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2017年12月21日

FINAL FANTASY XV DLC『オンライン拡張パック:戦友』

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 FF15 の終盤で、主人公のノクティス王子が不在となる 10 年間のお話。この DLC での主人公は「“王の剣” の1人」という設定で、プレイヤーごとにアバターを作ってプレイすることになる。王の剣がどういったものかを知るには、映画『KINGS GLAIVE』を観ていたほうが好ましいが、観ていなくてもまあ大丈夫だろう。

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各項目は、かなり細かくいじることができる。ゲーム開始後でも変更できるので、とりあえず適当に作って始めてしまうのがいい。なんと、性別すらも後から変更可能。

 この DLC は予想外におもしろかった。これは DLC というか、もう少し調整して単体で売るべきだったのではと思う。DLC 扱いだから、現状、FF15 のソフトを持っていないと遊べないし……。
(※後日追記:単体で遊べるようになるらしい?)

 ゲームとしては、FF15 の世界観と戦闘システムを使った『モンハン』のような感じ。本編にも出てきたレスタルムの街を拠点として、敵の討伐や防衛、車の護送といったクエストを受注。現地へワープして、クリアーしたらレスタルムに戻って来る。この繰り返し。オンラインで協力プレイもできるが、オフラインで AI キャラを加入させて遊ぶこともできる。

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クエ受注→現地でバトル。バトルで手に入ったアイテムを使って、武器を強化していく。

 クエストをクリアーするごとに「電力」が得られ、この電力を使って、送電地域を広げていくのが目的。送電が完了した地域によっては新しい NPC がレスタルムに来たり、その NPC が一定時間ごとにアイテムを入手してきてくれるようになったりもする。

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送電画面。特に初回プレイでは未知のエリアに何があるのかが気になり、「どこから送電していくか」に頭を悩ませる。

 大きな4つの拠点への送電が完了すると、ラスボスとの戦いとなり、これに勝てば、この DLC はクリアーとなる。ストーリー的には、この後、FF15 の終盤へと繋がっていく感じだ。

 ただ、これはお話としての一応のクリアーであり、クリアー後も、プレイヤーキャラの強化は行える。防具やアクセサリー類は一切なく、装備する4つの武器の強化がプレイヤーキャラの強さとなるのだが、この武器の強化が、おもしろい。

 武器の強化は、素材によって上がるステータスが異なるので、「弱い素材で適当に強化した武器」と、「強力な素材のみで鍛え上げた武器」では、最終的に大きな差が生じる。武器には強化することで上がるレベルがあり、これが上限に達すると、それ以上鍛えることはできない。いかに武器のレベルアップを抑えながら、ステータスの上がりが良い素材で鍛え上げていくかということになる。

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素材には一長一短があり、大量に使うので、入手のしやすさも考慮する必要がある。

 4つの武器すべてのパラメータを力にガン振りすれば脳筋キャラが完成するが、防御や魔法面はガタガタになる。鳥系などの「近接攻撃が届きにくい敵」もいるので、そういった敵にも対応するためには、1つはクロスボウ系を持っておくのもいい。オンライン協力プレイなら、それぞれ極端な振り方をした4人が集まると楽しそう。

 情報が出揃ってくるにつれて「この素材を集めまくって、これのみで鍛え上げるのがベスト」というのが判明してくるだろうし、その頃がこの DLC の寿命かなという気もするが、この戦闘システムには可能性を感じる。この DLC をさらにアップデートで発展させてもいいし、この戦闘システムを流用して別の作品を作ってもいい。現時点では4つの武器以外にキャラクターを強化する要素がほとんどないが、アクセサリー程度はあってもよさそうだし、FF7 のマテリアのように、武器に何かプラスアルファできてもおもしろそう。とにかく、まだまだ楽しくできそうな余地があると感じさせてくれる戦闘システムだ。

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画面左下の時間表示を見ると分かるが、気付けば 29 時間も遊んでしまった……。

 FF15 本編もそうだが、この戦闘システムは本当によくできている。武器を高所にブン投げて、武器を投げた先にワープ。高所に刺さった武器に片手でぶら下がる……って、一体これ何なんだよ、厨二こじらせたのかよというのが初めて見たときの感想だったが、周囲の地形を俯瞰して把握するにはいいし、ジッとしていると徐々に HP が回復していくので、「ピンチのときの休憩」と「状況の把握」を兼ねられるのもいい。これがないと、敵と距離が離れた際、再び近付くまでに戦闘のテンポも損なわれただろう。

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FF15 戦闘システムの要、「マップシフト」。厨二と思ってスマンカッタ

 本編と同様……といえば、「写真」の要素もある。本編と違ってプロンプトは同行しないが、写真雑誌の特派員みたいなのが常に尾けているという設定らしく、拠点では写真が確認できる。

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本編同様、「おっ、いいね」と思える写真から、「なんじゃこりゃ」というものまで、さまざま。

 プロンプトといえば、この DLC 内の進行状況によって、グラディオラス、イグニス、プロンプトの3人がレスタルムを訪れ、「王の剣の力量を確かめる」という意味で戦闘を行うイベントもある。

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石化する攻撃をくらわせた後に写真を撮るプロンプトは、なかなかの鬼畜。

 彼らの討伐報酬には1つしか入手できない武器などもあるので、それらの武器強化の方向性を間違うと「あちゃー、また最初からやり直すしかないんかなぁ」とヘコみがちだが、なんと、武器やアイテムを引き継いで2周目を開始できるようにもなっている。どんだけ至れり尽くせりなんだ、この DLC。

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1つしか入手できない系のアイテムも、これなら複数手に入る……のかもしれない。


■欠点

 バグが多い。次々に出てくる敵を倒すクエストで敵が出てこなくて詰んだり、空中にいる敵に向かってシフトブレイクしたら何もできなくなり、仕方なくクエストをリタイアして戻ろうとしたら、ローディング画面のまま、いつまで経っても始まらなかったり。こうなると、一度ゲームを終わらせて再起動するしかない。また、突然、キャラの顔が真っ黒になったり、緑色に発光したりする現象も。

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これにはビビッた。真っ黒になるバージョンもアリ。

 あと、ロード時間の長さ。FF15 本編もそうだが、高画質で広範囲に及ぶ地形データを読み込んでいるからか、とてつもなく長い。特にこの DLC は『モンハン』のように頻繁に拠点に戻るゲームなので、拠点とクエスト目的地間のロードが長いのは致命的ともいえる。SSD にするとかなり改善されるが、それでも「快適」と言えるほどまでに速くはない。SSD は “最低限必須” だと感じる。この DLC に関しては、一度 SSD を体験してしまうと、絶対に HDD には戻れないと思う。

 まだ行けない地域があることから、この DLC 自体も今後アップデートされそうだが、その際、クエストとは直接関係ない範囲には行けないようにして範囲を狭めれば、読み込み時間はもう少し軽減されるんじゃないだろうか。

 「そんなの多分もうやってるでしょ」と言われそうだが、バグで範囲外に出れてしまった人の情報によると、クエスト失敗になるライン以降の先も、結構な距離の地形データが存在しているらしい。これは、実際には行けないはずの地形まで律儀に読み込んでいるということなので、なんとか上手いことして、読み込み時間の軽減に努めてほしい。

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 名称に「オンライン拡張」と付いていたので、当初は「誰が FF15 にそんなものを求めているんだ……」と思ったが、ゲーム自体がよくできていておもしろかったことと、オフラインでも遊べる(※オンラインに繋がっている必要はある。バトル自体は NPC を加入させることができるので、ひとりでも遊べる)ことに救われた。

 最後に……これは約1か月前にアップしようとして中途半端な状態になっていた記事を仕上げたものなので、バグなどに関しては 12 月のアップデートで改善されているかもしれない(※読み込み時間はまだ長い)。ひとまず、どういう内容だったかという参考になれば幸い。

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