ミーサ姫
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助手子 はい! というわけで始まりました『先生と助手子の"ゲーム大好き"』!
司会は私、助手子がお送り致しまーす
先生 第7回目はPC-エンジンの異色アクションRPG、
「ゲッツェンディーナー」の紹介だ。
助手子 またPC-エンジンですか。
先生 ホントは、もっと前に紹介するつもりだったんだが、
クリアに手間取ってな。随分と遅れてしまった。
助手子 そんなに難しいゲームなんですか?
先生 いや……なんというか、そのへん、アンバランスなゲームなんだが……
まあ、おいおい話していくとしよう。

……まず、主人公である姫君キシュ・リム・ミーサ(以後ミーサ姫)は
魔王にさらわれ、絶海の孤島「封魔の島」に連れていかれる。
国の勇者たちは姫奪還のため、こぞって「封魔の島」に乗り込むが、
島のモンスターたちとの戦闘で、そのほとんどが島内で息絶えてしまう。
助手子 ドキドキ。
先生 そんな中、1人の若き勇者が魔王の元まで辿り着く。
魔王の背後には、鎖に吊るされた姫。
勇者は激戦の末、魔王を倒すことに成功する。
助手子 えっ、もう終わりですか?
先生 ……普通なら、そうなんだがな。
このゲームは、ここからスタートなんだ。
魔王を倒した勇者は、残念ながらその直後、倒れてしまうのさ。
ほとんど相討ちと言ってもいい。
姫は、この孤島で完全に1人になってしまったわけだ。
助手子 ドキドキ。
先生 吊るされていた鎖が切れ、自由に動けるようになった姫。
しかし目の前には魔王と勇者の死体が転がっている。
助手子 ドキドキ。
先生 そこで姫は、勇者の持っていた剣を手に取る。
動きにくいドレスも取り払い、軽装になる。
姫は、この島から自力での脱出を決意したのだ!
助手子 気になる! 先が気になりますよ!
先生 俺もな、この導入部分、好きなのよ。
RPGの王道に対するアンチテーゼというか、
どのRPGでも、いつも助けられてばかりの姫様が
生還すべく、たった一人で迷宮をさまよう、ってところがイイ。
シチュエーション的にもマイフェイバリットゲーム、
「ブランディッシュ」に通ずるものがあってさ。
もう、かなりお気に入り。
助手子 そ、それから姫さまはどうなるんですか。
先生 まず、姫が吊るされていた最初のダンジョン「魔導師の塔」、
そのテラスからゲームは始まる。
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助手子 うわー死んでる死んでる。魔王と勇者。
先生 右下の4色のマークが体力ゲージ。
極端に高い位置から落下したり、モンスターから攻撃をくらったりすると減る。
回復は、ダンジョン内のところどころにある「貴宝珠の像」に触れることで行う。
基本的に、その場に落ちているアイテム等を駆使して進むゲームなので、
徘徊しているモンスターとも、戦う必要は、ほとんど無い。
というか、そもそもレベルアップの要素が無い。
助手子 拾った勇者の剣は?
先生 もちろん持っている。Iボタンで剣を構え、IIボタンで剣を納める。
落ちている物を拾う時もIボタン、放す時はIIボタンだな。
例えば、下の画面写真のように、切れたハシゴを拾ってきて、
それを橋にして、向こう側へ渡ったりする。
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助手子 「遺作」みたいで面白そうですねぇ。
先生 よりによって「遺作」かよ。
拾ったアイテムを工夫して使う点は似てるけどさ。
……個人的には「プリンス・オブ・ペルシャ」を思い出してな。
助手子 知りませんけど、どうせまたマニアックなゲームでしょ。
先生 まあ、今の世代からすればマニアックなのかもしれないが……。
俺もあのゲームのストーリーはよく知らんのだが、
ターバン巻いた男の人が、トラップだらけの王宮の中を
飛んだり跳ねたりして駆け抜ける愉快なゲームだった。
助手子 全然わからないんですけど。なんでそんなことに?
先生 要はアクションゲームだったわけよ。
ストーリーなんて別に分からなくても充分に楽しめたし。
ラストに、同じくターバン巻いたちょっと偉そうなヤツと
サーベルで決闘したのは覚えている。
助手子 このゲームとどこが似てるんですか。
先生 んー、「雰囲気」っつうかさ。
服装のアラビア加減というか、
主人公がサーベル出したり納めたりする動作とか、
たった一人で迷宮を駆け抜けるところとかさ。
当時のパソコンゲームは全部キーボード操作だったから大変だったんだぞ。
指、つるよ? マジで。
助手子 うーん、ちょっとやってみたい。
先生 あ、お前じゃムリ。
「プリンス・オブ・ペルシャ」は究極の一発死ゲーでな。
落とし穴に落ちたらその下は針の山とか、
スイッチを押してから一定時間内に離れた位置にあるギロチンをくぐったり。
もちろんタイミングずれたら体、まっぷたつ。
助手子 イヤー!!
先生 当時にしては随分とドット絵の描き込みがすごくてな。
死んだ時の描写も、それはもう……。
助手子 わ、分かりました! もうそれはいいですから、
「ゲッツェンディーナー」の方を。
先生 そう? えーと、それでだな、そんな感じでミーサ姫は
島の地下を潜っていくんだ。
助手子 それで? それで?
先生 最終的には、最初の塔のふもとみたいなところに出るんだ。
そこでは、死んだはずの魔王(色がちょっと違う)と対決することになる。
助手子 いや、最終的、って……途中は?
いろんな冒険があるんでしょ?
先生 あるんだけどね。合間合間にビジュアルシーンも挿入されるんだけど、
なんていうか、よくわかんなくて。
助手子 はぁ?
先生 なんかね、メーカーがガイナックスだからかなぁ、
語られるストーリーというか、セリフとかが妙に難解で。
印象にもあんまり残ってないし。
助手子 そ、そんなことじゃ困りますよ。
先生 俺が惜しい、と思う点もここでさ。
もっとドラマティックな展開があれば、ゲーム自体が生きてきたと思う。
こういう点も、奇しくも「ブランディッシュ」に似てるんだけど。
あと、序盤はハシゴ使って向こう岸に渡ったりしてたのに、
先へ進むにつれ、そういった仕掛けがどんどん無くなってきて。
後半はもうひたすら落とし穴に落ちるだけで先へ進んだり、
そのへんにいるモンスター倒したら道が開けたり。
考え過ぎて、なんでもないところで長期間詰まってたよ。俺。
助手子 もしかして予算が無くなってきてたんでしょうか。
先生 真相は知らんが、後半になるにつれて、
やっつけ仕事風味になっていったのは否めない。
「絵と音楽だけで如何に物語を語れるか」ってのが
このゲームのコンセプトだったらしいんだが、
その絵と音楽だけでも、もう少し語れたんじゃないか、と思うぜ。
もっと「その場にあるアイテムを駆使する感覚」も欲しかったな。
助手子 そのへんが「ゲーム」の醍醐味ですよね。
先生 ストーリーにも一波乱欲しかった。
……たとえば、島の地下に謎の祭壇があって、
そこに何故か王家の紋章が飾られてたりして、
歴代の姫の死体がミイラで見つかったりして。
助手子 ドキドキ。
先生 背後から「見てしまったな……」とか聞こえてきて。
何故かそいつは国王で。「お父様!? なぜ、ここに……」戸惑う姫。
「お前もだいたい察しがついておろう。我が王家は代々、
 魔王に生贄を差し出していたのだよ。若き、姫の身体をな……」
「なっ……!?」
「我が血筋は呪われし血筋。魔王の正体は、
 呪いを受け、醜く変わり果てた過去の王!」
助手子 ドキドキ。
先生 「過去に犯した過ちを、我が王家は何代にも渡って償わなければならない。
 魔物に変わり果てた王から国を守るためには、
 お前を……生贄に差し出すしかないのだ」
「お父様ッ!」
「しかしあの若者には恐れ入ったな……まさか魔王を倒してしまうとは。
 だが心配は要らんよ、ミーサ。もうすでに…『呪い』は受け継がれている」
王の身体が醜く変化していく!
助手子 ドキドキ。
先生 「お前のォォ……血とッ! 肉がッ! 欲しいぞミーサァァァァァァ!」
「お父様ッ……! 戦うしか……戦うしかないの!?」
姫は勇者の剣を握りしめる!
「待つんだミーサ姫ッ!」
「勇者様!? 死んだはずでは……」
気を失っていただけだ!
 いいか姫、王家の呪いに関しては先程の王の説明で分かったと思う。
 『呪い』は『受け継がれて』しまう。仮に、あの王を倒しても
 また違う魔王が生まれるだけだッ!」
「じゃあ、どうすれば……!?」
助手子 ドキドキ。
先生 「『呪い』は、魔王の肉体が死滅した時、最も近くにいる、
 王家の男性に乗り移る! すなわち、女性を除く王家の人間が
 全て死んでしまえば問題は無いッ!」
「! 勇者様、その、首にかけているペンダント、私のと瓜二つ……!?」
「……すまない、ミーサ。今まで隠していたが私はお前のなのだ!」
「ええーっ!」
「いいか、今から私が魔王を倒す!
 そしたらすぐに、その剣で私を貫け!」
「そんな! お兄様、そんなこと、私……!!」
助手子 ドキドキ。
先生 「同じことだ! 魔王が倒れれば、次に魔王になるのはこの私!
 私が理性が無くなった獣と化す前に、私を殺す覚悟を決めておけ!」
「そんな、お兄様……ッ!!」
「いくぞッ、とああッ!!」
兄は勢い良く剣を振りかぶり、魔王と化した国王を斬る!
「ぐおおッ!? キ、サ、マ……」
「今だミーサ姫! 『呪い』が私に入る前に、早く!」
そう言って、勇者は剣をミーサに投げる!
「お、お兄様……私には……私には出来ませんッ…!!」
「馬鹿者! このままでは私は魔王となってお前を食らってしまうのだぞ!
 早く、早く、今のうちに……!」
「出来ませぬ! せっかく……せっかく会えた、たった一人の兄を……!」
助手子 ドキドキ。
先生 「ミーサ……ぐ、ぐうッ」
「お兄様ッ!?」
「があッ! 『呪い』が入り始めたッ! 急げ! 早く私を……!」
「……!!」
「わ、私を、この苦しみから、解き放ってくれ、ミーサ……」
「……お兄様……ッ!」
「楽に、して、くれ……グアウウウ!」
「お兄様ーッ!!」

ズバッ……!!
「グウッ……そうだ、それでいい……」
「お兄様……お兄様……」
「これで『呪い』は終わる……。王家は解き放たれた。
 お前の子の代からは、もう『呪い』に怯えることもない……。
 お前も……いい男を見つけ……そして……元気な男の子を産め。
 きっと……その子には……祝福が……」
「お兄様!」
「最後に……お前に、兄として何もしてやれなかった私を……
 許して……くれ……」
「お兄様ァーッ!!」
 身体の半分が魔物に変化しかけていた兄は、光の粒となって
 天へと昇っていった。それと同時に、あれほど黒く濁っていた空が
 眩しいほどの朝を迎えた……。
助手子 うう……グスン。ええ話や……
ホンマええ話や……。
先生 ハァハァ。どうよ。こんな感じのストーリーで。
リメイク決定だろ、もう。ねぇ、見てる? ガイナックス。
助手子 勇者が兄だったっていう展開には少々無理がありましたけど。
ペンダントて。
先生 ミーサ姫が少しブラコン気味なところもイイだろ?
助手子 そんなとこまで深読みしてません。
先生 まあ、そんな感じで、個人的には「すごく惜しい!」という評価。
材料はすごく魅力的なのに、生かしきれてない。
細部を詳しく語っていないため、その分、
想像力を刺激される部分がある、ってのは確かなんだがな。
助手子 先生は想像しすぎですけど。
主人公が勇者じゃなくて姫という意外性が良かったので、
あとは「女の子」ならではのアクションも欲しかったところですね。
先生 俺は、続編またはリメイク、待ってるからな! ガイナックス!
助手子 いやー、今回は綺麗にまとまりましたね。
先生 あ、で、さっきの話、まだ続きがあるんだけど。
助手子 え?
先生 映画「リング」とかでさ、無事解決したと見せかけて実は……
っていう展開、あるだろ? あれ系でさ、『呪い』は終わったかと見せかけて、
実はまだ終わってないんだよ。
助手子 えっ、ええっ。
先生 島に残っていたボートで大海原に漕ぎ出した姫。
王国までの距離はさほどではない。女の細腕に、
オールは重く感じられたが、そんなことは気にならなかった。
姫は、呪われた島を脱出したのだ。
……しかし、島を出た直後から、姫は股間に異物感を感じていた。
「…何かしら?」
その時、姫は、亡き母の言葉を思い出す。
助手子 ドキドキ。
先生 「15の誕生日を迎える時、王家の血を引くお前の身体には
 変化が訪れるでしょう……しかし、そんなことは気にしなくてよいのです。
 だってお前は……」
「知ってるよ。15歳になったら『イケニエ』っていうのになるんでしょ、私。」
「ええ……そう。そう、だから……」
助手子 ドキドキ。
先生 (……お母様は、あの時、何を言おうとしていたのかしら?)
15になれば生贄になる。要するに、死ぬわけだ。
だから、母は「そんなこと気にしなくていい」と言った…。
しかし、事態は変わった。私は生き延びた。生贄ではなくなった。
15の誕生日を迎えた私に、訪れる変化とは……?
「んッ!」
姫が異物感を感じていた股間を触ると、そこには……
「……えっ? こ、これって……ちょっと、嘘でしょ……?」
驚きと戸惑いを隠せない姫。そう、姫はフタナリだったのだ。
助手子 ス、ストップ! その先は聞きたくないです!
先生 『呪い』は王家の「男」に乗り移る……。姫は確かに女だが、
これは「男」ということにもなるまいか? 胸の鼓動が速まる。
姫の意思とは無関係に「それ」は角度を増していき、
自然と、姫の呼吸も乱れ始める。
「! な、何よこれ……ッ」
その時、焦る姫の背後、ボートの下から無数の触手が伸びていることに気付く。
触手の先はいやらしく くびれ、なんだかよくわからない液体を滲ませていた。
「いやっ……こ、来ないで!」
触手は素早く動き、姫の服の胸と局所部分だけを切り裂き、
姫を宙へと持ち上げる。「はっ……放してッ! 下ろしてよッ! ……んぐっ」
叫び立てる姫を黙らせるかのように触手の1本が姫の口へと潜り込む。
誰も助けに来ない海上で、姫の陵辱ショーの幕が静かに上がる。
オールが海面に軌跡を描いて、名残惜しそうにボートから少しずつ離れていった……。
助手子 こんなことだと思った! こんなことだと思った! うわああーん!!


「ゲッツェンディーナー」は下手すると300円くらいで手に入るので、
機会があれば是非やってみてね! こんなゲームじゃないけど!

☆おまけの裏技☆

ステージセレクト

 パッドのIとIIを連射にした状態で、起動画面でRUNを押したらすぐにセレクトと右上を
 10秒間、押しっぱなしにする。成功すると画面が「JUST A MOMENT…」のまま変わらないので、
 セレクトと右上を放してIとIIを押し続ける。成功するとステージセレクト画面になる。

ビジュアルシーン早送り

 ビジュアルシーン中に、左下とIを押し続けると早送りが可能。




ジャケット ゲッツェンディーナー
PC-ENGINE SUPER CD-ROM2
ガイナックス
1994/11/25 定価7,800円(税別)
小説 不屈の女神―ゲッツェンディーナー (角川スニーカー文庫)
1995/9/?? 定価500円 現在絶版

サントラ ゲッツェンディーナー ORIGINAL GAME MUSIC
1995/1/25 定価2,800円(税込) 現在廃盤

ただのサントラではなく、このCDのために作り直されている。
音質はもちろん、楽曲そのものもパワーアップ。
特に5曲目「リム〜不屈の女神〜」は名曲。

何の因果か、雑誌『GAME SIDE(ゲームサイド) Vol.1(2006年8月号)にて
『ゲッツェンディーナー』について書かせて頂きました。
あっちは比較的マジメにレビューしてますので、機会があればバックナンバーなどでチェキってみてネ。





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