2010年9月 6日

ミステリアス・サマー

パッケージ


保険会社に勤めるスコットは、妻のコリと共にハワイへ旅立った。
旅の目的は、会社の社長を接待し社内で確固たるポストを得ること。
旅行先でも仕事漬けのスコットに、セクシーな水着姿で迫るコリだったが、
そんな彼女を置き去りにしてスコットは部屋を出る。

しかし彼が向かったのは社長の所ではなく、会社の財務担当であるクリスティーナの部屋だった。
スコットは、営業部長のポストに就いた後に、クリスティーナと共謀して会社の資産を横領しようと企んでいたのだ。
そして禁断の関係に燃え上がる2人。

その頃、コリは、ビーチでうっぷんを晴らすかのように若い男と身体を重ねる。
そして翌日に発見されたスコットの死体。愛に溺れた女たちの行く末とは。


『トロピカル殺人事件』を出したメーカーが送る「真夏のロマン」シリーズ第3弾……らしい。
 第1弾が何だったのか気になるけど、この2作を見る限り別に探さなくていいと思う。

『トロピカル殺人事件』よりも更にサスペンス色は消え失せてるし、もはやミステリアスなことなど何一つない。
『トロピカル殺人事件』は一応、開幕に死体を見せて視聴者を引き付ける努力はしていたのだが、本作はいつまで経っても誰も死なないので焦った。
「レンタル屋の手違いで、俺もしかして違う映画借りたんじゃ?」と錯覚するほどの完全エロ。

 だいたい微エロ映画って、エロ→サスペンス→日常→エロくらいのローテーションでエロシーンがまわってくるものだけど、この映画はエロ→エロ→エロ→エロ。
 観てるこっちが「マジで?」と半笑いで発声しちゃうほどエロ連戦で、いくらなんでも胃もたれ寸前。RPGで全然セーブポイント用意されてない感じ。

「そろそろ観るのやめようかな……」と思い始めた頃に物語が動き出し、エロシーンの合間に挟まれていた微妙な伏線が効果を発揮するのだが、
「してやられた!」というよりも「視聴者がいい加減エロ疲れしてきた頃にあったアレが伏線のつもりかよ!」という半ば怒りのようなものが先に来る。
 なぜスコットは死んだのか……というのももうここに書いちゃっても全然問題ないんじゃないかなというくらい、どうでもいい過程と結果なので、今作もエロシーンだけお楽しみ下さい!

 しかし日本人から見る海外の女性って大概老けて見えるものだけど、クリスティーナ役の人はホント可愛かった。エロ可愛い。ガンガン誘ってくるし。性欲底なし。
 スコットが部屋に戻ったらクリスティーナがベッドの上で黒ハイヒール&下着待機してて「Do me……(して……)」。

 そこはスコットと妻のコリの部屋なので「妻が戻ってきて、見られたらどうするんだ。やめろ」とスコット。
「いいじゃない、見せれば……あなたと奥さんのベッドで私をレイプして」
「やめろ」
「それでも男なの?」
「やめるんだ」
「悪人の法人営業部長さんも、自分の奥さんは怖いのね」

 挑発されても気丈に断り続けるスコット。少々苛立っている様子。
 ここまでに妻ともヤッてるから疲れてそうだし、クリスティーナも節操ないのでここはビシッと言うべきだろう。

「ファックミープッシー!」
「いい加減にしろ!」

 怒ったスコットはクリスティーナをベッドに突き倒して……えー!? 濃厚なキスに入ったー! やるんかーい!

 このやり取りでのスコットの表情の険しさは結構なものだったので、横領計画仲間だけど、いい加減エロすぎてウザいから突き倒したらベッドの角に頭を強打して
 不本意ながら殺してしまう……という事件なのか……!? とドキドキして見てたので、このシーンが一番笑った。
 エロ→エロ→エロ→エロで来て、ようやく口論シーンと来れば、殺人のひとつでも起こると思うじゃん? そしたらまたエロだったという、このやり場のない何か。
 もう、西田敏行みたいな笑顔で頷きながらエロシーン堪能するしかないじゃん?

 その後の2人と言ったら、まあスコットの行為もやむなしといった感じのパワーエロス全開で、クリスティーナ先生の淫獣ぶりが本作の見所です。ミステリアスは忘れろ。

 しかし、妻のコリが漁夫の利で得しすぎてて、どうも腑に落ちない。
 稼ぎがスゴい夫を持ち、何不自由なく過ごしながらも日常に退屈さを感じていて「このまま家事をやって歳をとっていくのかしら……」と思っている人物で、
 このクソ不況で贅沢な……というか今の状況を与えてくれている夫に対して、お前は夫に何か相応のことをしてやってるのかよという怒りすら沸いてくる。

 その夫が久しぶりの旅行先(一応、スコットの仕事での旅行である)でも構ってくれなくて、ムカついたからビーチに居た若い男とイチャイチャしてたら、
 夫が殺されて多額の保険金が転がり込んできたので、若い男と大金をダブルゲットして楽しく暮らしました、っていう話だからねコレ。
 なんだこのムカつくハッピーエンド。

 不倫して、なおかつ会社の金を横領しようと画策してた主人公が報いを受けるのは分かるけど、リスクに足を突っ込んで現状より更にステップアップしようという
 野心のあったスコットのほうが好感持てる。せめて真犯人はコリでしたー! くらいのどんでん返しがないと、視聴者的に納得いかねー!

 なお、第4弾の『ビキニ航空』が一層アホっぽくて面白そうなので探してみたい(懲りてない)。



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