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2018年3月29日

Re:Tune Romancing Sa・Ga BATTLE ARRANGE

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 いつの間にか発売されていた、新たなサガアレンジ盤。CD だと 3,200 円だけど、ダウンロード版だと 2,400 円。とにかく聴ければいいので、ダウンロード版をゲッツ。

 全体的にクラシカルなアレンジ多めで、全曲に激しいものを期待してると肩透かしをくらうかも。以下、全 10 曲のカンタンなレビュー……というか個人の感想。

●01 バトル1メドレー

 弦楽器とピアノのみによる、ロマサガ1・2・3の通常バトル曲メドレー。雰囲気としてはロマサガ3の通常バトル曲が最も合っている。また、曲の最後に『ミンストレルソング』バージョンの通常バトルのフレーズをもってきて、上手く締めている。「題名のない音楽会」感がスゴい。

 バトル1を聴いて思い出したが、ロマサガ1の通常バトル曲アレンジの最高峰といえば、これだろう。

 このアレンジを初めて聞いたときの正解出ちゃった感はスゴかった。かつて、アコースティックギターがここまでカッコ良く聴こえたことがあっただろうか。もう、ここはアコースティックギターしか考えられない。

●02 バトル2(ロマサガ1)

 ジャズ色強めのアレンジ。少し音量を絞って、夜の高速道路を車で走っているときなんかにかけると、スゲー雰囲気合いそう。

●03 クジンシーとの戦い

 妙にポップで、ダンスミュージック風味。『ミンストレルソング』の下水道や、『Re:Birth / 聖剣伝説 伊藤賢治アレンジアルバム』の「聖剣を求めて」アレンジを聴く限り、イトケンのダンスミュージック風アレンジには良い思い出がないので、正直「またやらかしやがったか」と思ったが、何かやりながらしばらく聴いていたら気にならなくなってくる。流し斬りならぬ、流し聴きが合う曲。

 でも、ハジケきれていないというか、どこか遠慮したような中途半端さも感じるので、いっそユーロビートくらいまでやってしまったほうが、おもしろくなりそう。

●04 七英雄バトル

 バイオリン(※ヴィオラとかコントラバスも交じってるかもしれんけど、俺のような素人にはよく分からぬ……)とアコースティックギターのみという大胆なアレンジ。ドラムなし。

 数ある七英雄バトルアレンジの中でも、イントロの雰囲気は「これだ」という決定打感がある。特に主旋律は「やはり弦楽器が合うな」と感じさせてくれる。これをベースにして、ドラムと伴奏を入れてゲーム用に仕上げたものも聴いてみたい……と思ったのだが、『Re:Birth II -閃- サガ バトルアレンジ』の 10 曲目が、まさにそれかもしれない。

●05 ラストバトル(ロマサガ2)

 合間に「オーレッ!」とか聞こえてきそうな、アコースティックギター全開のフラメンコ調。意外と合う。

『ミンストレルソング』の「熱情の律動」以降、こっち方面にも目覚めてしまったイトケンだが、イトケンのメロディーラインとフラメンコ調は合うので、どんどん模索してほしい。

●06 玄城バトル

 アコーディオンを取り入れるのはイトケン的には珍しい、新しい試み。

 しかしアコーディオンの活かし方の上手さは、浜渦正志氏による『サガフロ2』の「Feldschlacht Ⅳ」のほうが上という印象。『サガフロ2』の戦闘曲は、同じフレーズを様々なアレンジで何パターンにも見せているのだが、この曲の中盤辺り(動画の 01:32 辺り)で、さりげなくアコーディオンソロが入って来たときは「カッコええ……」と震えたものだ。

●07 四魔貴族バトル1

 曲が本格的に始まるまでに1分以上かかる。「四魔貴族バトル1」はロックアレンジが多い中、和風の笛の音が入って来るのが新しいパターンだろうか。そういや、ビューネイも着物を着てたな……。

「四魔貴族バトル1」は「四魔貴族バトル2」と違ってドラムがドンドコドンドコ鳴り続けるのが特徴だが、そのドンドコ感に初めて「そういうことか」という説得力が出た感じ。山奥に住む原住民の怪しげな儀式によって化け物を召喚してしまった感がある。これも、もしロマサガ3がリメイクされるなら、そのまま戦闘曲でいけそう。

●08 四魔貴族バトル2

 たっぷり 40 秒かけて焦らした後、バイオリンとピアノによる、しっとりエンディング調でスタート。この曲といえば圧倒的に激しいアレンジが多い中、まさかの静かめアレンジ……? と思いきや、油断しきっているところへの「紅だー!」と言わんばかりのスタートには笑った。顔にキングボンビーみたいな化粧をしたイトケンが「静かなアレンジかと思ったか? 残念だったな! お前ら結局こういうのが好きなんだろうが!」とか言うヤケクソシャウトが聞こえてきそう。曲が終わると同時にドラムセット破壊して倒れそう。

「四魔貴族バトル2」といえば、これまでアレンジで散々こすられてきた人気曲だが、今回のアレンジは、その最終形態の風格が漂う。

●09 ラストバトル(ロマサガ3)

 これも「四魔貴族バトル2」と並んで激しい曲の代表曲みたいなものだが、まさかのピアノオンリー。時には激しく、時には静かに。ずっと聴いてると、「あれ……? なんか有名なクラシック曲に聴こえてきた……」という錯覚を起こす。

 あと、『Re:Birth II / ロマンシング サ・ガ バトルアレンジ』でやったように、後半またしてもロマサガ1のバトル2のフレーズが入ってくるのだが、この曲はもう、そういう曲ということになったのだろうか。カッコイイし、集大成感出るからいいけど。

●10 邪神復活 ~ 決戦! サルーイン

 8曲目の「四魔貴族バトル2」と同様の人気バトル曲。激しさが過剰だった感のある『ミンストレルソング』版よりも、スーファミ版の頃のテンポに近付けた感じ。ロマサガ1をリメイクするなら、BGMはこれかなぁ……という、ラストバトル感や荘厳さは申し分ない。ただ、疾走感に関してはスーファミ版の頃が最もあったような気がする。

 ・ ・ ・

 激しい方向性でのバトル曲アレンジは『Re:Birth II / ロマンシング サ・ガ バトルアレンジ』で振り切った感があるので、それとはまた違うベクトルを模索しているのだろう。イトケンスキーとしては大歓迎なので、「いいぞ、どんどんやれ」という感じ。なんなら、全曲『頭文字D』でかかりそうなユーロビートアレンジとか、スーファミ以降に出たサガシリーズやゲームボーイの『サガ2』の曲などを、あえてスーファミ音源でやったりしてくれてもいいんじゃよ。

 リマスター版ロマサガ3も、さすがに今年中には出るだろうだし、年内には念願の PS4 移植が叶った『サガ スカーレットグレイス 緋色の野望』も予定されている。今年も、なかなかのサガイヤーとなりそうだ。

 この勢いで、ワンダースワン版にさらにプラスして、ディステニィストーンをすべて入手できるようにした『1』も出してほしい。『ミンストレルソング』ではない、ドット絵ベースの『1』を、現代風に遊びやすくしたものをやりたいんだ。さらに追加要素として、ロマサガ1の設定にしか存在していない破壊神サイヴァとも戦えるようにしてくれ。ハックロムに先を越されてるぞ。

 あと、武器を装備から外しても武器レベル 0 に戻ったりしないようにしてくれ。あれはあんまりだ。

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