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2002年9月29日

劇場版『仮面ライダー龍騎』レビュー

 劇場版『仮面ライダー龍騎』を観に行って来ました。いや俺、友人宅で偶然、第1話を見たことがあるだけで、それ以降、全く知らないんですけど。なんか弟が観に行くと。行ってらっしゃいと。映画館の場所が分からないと。教えると。遠いと。車で行ってくれと。まあ気付いたら俺も観ることになっていたわけですよ。

 全く知らない人のために俺が知っている範囲で適当に説明致しますと、『仮面ライダー龍騎』は伝統ある「仮面ライダー」シリーズの最新作。初期の頃の「バッタ改造人間」という設定はどこへやら、もはや受け継いでいるのは「変身!」のかけ声とポーズくらいのもの。最終的には合計 13 人の仮面ライダーが登場する予定らしく、発表時には話題になりました。また、出演者に若手のイケメンが多いため、子供向け番組ながらも、その母親なども巻き込んで大人気だそうです。詳しくはこちらの仮面ライダー龍騎オフィシャルサイトで。

 で、朝の 10 時から観に行ったわけですが、まず、人の少なさに驚愕。いくら夏休み明けで平日だからって これは無いんじゃないのってくらいで、その数、13人。仮面ライダーと同じ数ですね。始まったら少しは増えるかと思ったら、ついに最後に席を立つまでメンツ変わりませんでした。

 実は密かに二本立てで、『ハリケンジャー』も同時上映。こちらも『仮面ライダー龍騎』同様、ほとんど見たことがないんですが、こっちは戦隊モノの血を受け継いだ正統な後継作。中途半端に色っぽい女幹部、ポーズを決めると同時にバックで色つき爆破、25 分地点で敵が巨大化、こちらも巨大ロボに搭乗、と相変わらずの基本フォーマット。しかし子供の頃は夢中で見たものですが、今見るとこんなに稚拙だったかしらと思うほど、大人が見ると恥ずかしくなってくる内容。劇場版なのに 30 分という時間のせいもあってか異様な展開の速さで、しかもツッコミどころ満載、というかツッコミどころの方が多い有り様で、笑いをかみ殺すのに必死。個人的に最高だったのが、異星人が持つペンダントの力により、主人公たちの巨大ロボを一つに合体するシーン。

異星人のヒロイン「このペンダントの力が、ロボたちを1つにするわ!」
ハリケンジャーたち「何ッ!? そんなことができるのか!」
リーダー「理屈は分からないが……いくぜ!!」

 主人公にも分からない合体を始める巨大ロボ。どう見ても最初からそう設計されていたとしか思えない変形を経て、いくつかあったロボが、ひとまとめに。不利だった形勢を逆転し、とどめの必殺技を繰り出します。その際、初めて操作するはずの合体巨大ロボの必殺技名を寸分狂わず全員で叫びますが、もうどうでもいいや。

 さて『仮面ライダー龍騎』の方ですが。『ハリケンジャー』が完全に子供向けだったのに対し、こちらは大人が見ても充分に鑑賞に耐える出来。つくづく、テレビ版『龍騎』をちゃんと見とけば良かった、と思うほどでした。テレビ版の本筋をよく知らないのですが、複数の仮面ライダーたちは基本的に敵対する立場で、自分以外の他のライダーを倒し、最後の一人になった時、願いが叶うとかそういうことみたいで。戦う舞台が鏡の中の世界「ミラーワールド」というものなので、イメージとしては「仮面ライダー」+「バトル・ロワイアル」+「のび太と鉄人兵団」といった感じ。正直、観てて予想以上に引き込まれたんですが、結末がちょっとアレでして。テレビ版はまだ続くようで、この劇場版は、ゲームでいうなら「マルチエンディングの中の1つ」という位置づけらしいので、まあ……いいのかな。一言で言うと、打ち切りマンガのお手本のような結末でしたよ。

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