2006年10月23日
『月館の殺人』下巻
2か月くらい前の話で恐縮なんですけど、ちょう1年ほど前にご紹介した『月館の殺人』の下巻が発売されていたので、その感想など。
実際に買う前に Amazon のカスタマーレビューを見ていたのですが、これが結構散々な評価だったんですね。で「ダメだったのかー?」と思いつつ買ってみたんですが、これまでに ひどいミステリも散々読んできたせいか、意外と普通に感じました。事前の期待は最大の敵!
とは言え、上巻の方が完成度が高く、上巻の最初の犠牲者のインパクト、上巻ラストのどんでん返しのインパクトに勝るものが、下巻ではなかったようにも思います。特に下巻の冒頭の回想シーンで、子供の素顔を出してしまったのはマズイ。その容貌から必然的に犯人の予想がついてしまうので、ここはコナンみたいに、黒いシルエットに留めるべきだったかなと。
作品全体としては、佐々木倫子さんのコミカルな作風の方が強く出ています。あと「つきだて」で変換すると「月館」と「月舘」の二種類が出るんですが、前者です(後者は地名)。綾辻氏といえば「館」シリーズなので、館シリーズ番外編、といったところでしょうか。そういえば綾辻氏の最新作「暗黒館の殺人」も、かなり前に上下巻買ってあるんですが、なんかスゴい酷評されてて、読むのを躊躇う今日この頃。京極さん並に分厚いんだもの、この上下巻……。
『月館の殺人』は月刊イッキに連載されている作品でしたが、カスタマーレビューで「犯人が早く知りたくて上下巻イッキ読みしてしまいました!」とか書いてる人がいて、クッ、上手いこと言いやがって……。
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