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2001年7月31日

くりいむれもんを斬る!

助手子「先生~、PS2 と『FFX』貸し…って先生! なっ、何見てんですか!」

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先生「何って、見りゃわかるだろ。『新世紀くりいむれもん エスカレーション ディ・リーベ』。つい先日、発売されたばっかりなのだ」

助手子「タ、タイトルなんか言われても分かりません。」

先生「まあカンタンに説明すると規則の厳しい全寮制女子高でフラストレーションの溜まった女子高生たちによる禁断の倒錯……」

助手子「わぁー! せ、説明しなくていいです。それにその『くりいむれもん』ってタイトル、前に聞いたことありますよ。先生が前に持ってた、やらしいアニメでしょ」

先生「パッケージ裏には『穢れを知らない純真な天使たちへの愛の調教と陵辱のフェスタ』って書いてあるな」

助手子「だ、誰もそんなこと聞いてません」

先生「そもそも『くりいむれもん』シリーズってのはアダルトアニメ界でも先駆け的な存在でだな……」

助手子「聞いてないのに……グスン」

先生「当時は衝撃的とも言えるエロさで話題になり、今なお、そのエロさに勝てない作品も数多く存在する」

助手子「え、エロいのはわかりましたから」

先生「しかし今回、復活を果たした『新くりいむれもん』は、伝説となった『旧くりいむれもん』には勝てなかったと思う。

 まず、絵柄。前作の面影を残してはいるものの、やはり今風にする必要があったのか、洗練されすぎていて、前作の『妖しさ』みたいなものが無い。

 次に声。ナオミお姉様あたりは元々、年上の存在だったので多少、声は変われど印象はそこまで変わらないのだが、問題はリエちゃん。声、変わりすぎ。というか、別に変わってもいいんだけど、それがあまりにも以前とは似ても似つかぬアダルトすぎるボイスで、全国一千万のリエちゃんファンは暴動寸前と思われる」

助手子「そ、そんなにいないと思います」

先生「そして、新ヒロインであるトモエちゃんがショートカットというのが解せない。最大公約数を狙うならば確実にロングにするべきなのだ。まあ、ナオミお姉様→ロング(ややクセっ毛)、ミドリちゃん→ポニーテール、リエちゃん→ロング(ストレート)、という中で個性を明確にするにはショートカットも やむを得なかったのかもしれないが」

助手子「そ、それは先生の趣味なのでは」

先生「いや、エロにおける髪形というのは意外と重要なんだ。髪の表現力をナメちゃいけない。ベッドに仰向けになった時、シーツの海に広がる髪のエロさ。四つんばいになった時の、横顔を隠す髪と肩甲骨付近に乱れ散る髪のエロさ。髪とエロは切っても切れない関係にあるのだ」

助手子「また知らなくてもいい知識が増えちゃった……グスン」

先生「それと、日本人は全般的にショートよりロング、年上より年下が好きな方が多いという傾向も忘れちゃいけない。『ヒロインはロングが多い』法則は、ただなんとなく広まってるわけじゃないんだぜ」

助手子「その異常な知識と情熱を違うベクトルに使えたら……」

先生「そういう点では、前作の『リエちゃん』というキャラは、それらに『おとなしめの性格』が加わって、ほぼ完璧なキャラと言えた。おとなしい性格に設定しておくと、エロスシーンでの乱れ様との『ギャップ』がまた新たなエロに繋がるからな」

助手子「製作者はホントにそこまで考えてたんですか?」

先生「いや、あるいは考えていなかったかもしれない。しかし『くりいむれもん』が話題になった理由の一端としては今言った要素が絡んでるのは間違いないと思うがな」

助手子「これがエロでなかったら、先生の考え方と自信に尊敬するところだったのに」

先生「あと、時代のせいもあるだろうが、描かれている胸の大きさの違いは重要なポイント。『くりいむれもん』ヒットの要因としてロリータ要素(童顔・貧乳)は外せなかったはずだ。しかし今回はほぼ全員が全国平均を軽く上回っているようなバストサイズ。これにはいささか首を傾げざるを得ない。『童顔とは不相応のバストサイズ』というギャップもまた魅力のひとつだが、今回の絵柄は全員、童顔とも言えない。結果、ごく普通の女子高生になってしまっている。どっちつかずだ。この点は大きな損失じゃないかな」

助手子「時々、先生は一体何者かって考えることがあります」

先生「しかし最大の問題は、やはりシチュエーションの弱さだろうな。前作と比べて、この部分が確実に弱い。ただムチ打つだけなんて今時、序章もいいところ。前作のサブタイトル『今夜はハードコア』の名が泣くぜ?

 そして前作は舞台が女子寮の私室だったところも大きなポイントだったと思う。ナオミお姉様の部屋に招かれて、リエちゃんはナオミお姉様とミドリちゃんに半ば襲われるようにして快楽の扉をノックしてしまうというところが あの作品では大きなウェイトを占めていたはず。しかし今作の舞台は何やら地下室っぽいところ。これでは ありふれた調教モノになってしまい、「女子寮」という、せっかくの舞台が台無しだ。声優の演技も、前作ほどの切迫感が無く、盛り上がりに欠ける。他のアダルトアニメ DVD 作品と比較しても、この程度では劣ると感じるのは否めない」

助手子「あ、FF はもういいです。か、帰ります」

先生「しかし個人的には、ミドリちゃんの出番が少な過ぎるというところを声高らかに指摘したい!」

助手子「そ、そんなこと大声で言わないで下さい」

先生「ミドリちゃんの、あの小悪魔的な存在は不可欠だと思うのよ。ナオミお姉様のS的存在とミドリちゃんの小悪魔的存在、そしてリエちゃんのM的存在は見事なパワーバランスでトライアングルを形成していたと言っても過言ではない」

助手子「言葉遣いはスゴくカッコ良いんだけどなぁ」

先生「まあ、残念な結果になってしまったわけだが……あ、えーと PS2 借りに来たんだっけか?」

助手子「え、は、ハイ! そうです!」

先生「えーっと、ちょっと、そのソファーにでも座って待っててくれ」

助手子「ハーイ。……? あれ、このソファー、お尻が何かくっついて……離れませんよ?」

先生「あー、さっきアロンアルファこぼしちゃったから、多分それかなぁ」

助手子「ちょっ、そんな! 私、ここから動けないじゃないですか!」

先生「まあ、後でアロンはがし持ってきてやるから」

助手子「後で、って?」

先生「とりあえず今からこれ最初からもう一回見るから。まあホラ、せっかくだからお前も一緒に」

助手子「イヤー! 見ないー! 帰るー!」

先生「ほうーら始まったぞうー」

助手子「うああーん!」

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