシリーズ以上に運に左右される感じで、ひどいときはゲーム開始時に小部屋で敵に囲まれた状態からスタートして、ボコられながらも部屋からの脱出口を探り、ようやく出れたと思った先が行き止まりの小部屋という、救いのなさすぎる展開も。このゲーム、数秒間、ボタンに触れずに放置していると画面下に「ドウシヨウ」と出るんだけど、こっちが聞きたいよ。

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やっと逃げたと思ったら……。
もちろん、隣の部屋からは敵が来てるし、HPも少ない。
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ホントにな……。

 あと、正面から見ると主人公がスゲー肩をいからせて歩いてるように見えるが、これは謎の卵を引きずっているから。

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後ろから見ると、こんな感じ。
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主人公のレベルが上がると孵化する。

 ストーリーとしては、魔法学校に通う少年が水晶玉につまずいたら水晶の中に入ってしまい、このワケワカメな世界でモンスターと戦うことになる……という話なのだが、そのとき、一緒にいた愛犬・ポチは卵に変わってしまっていたという設定。ゲーム中にまったく語られないので、説明書を読まないと把握できず、せめてオープニングでそれくらいは語ってくれよと思わなくもない。

 ちなみにこのポチ、卵から孵化してドラゴンとなっても別に何もしてくれない。ちょっと待て、そんなはずは……と焦ったが、どうやら本当に主人公の背後を守る壁としての役目しかないらしい。なんかゲームデザイン時から実際の製品として完成するまでの間に大人の事情で省かれた感があるのだが、実際のところは、どうなのだろうか……。

 あと、アイテムと一緒にドル袋が落ちていることがあり、取ると所持金が増えていくのだが、別に『風来のシレン』みたいに店があるわけでもなさそうで、お金の使い道が分からないでいると、死亡時にある程度のお金を持っていることでコンティニューが可能になるようだ。

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嬉しくなるのはいいけど、割とそれどころじゃない。
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死因の表示とともに、コンティニュー画面に。

 コンティニューすると、武器防具以外のアイテムはロストしてスタートから開始。武器防具を引き継ぐということは、お金さえ持っていれば、たとえ死んでも次の周でクリアできる可能性は高まるわけで、このあたりは『ローグ』タイプにしては、なかなか親切といえなくもない。

 ただ、ゲームギア版当時はセーブも中断もなかったので、電源を切ると問答無用で最初から。つまり、コンティニューはあるけど、1回電源をつけたら最後までいかない限りは達成感は得られないわけだ。

「でもまあ、1日の運試しとして気楽にやる分には良いゲームだったんじゃない?」と思われるかもしれないが、当時のゲームギアは単三電池6本で2時間半~3時間動けばいいほうだと言われていて、このゲームは全30フロア。1フロアあたり6分以内に突破していかないと、クリアよりも先に電池が切れることになる。『風来のシレン』では、同じフロアに長時間滞在していると風で飛ばされたが、こっちは電源を切られるわけで、否が応にも6分以下で次のフロアへ進まなければならなかったわけだ。この点は、中断セーブが可能な 3DS のバーチャルコンソールとしての復活で、最も恩恵を受けた部分かもしれない。

 もちろん、AC アダプタ繋ぎながらやればいいじゃ~んとか、ミもフタもない意見もあるだろうが、そういうときに限ってAC アダプタに繋げない状況で遊んでいたりするもの。当時の携帯ゲーム機には独特の緊張感があった。ゲームボーイなら、薄くなっていく画面のコントラストを濃くしたり、あるいは電力消費を抑えるためにあえて薄くしたり、音を消したり(効果あるのかどうかは知らんけど)。テトリスなどのパズルゲームならまだ諦めもつくが、RPG なら、セーブポイントに辿り着くまでは持ってもらわないと困る。あのセーブポイントまでの死闘は、ゲーム内容とは別の、もうひとつのゲームだったように思う。

 昔のゲームをこうした恵まれた環境で遊べるのは幸せなことだが、せっかくなのでプレイ感覚も合わせるべく、このゲームを始めるときは時間をチェックして、3時間以下でのクリアを目指してみたい。

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 3DS の画面を見て「ゲームギアはこんなに画面が大きくなかった」というのならば、ゲームギア本体をバックに、ドットバイドット表示にもできる。立体視を用いた3D表示にすると、画面のフチの微妙な窪みまで再現されて「おおっ」となる。ゲームそのものには無関係だし、贅沢な 3D の使い方だなあと思うけど、これは他のハードのバーチャルコンソールでも、ゼヒやってほしい。

 ちなみにオプションに「残像のオン/オフ」があり、これをオンにすることで、当時のゲームギアで遊んだときに発生した残像を再現。上の表示と残像オンを併用することで、まさに当時のプレイ環境を再現できる……けど、肝心の画面が小さいこともあって、これは目がマジで疲れる。3時間以下はなんとかなりそうな気がするけど、ミニ画面+ 3D 立体視状態+残像は、かなりハード。当時のプレイ感覚の再現はいいが、当時よりも衰えているであろう俺の眼がついていけるか心配だ。

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