
『クロックタワー』はスーパーファミコン版に始まり、プレイステーション版、Windows 95 / 98 版、ワンダースワン版と移植されていき、『リワインド』版までに 4 バージョンがリリースされてきました。このページではそれらを軽く紹介します。

クロックタワー
(スーパーファミコン版)
11,400 円(税別)
1995 年 9 月 14 日発売
ヒューマンが展開していた「シネマティックライブ」シリーズの第 3 弾にして完結編として登場。1 作目は沈没しつつある豪華客船からの脱出を目指す『セプテントリオン』、2 作目は火災が発生したビル内の消火活動や人命救助を行う『ザ・ファイヤーメン』。
移動や探索がポイントクリック型で、パソコンゲーム的な雰囲気があるが、スーパーファミコン版が原典で、PC 版はその移植となる。
主人公・ジェニファーの名前や外見などは映画『フェノミナ』の影響を強く受けている……というか、ほぼそのまんまだったりする。洋館の中を徘徊する殺人鬼・シザーマンの襲撃から逃げ惑うという部分は本作オリジナルだが、ハサミを凶器とする部分は、映画『バーニング』の影響もあると思われる。
スーパーファミコンソフトの中では高値を維持している(相場は 1 万円前後)が、2017 年より Project EGG にて 880 円で配信されており、動作する PC を持っているならば、お手頃な価格で手に入れられる。Project EGG 版にはクイックセーブ機能もある。
ただ、2024 年にリワインド版が発売され、リワインド版は追加要素を楽しめるほか、オリジナル版(スーパーファミコン版)で遊ぶこともできるため、あえて今スーパーファミコン版を手に入れる意味はあまりない。
クロックタワー
(Windows 95 / 98 版)
6,800 円(税別)/「ULTRA2000」版は 2,000 円(税別)
1997 年 3 月 28 日発売
(2 月 28 日発売予定と書かれた広告が確認されており、どちらが正しいかは不明)
スーパーファミコン版にいくつかの要素が追加され、マウスだけで操作できるようになっている。
最初は Windows 95 向けに「紙箱に入った PC ソフト」として発売されたが、後に『ULTRA2000「CLOCK TOWER」』として、Windows 95 / 98 向けに CD ケースサイズの廉価版が発売となった。紙箱版は、今となってはかなりのレア品(ゲームの中身は同じ)。
なお、Windows 10 / 11 環境でも動作することを確認している。セーブデータは、C ドライブ→ユーザー→(ユーザー名)→AppData→Local→VirtualStore→Program Files (x86)→Ctwinの中にある「DATA.BIN」。

クロックタワー The First Fear
(プレイステーション版)
3,800 円(税別)
1997 年 7 月 17 日発売
プレイステーションで続編『2』が発売となったことで需要が高まっていたところへ投入された、1 作目の移植。スーパーファミコン版は店頭であまり見かけず、中古相場も高値を維持していたため、このプレイステーション版の発売は安価でありがたかった。
Windows 95 / 98 版をベースに、新たな要素も追加されており、長年、完全版的な存在でもあった。何気にプレイステーションマウスにも対応している。後にゲームアーカイブスでも配信された。
初回版にはスリーブケースとブックレットが付属。ウィキペディアにはメモリーカードホルダーも初回版特典のように書かれているが、当時筆者が購入した際、スリーブケースとブックレットは確認しているが、メモリーカードホルダーは付いて来なかった記憶がある。予約特典とかだったりしないだろうか……?

筆者は後年、ヤフオクで他の品を落札した際にこれが含まれていて手に入れたのだが、窪みに描かれている『ムーンライトシンドローム』は「coming soon」とあることから、このメモリーカードホルダーは1997 年 10 月 9 日(『ムーンライトシンドローム』の発売日)より前に作られた物であることは間違いなく、PS1 版『クロックタワー』の発売日である 1997 年 7 月 17 日より後だと考えると、PS1 版の特典品として辻褄は合う。
ネットを検索しても、この品について詳しい情報を見つけることができないでいる。どういう特典だったのか(予約特典? 数量限定?)、ご存じの方は掲示板で教えていただけると助かります……。
クロックタワー for WonderSwan
(ワンダースワン版)
3,980円(税別)
1999 年 12 月 9 日発売
モノクロ携帯機への移植という、かなりの無茶移植ではあるが、ゲームの雰囲気は上手く再現されている。
画面の広さの制約上で顔グラフィックの表示がなくなったと思われるが、ジェニファーの表情で表現していた残り体力は、ワンダースワン本体の LCD によって表現されている。このため、LCD 部分を再現していない一部の互換機やエミュレータではジェニファーの残り体力が分からない。


クロックタワー・リワインド
(PS4 / PS5 / Xbox Series X|S / Nintendo Switch / Steam)
ダウンロード版……3,300 円(税込)
パッケージ通常版(PS5 と Nintendo Switch のみ)……4,980 円(税込)
DELUXE EDITION ……7,480 円(税込)
2024 年 10 月 31 日発売
スーパーファミコン版をベースに、プレイステーション版で追加された要素を逆輸入し、新たにいくつかの要素も追加。扉や階段をクリック連打した際、必ず「歩き」に戻っていたところが「走り」のまま実行したりと、総じて遊びやすくなっている。
スーパーファミコン版のパッケージ画像や説明書画像、プレイステーション版の初回特典だったブックレット画像なども収録されており、さらにオリジナル版で遊ぶこともできるため、スーパーファミコン版の上位互換と言っていい仕上がりとなっている。
Amazon の予約特典として、スーパーファミコン版のパッケージを模したジャケ紙「オリジナルアナザージャケット」が付属した。ジャケ紙をこれに入れ替えるとスーパーファミコン版のパッケージを再現できるが、CERO のマークや裏面の注意書きなどがないため、「いかにもなジャケ紙」としての完成度は低い。

DELUXE EDITION の同梱物は以下のとおり。
クロックタワー Advance
(GBA)
2025 年 9 月頃?
海外の有志によって作られた、非公式の移植版。『リワインド』の発売後という謎のタイミングでリリースされており、それでいて『リワインド』の要素は一切含まない。←のパッケージ画像も有志によって制作されたもので、日本語版と英語版でデザインを変えた画像がそれぞれ存在する。
これを制作した人たちは無料のハック ROM として配布しているが、これがセーフなのかどうかは判断しかねる。また、複製カートリッジの作成や販売を禁じるとしているが、こちらも、これまたよく分からないルートで流通している。
物理カートリッジ版はネットオークションなどで、たまに見かける。レトロフリークで動作するが、読み込みが上手くいかないことが多く、正しいデータを吸い出せるまでに、かなりの時間がかかる。ゲームボーイアドバンスの吸い出し環境があるなら、そちらで正常なものを吸い出してからレトロフリークの micro SD に移動させたほうが安定するだろう。

「カーソルは合うが、カーソルの形状が四角く変化しない」箇所があったり、特定条件下で画面が真っ暗になってリセットするしかなくなったりと、完璧とは言い難いものの、純粋に移植として見ると、クオリティは高い部類に入る。スーパーファミコン版を雑に移植したわけではなく、ドット絵や音はゲームボーイアドバンスに合わせてしっかりと作られている。


また、オプション画面では日本語と英語の切り替えや、セーブデータの消去が可能になっており、このあたりはスーパーファミコン版より進化していると言える。
GBA 版にしかない要素は特になく、わざわざ入手してまでプレイする必要性はないのだが、ゲームボーイアドバンスで『クロックタワー』を動かすとどうなるのか、どこまで再現できるのかを見てみたい人にとっては、良いサンプルになるだろう。
