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2010年2月 3日

ダ・ヴィンチ・トレジャー

パッケージ

 レオナルド・ダ・ヴィンチが秘密を隠していたのは、モナリザの微笑みの中だけではなかった。
 彼が製作したといわれる「トリノの聖骸布」には、ダビデ王の秘宝のありかが隠されていた。
 その秘密を知った人間がどんどん殺されてゆく中、
 主人公のマイケルは同僚であり恋人のジュリアと共に旅に出る。
 彼はライバルよりも先に宝を手にすることができるのか……。
(allcinema.netの紹介文より抜粋)

「無名タイトルで、おもしろそうだなと思って借りた映画は 100 %つまらない」という無駄な特技を持つ俺が、『ダ・ヴィンチコード』の人気に便乗したとしか思えないパッケージを見て「コイツは駄作以下のニオイがプンプンするぜェーッ」と借りてみたら、案の定というか、駄作という言葉すらもったいないほどの駄作だったという話。

 こういう宝探しモノはストーリーが命だと思うのだが、何もかもが行き当たりばったりで、「これ、映画撮りながらストーリー考えたんじゃねーの」というレベル。序盤から中盤にかけては、

 主人公が書物を発見→ライバルの博士が現れて奪われる。
 主人公が聖骸布を発見→ライバルの博士が現れて奪われる。

 こんなんばっかりで、「奪われたと思いきや、主人公はニセモノとすりかえておいたのだ」みたいな「主人公、やるじゃん!」的な仕掛けがひとつもない。普通に奪われる。バトルシーンもカーチェイスシーンも銃撃戦も総じて退屈でお粗末極まりない。オチのない4コマを延々見せられてる感じ。多分、眠くなって寝てしまう人がほとんどだと思う。

 そして終盤が、とにかくひどい。ついにライバルの博士を出し抜いて、宝の在り処と思われる洞窟の入口を発見するのだが、内部にある仕掛けの解除シーン。壁に書かれた「太陽と月を囲む三角形」を見て、

 主人公「そうか、分かったぞ……モナリザだ」
 相棒の女性「どうして?
 主人公「モナリザには相反する要素が描かれているんだ。太陽と月のような」

 そ、それは苦しいだろー。無理矢理、ダ・ヴィンチに繋げたいだけだろー。

 相棒の女性「三角形は?」
 主人公「絵の構図さ。ピタゴラスの三平方の定理だ」

 ここでモナリザの絵が出て解説が入るのだが、ぶっちゃけこの理論、長方形の絵だったら何でもいいと思う。

 主人公「三角形の辺の比は3:4:5になっている。つまり……」

 パスワードは「345」と看破し、扉が開く。MMR 並のトンデモ理論に「なんだってー」と言う暇もなく唖然としていると、扉の奥は黄金の財宝の山。「ついにやったぞ」と喜び合う主人公たち。しかし、そこへ現れるライバル博士。

 主人公「どうしてここが」
 ライバル博士「ドアが開いてた

ですよねー。

 ライバル博士は「これは返してやる。もうそんなボロ切れに用はない」と序盤で主人公から奪った聖骸布を投げ返し、財宝の品定めに入る。しばらくして博士が、自分の相棒の女性に「2人を殺せ」と命じると、主人公は慌てて壁にあった罠のスイッチを押す。崩れ出す洞窟。天井から落ちてきたガレキで頭を強打して倒れるライバルチーム。そのうち、油がそこらじゅうに染み出し、火の手がまわってしまう。「まずい!」と咄嗟に聖骸布をまとう主人公たち。そして爆発。

 煙が晴れると洞窟は跡形もないほど崩れ去っていて、「いくらなんでもこれは全員即死だろう……」と思っていたら、聖骸布に身を包んだ2人はゲホゲホ言ってるだけで普通に生存。防火布の役割を果たしたとしても、それはないわ……。それとも何か、ジャパニーズ・ドリフのオマージュか? 宝探しモノのお約束「財宝を目の前にしながら、宝は手に入らなかった」というオチで、主人公と相棒の女性が抱きしめ合って終了。

 オーイ……そこはせめて、

 相棒の女性「財宝、手に入らなかったわね」
 主人公「ま、こんなもんだよな。でも俺はひとつだけ手に入れたぜ」
 相棒の女性「えっ、持ち出せたの?」
 主人公「俺にとっての宝は……ここにいるさ」

 そしてキスシーン。……くらい、やれよ!
 さらに、キスシーンの後に「さあ帰ろう」と歩き出す2人の背中を映して、相棒の女性のポケットから豪華なネックレスがハミ出してて女性が振り向いてペロッと舌を出すシーンでシメろよ! あーもう! あああーもう!

 Amazon にひとつだけあったレビュー。

 B級にもほどがある。これほど腹立たしい駄作も珍しい。キャストも音楽も脚本も救いようがない。こんなものを買ってしまったことを後悔するより、恥じている。
 買った人を恥じさせるほどの作品はほかにあるまい。

 100 円レンタルですら後悔してる俺なので同感。唯一、この DVD に使い道があるとすれば……変に目が冴えて眠れないときに観ると、多分、眠れる。

 そしてまさかのアフィリエイトリンク。買うなよ! 絶対買うなよ!

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| コメント (3)

コメント

ファミコン初期の頃、雑誌の紹介記事を見て面白そうだと錯覚し、いざ買ってみたらクソつまんなかったというのを思い出しましたね。  「いっき」だの「バンゲリングベイ」だの。 その後、いろんな雑誌のレビューを一応は参考にするように…。

この映画は存在自体知りませんでしたが、本家の「ダヴィンチ・コード」の方は友人に借りたまま、まだ観てないのを思い出しました。 本家の方も、キリスト教になじみのない日本人には難解すぎる、というレビューをどこかで見て、あまり観る気がしていなかったのですが、どうなんでしょうか。

この手の“二番煎じ”ということでは、「SAW」もどきがいっぱいありますね。 パッケージ表紙やタイトルのロゴ、まんま「saw」。 「SAW ZERO」なんてのを見かけた時は、勘違いして借りちゃう人いるろだろうなと思ったりも。

最後に、お願いなのですが…。

>コイツは駄作のニオイがプンプンするぜェーッ

ここ、“駄作以下”にしてもらえないでしょうかw  ジョジョファンの一人として、ちょっと気になりますw


投稿者 toshi : 2010年2月 3日 15:30

>バンゲリングベイ

今思うと、俺が初代バイオハザードの「上で前進、左右で旋回」といった
ラジコン式操作にすぐ慣れることができたのは、バンゲリングベイを
やりまくっていたからかもしれません。

確か「工場を合計6つ破壊すればラスボスが出現する」という
ファミコンロッキーのワクワクストーリーの悪影響で、
小学生にしては異色のやり込み度だったと自負しているのですが、
どうしても5個までしか壊せなかった……。

>ダヴィンチ・コード

実は、こっちも話題になってた割には、そんなに面白くはないです。
常日頃、ダ・ヴィンチの謎について調べまくっている人ならまだしも、
普通の人が観ても「?」なことが多いかと。

>「SAW」もどき

いっぱいありますね……。
そして、俺もすでにかなり借りたという……。
SAW ZEROはホントにひどいので、逆にオススメ。
何がスゴいって、SAWと全く無関係の別の映画ってところが。
これ、タイトル的に訴えられんのかしら。

>“駄作以下”にしてもらえないでしょうかw

なるほど! 直しておきました!
さらに「こいつは臭ぇーっ!」をつけるかどうかも迷いどころですね。


投稿者 夢崎 : 2010年2月 4日 05:32

訂正どうもですw

 


投稿者 toshi : 2010年2月 5日 22:00

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