2000年6月11日

梟の城

パッケージ

 司馬遼太郎原作の同名忍者小説の映画化。ひとことで言うと地味。これに尽きる。

 多分こういう展開だろうなという展開。適度なエロス。「ああ、なるべくしてなったなぁ」という結末。ところどころ思わせぶりな演技があったかと思うと実は別になんでもなかったり。起承転結で言うなら、起承承承承承承結。おまけのスペシャルディスクも、わざわざ2枚組にするほどではない内容。

 元々の原作からしてそうだったのかもしれないけど、スペシャルディスクに登場していたアドバイザーが現実的に「忍者」というものを分析して、この映画の忍者を「とことん地味な忍者」にしてしまったのも一因かと。「煙玉投げて、煙が晴れたら奴がもういない」とか「変わり身の術」とか、「影分身の術」とか、そんなの全然使わんわけですよ。かろうじて吹き矢は使うけど。ほとんどただの暗殺者。

 実際の忍者はそんなものだったのかもしれないし、リアルさを追求するとああいう風になるのはわかるんだけれど、それを「映画」というエンターテイメントとして見ると、面白くはない。普通すぎる。「今の中井貴一の視線の配り方、見た? たまらんよね。巻き戻してもう1回見よう」とかいうリアルな忍者マニアな方には楽しめるかもしれん。

 時代劇『三匹が斬る!』とかも、微妙に現代のスパイスが入ってたりして「オイオイ、この時代にこんなこと起こるわけないじゃん」みたいなとこがあるからこそ面白いわけで。銭形平次も、「あんなに小銭が上手く敵に当たるわけないじゃん」とか、遠山の金さんも「いくらなんでも金さん素顔なんだからさすがにバレるって」とかツッコミどころはある。でも逆にそういう部分を完璧になくしてリアルにしてしまうのが良いかと言うと、そうでもない。どうせなら忍者を思いっきりヒーロー職扱いにして、物理的に不可能な術とかどんどん使って、面白おかしく幕府転覆してほしかった。そうなると今度は司馬遼太郎サイドから文句が出るんだろうけど。

 あと、本編と同じ内容なんだけど全編ギャグっぽい『梟の城』をスペシャルディスクとしてつけて欲しかった。主演が中井貴一ということで、全編に渡って斬られるザコ敵が全員 DC カードを手に持って倒れていくとか。手裏剣が全部 DC カードとか。全員カメラ目線とか。むしろ衛兵が全員カッパとタヌキとか。貴一が峠の茶屋に入って、ダンゴか何かを頼んだのかと思ったら、茶屋の娘が持ってきたのはミキプルーンとか。その支払いはもちろん DC カードだったりとか。

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