2016年11月30日

『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』レビュー

 Amazon で間隙を縫って二次出荷分の予約に成功していた『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』(以下、ミニファミコン)。12 月 14 日頃発送予定になっていたのだが、昨日、突然発送された。というわけで世間的には遅くなったが、ザッとレビューをしておきたい。

 このハードをひとことで言うと「バーチャルコンソールのタイトル 30 本をお手軽に遊べるようにしました」という感じ。利点としては、Wii U バーチャルコンソールのどこでもセーブ機能は1つしか保存できなかったのに対し、ミニファミコンは1タイトルにつき4か所まで保存できるところや、30 タイトルそれぞれをバーチャルコンソールで買うより遥かに安い(多分3倍以上違う)ところ、あと、起動が速いところ……といった感じだろうか。

 特に起動の速さは大事な点。さすがに電源入れた瞬間にメニュー画面が出るほどには速くないが、変なロゴがいっぱい出るのを待たなければならない昨今のゲームと比べるとスピーディーだし、ああ、ファミコンの頃ってこうだったよなァと懐かしく感じたり。コントローラの小ささについては、思ったよりは気にならなかった。……俺の手が小さいからかもしれんが。


ちょっと気になったのは、保存しているセーブデータの時間表示。ロックするとカギマークで3ケタ目が隠れそうなので、99 時間 59 分以上の表示はなさそう……? 充分やないかいって話ではあるけども。

 今はバーチャルコンソールがあることと、収録されている 30 本はすべてバーチャルコンソールでも配信されているものなので、「昔のゲームを公式アイテムで堂々と遊べるありがたみ」というのは薄い。

 しかし、ファミコンのバーチャルコンソールには「なぜか画面が少し暗く、ぼやけている」という重大な欠点があった。「画面が暗い」というのはゲームボーイアドバンスのバーチャルコンソールもそうだったのだが、「ぼやけている」のはファミコンのみ。画面の暗さについては「ポケモンフラッシュ問題を意識して暗くしているのでは」という説もあるらしく、もし本当だとしたら「なるほど……」とは思うものの、一律強制的に暗くするんじゃなくてユーザー側でモードを選ばせてほしいし、「ファミコンだけが、ぼやける」理由だけは不明だった。

 今回のミニファミコン発売のニュースを聞いて最初に思ったのが「これでやっとドットクッキリに!?」だった。ミニファミコンは「アナログテレビ」「4:3」「ピクセルパーフェクト」の3つのモードで表示可能で、「4:3」モードと「ピクセルパーフェクト」モードの両方でドットがクッキリなことを確認。バーチャルコンソールのぼやけはマジで何だったのか……。なお「アナログテレビ」モードは、いくら懐古的な雰囲気に浸りたくても、ちょっと画質が目に悪すぎ。当時でもこんなひどくなかった気がする。ずっと見てたら視力落ちそう。


「4:3」モード


「ピクセルパーフェクト」モード


「アナログテレビ」モード
(※常に画面が微妙に揺れてる感じということもあり、こうして静止画として切り抜くと実際以上にひどく見えます)


Wii U のバーチャルコンソール版

 こうしてみると、Wii U バーチャルコンソール版のぼやけがよく分かると思う。ちなみに縦横比もちょっとおかしくて、通常より横長。ゲームパッド画面だと、ここからさらに横長になる謎仕様。Wii U 本体の解像度を 480 p に落とすと縦横比は正常っぽくなるが、キャプチャ画面が小さくなる。バーチャルコンソール起動するたびに解像度変更なんてやってられん。

 つまり今回のミニファミコンは……

・エミュなどのグレーな手段じゃない「公式アイテム」で、
・レトロフリークなどの内部エミュレーションではない「任天堂謹製」で、
・収録されている 30 本に限るが、「クッキリしたドット」で画面表示できる唯一のハード

 ……ということだ。これ以外に同等レベルの対抗馬となるともうエミュか、RGB 改造を施したファミコンしかないと思う。

 というわけで、個人的には懐かしさによるゲームプレイ目的というよりは資料的キープというか画面写真・動画撮影手段としての購入。ただ、『リンクの冒険』に関しては、小学生の頃に友人宅で見て憧れのゲームだったので、1回ちゃんとやりたいなァと思って始めてみたものの、リンクと街の人の頭の大きさの違いに吹いたりして、なかなかあの頃のように純粋に見れない。


頭の大きさが4倍くらい違って草

 その他、気付いた点を列挙してみる。

リセットボタンを押すだけで自動的に中断セーブされるのは良いが、保存箇所が各タイトル4つまでしかない。

 大して容量は食わないはずなので、セーブ箇所は山ほど用意してほしかった。

コントローラのケーブルがスゲェ短い。

 これは実際に触ってみて一番「げぇっ」と感じた点。多分1メートルだと思うが、この短さは地獄。本体の置き場所によっては、長い HDMI ケーブルと USB ケーブルを用意して、ムリヤリ本体を手元近くに置かないとキツい。

コントローラが着脱式ではないため、コントローラの消耗が気になる

 海外版のミニファミコンは Wii のコントローラ端子と互換性があるコネクタになってて、着脱可能なのよね……。つまり、Wii や Wii U で使っているクラシックコントローラが使用できる。日本のファミコンにも前面に拡張コントローラ端子があったんだから、そこに Wii 用のコネクタ付けて欲しかったなァ。

解像度は 1280×720 固定。いじることはできない。

 これは大した問題でもないが、アマレコなどのキャプチャで「映らねえ!」ってなってる人は設定を 1280×720 に。

FF3 をやって気付いたが、エンカウント時の画面明滅演出がない。

 バーチャルコンソールの FF3 にはあったが、ミニファミコン版では明滅自体、しない。前述のように、ポケモンフラッシュ問題を意識しての変更かなぁ。まあ大した差ではないのだけど、結構そういうところいじってるのね、と。

拡張の可能性が割と絶望的。

 本体のどこを見ても、後々の拡張に使えそうな端子などがない。ミニファミコン発売のニュースを聞いたとき、「最初から拡張前提にして、バーチャルコンソールだけを切り離して独立させたようなものにすればいいのに」と思っていたが、ミニファミコンは今後どんなに要望があったとしても、これ単体で完結させてしまうようだ。ソフトラインナップを変えて「2」とかは出せそうだけど、そうなると新たなラインナップごとに本体が増えていくわけで、無駄にかさばるし、実現しなさそうかな。見分けもつきづらそうだし……。

 しっかし、企画丸パクリでいいから、ミニ PCエンジンとか出してほしい。切実に。

  ・ ・ ・

 あと、細かい事ではあるが、ちょっと気になったので。「ミニファミコン ピクセルパーフェクト」で検索するとトップに出てくるこのページだと、解説が間違っている。

 ファミコン全盛期のテレビ(アナログテレビ)と今のテレビは解像度と画面の比率が異なるんですね。横と縦の比率は通常のアナログテレビは4:3で、今のテレビは 16:9。ここがポイントで、当時のファミコンゲームをそのまま今のテレビで表示すると横長になってしまいます。ファミコンを鬼のように遊んだ人にとっては、ファミコンミニをプレイしたときに何となく違和感を感じたかもしれません。

 この後の説明も「今使っているテレビが 16:9の比率なので、「4:3」モードだと横に伸びて表示されちゃっています。これを修正するため、各ピクセルを正方形にして表示するのが次の「ピクセルパーフェクト」モードです。」とあるが、まるっきり違う。

 要約すると、「4:3モードは、16:9のモニタに映しているから横長になっている」、「ピクセルパーフェクトは 16:9モニタに映す際、映像を正常に戻すためのモード」と言っているわけだが、そもそもピクセルパーフェクトこそが素の状態であり、これを当時の4:3のブラウン菅に映すと、ほんのり横長になったのだ。その当時の状況を再現したのが4:3モード。16:9のモニタ云々は、まったく関係ない。

 開発時はピクセルパーフェクト状態だったと思われるが、当時の開発は「テレビに映った状態を想定してドットを打つ」ということもあったらしく、やはり4:3モードこそが当時の完全再現といえる。ピクセルパーフェクトは正直エミュレータでしかお目にかからないレベルの代物で、当時この状態で遊べた人なんて、開発者くらいじゃないだろうか……。

 そして姑のようで恐縮だが、「ファミコンミニ ピクセルパーフェクト」で検索すると上から3番目に出てくるこのページでは……

「ピクセルパーフェクト」は補完が効いててなめらかに見えます。

 とか書かれてて、もう吹くしかない。あ、あのな、何の補完もしてないのがピクセルパーフェクトなんだよ。ドットのカクカク具合が最高にクッキリで、なおかつ1ドットが正方形である状態にこだわったのがピクセルパーフェクトなのに、補完が効いてなめらかに見えるってどういうことだよ。どんな劣悪なモニタで遊んでるんだよ。

 というか検索して見れば見るほど、大してファミコン好きでも懐かしくもなさそうな奴らがちょっと触っただけのスゲー適当な感想述べてて、最後に「久々にやってみてはいかがでしょうか」みたいなクソどうでもいい締めで「ハイ終わり終わり」感あふれる記事を大量生産していてモヤモヤムラムラする。ちょっと触っただけという点では俺も一緒なのでモゴ……モゴ……という感じだが、せめて情報は正しく伝えてくれ。マジで。

 あと、いつの間にか全30タイトルの当時の説明書が配信されていた。ミニファミコン上で読めたほうがいい気もするけど、PDF形式で保管できるのも、それはそれでありがたい。全力で全部保存した。

 ……というわけでミニファミコン簡易レビューでした。また長くなってしまったが、テケトーに拾い読みしてくれい。

 そういえば、『リンクの冒険』のスタート地点を見て、ふと『ワンダと巨像』のスタート地点を思い出してしまった。


十数年の時を超えて、『ワンダと巨像』のスタート地点と思い出がリンク。リンクの冒険だけに。

 まさかこれのオマージュだったということはないよな……とか思いながら、『人喰いの大鷲トリコ』の発売があと1週間と迫りつつあることに気付き、さらにその1週間後には
『サガ スカーレット グレイス』と、なかなか久々のゲーム地獄。昨日は FF15 の発売日で、マイペース進行しているところだが、明らかに処理できないのが見えている。だが……ここ数年なかった「好きなゲームが立て続けに出る」という出来事は超嬉しかったりするわけで……。

 とりあえず FF15 は写真ページに嘘コメント付けつつチビチビ更新しているので、FF15 をやってる人もやってない人も楽しんでいただければと思います。

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[ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ] | コメント (0)