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2018年12月 7日

Nintendo Switch『SEGA AGES アウトラン』

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 気付けば1週間経ってしまったが、Nintendo Switch『SEGA AGES アウトラン』が配信開始。3DS ダウンロードソフトの『3D アウトラン(※『セガ3D復刻アーカイブス』にも収録)』の 3D 抜き+プラスアルファみたいな感じなので、先日の『ファンタシースター』ほどの新鮮味はないのだが、個人的に『アウトラン』スキーなので即買いした。

 3DS 版との差異は「新曲の追加」と「どこでもセーブのセーブ箇所が増えた」くらいだろうか。『ファンタシースター』の早送り機能のようなサプライズはなかったので、その辺りがちょっと残念ではあるけど、大画面で、そしてコントローラで遊べる『アウトラン』というだけで、このソフトの価値はある。今回も公式の紹介動画があるので、これを見るだけで、だいたい把握できるはず。

 

 3DS 版が素晴らしかったのは、往年のファンから、「じ、自分、『アウトラン』初めてッス」という初心者まで完璧にカバーしている点。当時の『アウトラン』にはなかった「チューンナップ機能」を搭載しており、コースをクリアするごとに「最高速度アップ」「路肩に突っ込んでもスピードが落ちない」などの新たな機能が開放されていく。5つあるゴールすべてを達成すると、当時のアーケードと同等の難度の「アーケードモード」が開放され、このモードではチューンナップ機能は使用不可となる。

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チューンナップ要素は4つ。
・「ハンドル」……カーブが曲がりやすくなる
・「バンパー」……他の車や障害物に当たった際の衝撃が少なくなる
・「エンジン」……最高速度アップ
・「タイヤ」……道路を外れて路肩に突入してもスピードが落ちない

 慣れた熟練者ならサクッと「アーケードモード」開放までいけるだろうし、初心者はチューンナップ機能をお好みでオンにすれば、絶対にクリアまではいける。俺でさえいけたんだから。その後は、「アーケードモード」に挑戦するもしないも自由。難度を下げて間口を広げ、初心者を徹底的に全コースクリアまで導き、最終的に当時の難度へと導く。これぞ、昔のゲームの復刻の在り方だと思う。

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ホラ、俺でもいけたから……。

 3DS の立体視って、それほどブームにならなかったというか、最終的には 2DS になっちゃったのを見ると、バーチャルボーイの時代から任天堂ハードと 3D って相性悪いというか、なんか呪われてるというか……なのだが、『3D アウトラン』を 3D 立体視で遊ぶと、道路脇を流れていくヤシの木に「うおおお……」と感動してしまうので、1度はやってみてほしい。


『アウトラン』の良さは、「レースゲームではなく、ドライブゲームである」点。チンタラ走って規定タイムより遅いと途中でゲームオーバーにはなるが、他車とタイムを競うのが主目的のゲームではない。競ってもいいけど。“ドライビングを楽しむゲーム”。これが、他の車ゲーと一線を画す点だ。ところで最近まったく聞かないけど、「ドライブ」って死語じゃないよね……?

 続編の『2』も、そのスピリットは受け継いでいるのだが、ドリフトの比重が大きくなったことで、『リッジレーサー』的テイストが強まった。もちろん『2』のそういった部分は、それはそれでイイのだが、それ以外の部分……たとえば風景なども、『2』は 2000 年代の香りが強い。「2003 年に発売されたゲームなんだから、そりゃそうでしょうよ」と言われそうだが、その先にあるのは『アウトラン』ではなく、『テストドライブ: アンリミテッド』の世界だと思うのだ。いや、『テストドライブ: アンリミテッド』も大好きなんだけども。

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Xbox 版はプレミア、PS2 版もプレミア、Xbox360 Live Arcade 版は海外配信のみ&現在は配信停止、と、ほぼ遊べなくなっている『OutRun2』。新規ファン開拓のためにも、正直なんとかしてほしい。写真は、Xbox 版『OutRun2』を Xbox360 で起動したもの。
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ハワイのオアフ島を丸々再現してしまった、とんでもないドライブゲーム『テストドライブ: アンリミテッド』。残念ながら車を降りて移動することはできないが、好きな場所で写真を撮ることはできる。

 初代『アウトラン』の持つ "良さ" は、80年代のドライブの景色を、当時の使用色数が少ないハードでがんばっている点にあると思う。いわば、山下達郎のCDのジャケ絵などで有名な、鈴木英人の描く世界だ。

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風と光を可視化したような謎の何かが描き込まれているのが特徴的な、鈴木英人氏のイラスト。

 実際の景色と比べると、明らかに色数が少ない。しかし、むしろ現実世界の景色より魅力的に思える何かが、確実にそこにある。『アウトラン』でも、走っている途中に「あっ、この景色いいな」と感じる瞬間があり、そういうとき、必ず鈴木英人氏のイラストが頭をよぎる。

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個人的に『アウトラン』で、スタートのヤシの木の次に好きな景色。
景色としては最も味気ないはずの枯れ木と、紫色の空。

 先程、「80年代のドライブの景色」と書いたが、『アウトラン』の場合、隣に乗る金髪の女性や風景からして、舞台は日本ではない。3DS のダウンロードソフトに『80's Overdrive』というゲームがあるのだが、『アウトラン』を強く意識したのであろう画面に対して、BGM のテイストは全然違う。

 

 エコーのかかった音色と、紫色のネオンサイン。『Neon Drive』もそうだったが、これが、海外の80年代の感覚なのだ。
 では『アウトラン』は何なのかというと、「日本から見た、海外の80年代」であり、80年代に日本が憧れた「理想のアメリカンドライブ像」だと思う。音楽も、「日本人が80年代~90年代に好んだ曲調」なのではないか……と。

 個人的には、『アウトラン』には叙情的なメロディーラインが似合うと思う。カスタムサウンドトラック機能があれば、いろいろ試せるのだが……。「悲しみが止まらない」とか「君の瞳に恋してる」とか「誰よりも Lady Jane」とか「SUMMER SUSPICION」とか、スゲー合うと思う。

 というか、今回の『SEGA AGES アウトラン』はリプレイを録画してくれるのだが、それを見ながら曲を聴いていたら、震えるほどマッチしてた。「悲しみが止まらない」で、「I can't stop the loneliness 彼を~返ーして~ 悲しみが~止ーまーらーな~い~」の部分で車がちょうどクラッシュして運転手の彼が投げ出されるところだったので吹いてしまった。すまんな、カーブでストップできなくて……。

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何度クラッシュしても助手席に座り直してくれる、隣の金髪の姉ちゃん。
ゴールによってアクションが変わるが、トロフィーを渡す人が主人公をスルーして姉ちゃんに行くゴールが一番好きだ。「こんなひどい運転に、よく最後まで耐えましたで賞」みたいな……。

 ・ ・ ・

 今回、『リッジレーサー』『テストドライブ: アンリミテッド』とか言っててハッと気付いたのだが、
「道路脇にヤシの木が生えている車ゲーにハズレなし」説を唱えてみたい。


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