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2000年9月 7日
PS1『ドラゴンクエスト7』レビュー
プレイステーション登場以後、ポリゴンが当たり前になり、使わなくていいのにポリゴンを多用したりする RPG も多い。なんとなくハードに振り回されてる感じのソフトが多い中、ドラクエは間違いなくハードを振り回すソフト(度重なる発売延期で、って意味もあるけど)。
というわけで、プレイ時間も 108 時間に達し、ほぼ、しゃぶり尽くしたであろうというところで、とりあえず感想を。
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率直に言うと、ドラクエ。とにかく良くも悪くも「ドラクエ。」としか言いようがない。街やダンジョンがポリゴンになって、グルグル回せたりするけど、基本は何も変わっちゃいない。これが良いことか悪いことかは判断しかねるけど、「ゲームはドラクエしか出来ない」という、最近の複雑な RPG についていけない人などの事を考えると、ドラクエは進化してはいけない宿命を背負っているのかもしれない。ドラクエは全てのユーザーに優しい。
■良い点
・ポリゴンの使い方が、すごく正しい気がする。
ポリゴンの使用は街やダンジョンの構成のみに使用し、キャラやモンスターはあくまで 2D。おかげで、3D であるにも関わらず、違和感なく「ドラクエ」が表現できている。
・読み込み速度が異常に速い。
全体的に、CD-ROM のゲームとは思えないスピードで、ストレスはゼロ。グラフィックは美麗と言うほどではなく、むしろスーパーファミコンでも可能っぽい見た目だが、読み込み速度の短縮とを天秤にかけると、読み込み速度優先は正しい判断。
■悪い点
・モンスター職、多すぎ。
人間職が 20 なのに対してモンスター職が 34。ひとつひとつの職にそれなりの意味があるならまだしも、割と数で押した雰囲気。マニアはどうしても全職業マスター目指しちゃうので、ここはツラいところ。「呪いのランプ」とかに転職できても、あんまり嬉しくないしー。
・特技も多すぎ。
数が無駄に多く、覚えても使わない特技が多数。あと、使える特技はかなり使えるので、呪文の必要性が各段に減った。イオナズンを覚えても、使おうと思わなかったのは結構悲しい。
・キャラの魅力が薄い。
パーティメンバーもだけど、まず主人公からして、どうにも田舎臭いからだろうか。この主人公がギガデイン撃ってる姿が想像できない。竹の槍とか超絶似合いそうなんだもの。
・階段を見落としやすい。
典型的な、3D 化による弊害。このせいで数時間、詰まった場所があった。
・妙に「おつかいイベント」が多い。
思わず「そのくらい省略してくれよ」と思う場面もチラホラ。なんだか、時間稼ぎをされているような気も……。
・ムービーは無い方が良かった。
スクウェアの美麗ムービーをさんざん見せつけられた後で、このムービーの出来は結構辛い。おかけでスクウェアのムービー技術のスゴさを再確認させられるカタチに。
……あっ、不満点の方が多い。もちろん RPG としては良い出来なんだけど、これの開発に5年かかるかと聞かれると、ちょっと首を傾げざるを得ない。2年くらいなら満点の作品。
■まとめ
システムの FF、ストーリーのドラクエと言われていただけにストーリーには期待したのだが、『7』は実に印象が薄い。『6』の冒頭とか『5』の奴隷シーンとかは、かなり印象に残ってるのだが、今回はとにかく地味で、カッコいいシーンがあまり思いつかない(『5』の奴隷シーンがカッコいいかは別にして)。システムは『6』からほとんど変わっていないだけに、ストーリーの地味さが残念。短い「ちょっといい話」の連続、という印象。
・ ・ ・
FF は瞬発力がある。発売前の予約の時点ですでにミリオンだとか、早解きプレイのやり込みなども目立つ。しかし、いざ発売されると一気に消化され、中古屋での価格もスゴい暴落を見せる。CG・召喚魔法などのグラフィック面が凄まじいため、一気に引きつける力は凄い。
DQ は持続力がある。基本的に長く遊べるように設計されており、レベル 99 に達するまでの時間もFFに比べて長い。毎作品、ステータスアップアイテムである「ちからのたね」などが存在するため、レベル 99 に達しても、やりたい人は地道に強くする楽しみがある。しかし基本的なことは毎回一緒で、最後に魔王を倒すのは最初から分かっていたりする。派手さは無いが、安心がある。しかし刺激は少ない。
さて、どちらが良いのだろうか?
FF が爆発的に売れては すぐ消えていくヒット曲とするならば、DQ はクラシック音楽、もしくは演歌的なものなのかもしれない。ゲームとしてどちらが正しいとは言い切れない。どちらも必要だとも思う。
ただ、その中間的な作品はできないものかな……とか思ったりしながら、今日もまじん斬りでメタルキングを叩っ斬る。レベルアップの音は、いつ聞いても嬉しい。
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