■さいごに


つい先日、ようやく納得いくセーブデータが完成しかけていた。
全員レベル99、オールアイテム所持、クレストグラフ全64枚所持、金額表示カンスト、
全イベントを起こしており、あとはプレイ時間カンストと経験値表示カンストぐらいのものだった。

だが悲劇は起こった。

取ったと思っていたアイテムを取りのがしていたのだ。『ネクロノミコン』がそれである。
敵が落とすアイテムで、それ以外に入手方法はなし。おまけに、その敵が出現するダンジョンは、
1度クリアすると2度と入れないというものであった。それに気付いた時のショックといったら…。

というわけで、やり直しである。とは言え、こればっかりやってるわけにもいかないので、
果たして次はいつになるかわからないが、いつか、また私は挑戦するだろう。

1998/09/29 夢崎

…以上が、日付の通り、3年前に作成した時の「さいごに」である。
なんというか、ゲームに、特に「RPGに関する完璧主義」精神は、今と、さほど変わってなくて、我ながら呆れる。
ネクロノミコン無くてもいいじゃん。別に最強武器ってワケじゃないんだし。ねぇ。

そんなこんなで、最初の「ワイルドアームズ」から4年以上の月日を経て、「PSone BOOKS」シリーズとして
3回目のお目見えである。すでに持っているのに、発売日に購入した。理由は、
「アイテム増殖技が使えるかどうか確認したいから」。…バカである。
(ちなみに、ちゃんと使えました。)

まあ、そんな話は置いといて。
「ワイルドアームズ」はRPG史上に残る傑作である。初心者からマニアまで、実に懐が深い作りで、
今なお、これより劣るRPGは多数存在する。既存のRPGの良いとこ取りみたいに言われることもあるが、
どちらかと言うと「集大成」といった印象を受ける。作りも丁寧で、質の良い音楽がまた物語を盛り上げる。

ゲームを、特にRPGを「ワイルドアームズ」で初めてやった、という人が、これをキッカケに他のRPGもやってみたい、
というような内容を掲示板の書き込みなどで見ると、別に自分が作ったわけじゃないのに嬉しくなってしまう。
世間一般では、「ゲーム」というものは、未だに「特殊なもの」という見方が強く、何か犯罪が起こって、
その犯人の趣味がゲームだった、と報道されるや否やゲームバッシング、なんてことがよく起こる。
これは、「ゲームを知らない」者が、「ゲームを知っている」者より遥かに多いため、仕方のないことではあるのだが、
「ゲームを知っている」者から言わせてもらうと「んなバカな」としか言いようが無いのである。

映画等と違い、コントローラーを手に持ち、自分で操作しなければいけない分、最初のとっつきが悪いのだと思うが、
是非、RPGをやったことのない人たちに、コントローラーを持ってほしい。そこには、映画等の
「受動的感動」だけでなく、自分で動かしたからこその「能動的感動」が、きっとある。

映画鑑賞が趣味、という人は多数いると思うのだが、ゲームが趣味、という人は、それよりも遥かに少ない。
よく「ゲームが趣味」=「暗い」みたいに言われていることがあるが、映画は自分で何もしないでジッとして見ている分、
よっぽど暗い。これは別に映画鑑賞を悪く言っているわけではなく、ゲームというものも
それと同じようなものなんだ、ということを分かってほしいのである。

と、何故か途中からゲーム論みたいになってしまったが、「ワイルドアームズ」は、安心して人に勧められる、
この世の全RPGの中でも良質なゲームである。ハッキリ言って、昨今のFFより勧められる。
一般層に訴えかけるために、変に映画的にしなくてもいい。ゲームってのは、本来こういうものなのだ。
見かけを良くして中身が衰えているようでは、一般層にナメられる。「ゲームってこんなもんなのか」と。

「ワイルドアームズ」は、そんなナメてかかった人たちを充分に迎撃できるだけの力を持っている。
もし「ワイルドアームズ」でゲームが好きになった方がおられたら、もっと、どんどんゲームに手を出してほしい。
時には痛い目を見るかもしれないが、世の中には本当に多くの良質なゲームが埋もれている。
もちろん有名なのもいいが、「これ、ものすごい無名だけど、俺はこのゲームが大好きだ!」
と思えるゲームに出会えた時、貴方はゲームそのものが、心の底から好きになれるはずである。

2001/10/12 2版
夢崎





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