2013年1月27日

映画『テスト10』レビュー

パッケージ


 高額報酬に惹かれた者たちが、新薬の治験のため、外界と隔絶された閉鎖空間で2週間を過ごす……
 ……と聞くと「何番煎じだよ」といった感じの設定ではあるが、意外とおもしろかった。

 設定だけを見ると『SAW』以降乱発されているシチュエーション・スリラーを想像しがちだが、実はホラー。
 といってもオカルト方面ではなく、あくまでも薬がもたらす副作用によるもの。
 後半はパニックホラーになるのだが、前半のおとなしさもあって、後半のパニックぶりが引き立っている。
 ストーリーは特に工夫されているわけでもなく、妥当というか大して何の意外性もないくらいなのだが、
 それでも最後まで目が離せなかったのは、撮り方・見せ方の上手さだろうか。

 劇中に出てくる試薬についての話の中で、「"不快感" は、なぜ存在するか」というのが興味深かった。
 例えばゴキブリだったり、大量に沸いたウジ虫だったり、近親相姦だったり、不快感や抵抗を示すものというのは
 遺伝子レベルで危険信号を発しているのであり、雑菌などによる害や、近親相姦による奇形児の危険性など、
 それらが良い結果を及ぼさないことを本能的に知っているからだ……というもの。
 今まで不快感について考えたことはなかったが、言われてみればなるほど、説得力がある。

 でも、途中から『無限の住人』の血仙蟲みたいな薬になってきたのは何故だっけ……
 ……と、しばらく経つとそんな重要な部分すら忘れてしまう、そんな映画。


 オチをもうひとひねりしたり、各キャラクターの個性や役割をもっと作り込めば、
 確実にもっとおもしろくなったであろうと感じただけに、残念。
 どちらかというと、映画よりもゲームとして遊んでみたかった作品。
『バイオハザード』と同じで、この薬の開発をさせている黒幕を引っ張れば、いくらでもシリーズ化できそう……
 と思ったが、この映画って要するにバイオハザードだということに気付いてしまい、
 急激に熱が冷めていくのを感じる、この不快感。



[テスト10] | コメント (0)


footer