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2020年3月21日

『CONTINUE SPECIAL PCエンジン』(太田出版)

『CONTINUE SPECIAL PCエンジン』(太田出版)

 税別 3,000 円、296 ページのズッシリとした本。どんな本なのかが届いてみるまで分からなかったが、当時の開発現場を知る業界人へのインタビューが2割、PCエンジンに関する漫画の紹介が1割、残り7割は PCエンジン全タイトルの簡易レビュー/紹介といった感じの内容。インタビュー記事の1つ(『ときめきメモリアル』を作った男)は過去の再録。

 画面写真は各タイトルごとに基本1枚で、少々味気ない。1ページにつき3~4タイトル、力を入れて紹介したいタイトルは丸々1ページ使ったりといった構成や、複数のライターによる簡易レビュー本という点では、同社の『メガドライブ大全』に近い。
 ただ、メガドライブ大全はタイトルによって書かれている内容の質に結構な差があり、中には深夜に酒を飲みながら5分で書いていそうなものもあったが、あれと比べると総合的に文体も落ち着き、攻撃的な表現も抑えめ。少ないスペースで、そのゲームに関する情報をちゃんと載せようという意志を感じる。ただ、奥付の「参考文献」に『PCエンジンコンプリートガイド』や『大技林』があるので、そこから得た情報も多分にあると見たほうがいいかもしれない。
 また、メガドライブ大全は各タイトルごとに誰が書いたのかの記名記事だったが、この本では記事自体に名前は載せず、巻末に「誰がどれを書いたのか」をリスト化するという手法になっている。

 まだパラパラと見ただけだが、「そういう意味」が「そう意味」になっていたり、「愛・おぼえていますか」が「愛・おぼててますか」になっていたりと、誤字・脱字率が結構スゴい。『メガドライブ大全』もそうだが、コンティニューという雑誌の性質や執筆陣の特徴などを把握していないと、嫌悪感を感じてしまう内容もあると思われる。

 たとえば『魔界プリンス どらぼっちゃん』のページで、「どらぼっちゃん」がナグザットのマスコットだと前置きしつつ、「しかしナグザットはすでに消滅しているため、どう見ても過去の遺物感が拭えないのが痛い」と締めているのはヒドい。まず、現代の感覚で過去のゲームを評してはダメだし、今はもうないメーカーなんて山ほどあるが、だからといってゲームのデキには関係ないし、文章の流れからして、過去の遺物だと感じるのはゲーム性なのかキャラクターなのかも分からない。プロの書いた内容とは思えない。

 そういうのも多少混ざっていると許容できれば、PCエンジンの全タイトルに対して、単純なカタログよりは濃い内容が読める。税別 3,000 円と高めの本ではあるが、PCエンジン好きならば、関連本の新たな1冊として棚に加えてもいいんじゃないかと思う。

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