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※下記の内容はブログのほうで記事として上げたものですが、せっかくなので、こちらの攻略ページのほうにも1コンテンツとして収録しました。

 惨劇の舞台となるペンション "シュプール" 。さほど広くはないことと、何度も繰り返しプレイするタイプのゲームであることから、多くのプレイヤーの頭には、その間取りが手に取るように浮かび上がるのではないだろうか。

 しかし、初代『かまいたちの夜』をプレイし直していたとき、ふと、ペンション "シュプール" の間取りに疑問が沸いた。間取り検証なんて、このご時世、ネットのどこかで誰かがやってるだろう……とググッてみたが、意外にも見つからなかったので、仕方なく自分で検証してみることに。

 かまいたちの夜 公式ファンブックかまいたちの夜 完全攻略本にはシュプールの間取りが掲載されているのだが、2つとも微妙に違う間取りになっているうえ、ゲームをやっていたら「これはおかしいだろ」と感じるものだった。そこで、「完全攻略本」のほうには本物の図面さながらに描いてあったので、それを元に自作してみた。では、1階から見てみよう。

シュプール1F

 正直、かなりツッコミどころがある。
 まず、食堂に入るドア付近の謎のカウンター。ゲーム中で確認する限りでは、こんなものはない。「フロントのつもりなのか?」と思ったが、フロントは階段の下に作られているはずだ。

 次に、フロント横の廊下。

ドア数

 この画面写真を見るに、左側にはドアが4つあるが、この間取り図では明らかにドアの数が合わない。あと、突き当たりは直角ではなく、やや斜めになっている。さらに、裏口は廊下の突き当りにはない。

小林夫妻の部屋

 次に、小林夫妻の部屋の扉。
 フツーに考えて「ここの廊下、狭すぎないか……」と思わなくもないが、そこにはまあ目を瞑るとして、次の写真を見てほしい。

katou

これは小林夫妻の部屋で死体を発見した後の画面写真。小林夫妻の部屋の中から見た様子だが、先程の写真と見比べるとドアノブが逆であることが分かる。やべえ、今まで全然気付かなかった……。

 ほかにも細かい点を挙げだしたらキリがないのだが、できるだけゲーム中の間取りに近づけてみたのが、↓の間取り図。

シュプール1F

談話室まわりを忠実に作ると、先の間取り図では実際より広すぎることが分かるので、かなり縮小。それに伴って地下室がホントに狭くなってしまっているが、地下なので、この図よりもやや上へハミ出していてもおかしくはない。

 フロント横の廊下はドア数に応じて作ってみたが、スタッフルームが狭すぎることと、下側のスタッフルームが逆に巨大すぎるという問題がある。

 ゲーム中の画面写真ではスタッフルームとして2段ベッドが置かれた部屋があったが、俊夫さんとみどりさんがいかにラブラブとはいえ、同室の2段ベッドで暮らしているのはちょっとどうかと思うので、上側のスタッフルームを使っている……と思われるが、それだとちょっと部屋が狭すぎる。とにかくドア数が多すぎることで、間取りの謎が増えてしまっている。

次は、2階へ。

シュプール2F

 まず、階段横の吹き抜けがない。
 ゲーム中の画面写真によると、すべての客室は扉が向かい合わせになっているので、扉の位置も若干おかしい(※誤解で真理に殺されるエンドにて、自室のドアを開いた状態で、向かいの部屋のドアがキレイに見えている。)
 ただ、実際の宿泊施設では、同時に扉を開けたときにお互いの部屋の中が見えてしまうことへの配慮から、向かいの部屋と扉の位置はズラすのが常識となっているので、そちらに合わせた可能性は高い。

 各部屋の、ユニットバスの位置も全然違う。
 香山夫妻の部屋の扉は階段を上がって正面に近い位置にあり、透と田中の部屋の正面にも扉があるはずなので、そもそもの部屋数の帳尻も合わなくなってくる。

 おまけに、OL3人組の部屋もおかしい。
 ゲーム中では透の部屋と変わらない間取りだが、それだとそもそもベッドが2つしかないわけで、OL3人組ハードレズ説まで浮上してしまう。こういう宿泊施設は大抵、3人部屋があるので、OL3人組の部屋は3人部屋のはず。

 というわけで、調整したのが↓の間取り図。

シュプール2F

 部屋数を8から9に変えるという暴挙に出てみたが、このほうが矛盾が少なくなる。
 しかし部屋内を忠実に作ると、ご覧の通り、謎の黒い部分が出現する。建築上、あまりにも無駄なスペースすぎるので、なんとか納得のいく答えが欲しいところだが……

透の部屋1

 これは序盤で、透をマッサージしている真理。この画面写真を見る限り、「ゲームでは見えないけど、真理の背後に実はちょっとスペースあるんじゃない?」と思っていたのだが……

透の部屋2

全部屋の間取りが同じとすると、この画面写真で「スペースある説」は消えてしまう。
壁だ。ただの壁だ……。

 OL3人組の部屋はムリヤリベッドをひとつねじ込んだが、ゲーム中、この部屋の奥のほうは描写されないため、これで合っている可能性はある。
 しかし黒い部分の説明がつかない以上、せっかくチマチマと作ったこの間取り図も説得力に欠ける。小林オーナーがド変態で、黒い部分は隠し覗き部屋なら辻褄は合うのだが……。

 まあ、このゲーム、容量を抑えるためか、部屋内の写真などの似ているものは極力同じ写真を使いまわしているので、こういった矛盾はどうしても出てくる。
 たとえば、スーパーファミコン版の取扱説明書にもペンションの間取りは載っている。

取扱説明書

 たしかに、実際はこの図のように、隣り合わせになる部屋のバスルームの凹凸をパズルのように上手く合わせる感じを想定しているのだと思う。しかし、ゲーム中の画面写真はなァ……という感じ。この図にしても、香山夫妻やOL3人組の部屋がある右側に関しては、バスルームが凹凸組み合わせ式ではなく出っ張ったデザインになっているので、新たな謎が増えている始末。ちなみにこの図でも、OL3人組の部屋はベッドが2つになっている。う、うーむ……。

「でも、やっぱり辻褄合わせたいじゃん!」という一心で検証していたわけだが、小林夫妻の部屋のドアノブが逆なのは、ちょっと無理です。
 だいたい、地下室以外は、実在するペンション "クヌルプ" を撮影して作ったはずなのに、なんでこんなワケのわからない矛盾が出るのだ。

 嗚呼、容量にも困らなくなった今、こういった矛盾を完全調整した『真かまいたちの夜』がやりたい。もはやサウンドノベルからも脱却して、3Dで構築されたシュプール内を主観視点で走り回りたい。登場人物が全員リアルタイムで動く中、『メタルギアソリッド』みたいに隠れまわりながら殺人犯と対決したい。スパイ編とか完全にTPSにできるよ。あ~、ユニットバスの天井を通って隣の部屋とか行きてぇ~。


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