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2011年7月 9日

PS3『バイオハザード15周年記念BOX』

15周年

 カプコンの通販サイト「イーカプコン」にて、9月8日の『バイオハザード リバイバルセレクション』に合わせて限定 BOX が発売される。内容物は以下の通り。

 ・PS1『バイオハザード DIRECTOR’S CUT』
 ・PS1『バイオハザード2』
 ・PS1『バイオハザード3 LAST ESCAPE』
 ・PS3『バイオハザード リバイバルセレクション』
 ・オリジナルサウンドトラック「バイオハザード CODE:Veronica 完全版」
 ・オリジナルサウンドトラック「バイオハザード4」
 ・15周年記念アイテム「ピンズ&ステッカー(S.T.A.R.S.&Umbrella)」
 ・PS3用「バイオハザード5」or「バイオハザード5 オルタナティブエディション」用スペーサー

 『アウトブレイク』『ガンサバイバー』などの外伝的作品を除いた、本筋の『バイオ』シリーズを全部詰め込んだセットで価格は 7,800 円。このテの限定 BOX にしては安めの価格設定で、PS3 を持っていて「久しぶりに全部やりてぇなぁ」という人にとっては、お得……かと思ったのだが、『1』~『3』はゲームアーカイブスで各 600 円で配信されているし、『リバイバルセレクション』は Amazon だと 3,600 円くらいで買えるし、『5』はあくまで BOX 内にスペースを空けてあるだけで「自分で買ってね」状態なので、もしかするとコレ、別にお得でも何でもないかもしれない。ありあわせのもので構築した安上がり BOX という負の印象を受ける。

 あとは『ベロニカ』と『4』のサントラにどれだけの価値を見い出すかだろうけど、『バイオ』シリーズは基本的に音楽を聴き込むようなゲームでもないしなぁ……。タイプライターが置いてある部屋で流れる、静かでムーディーなあの曲だけで充分という。

 あと、『1』のエンディングテーマ「夢で終わらせない」な。

 しかしコレ、「夢で終わらせない」ってのは前向きな意味で言ってるんだと思うけど、ゾンビに襲われながら戦ってるシーンをバックで回想みたいに流してるから、「この悪夢のような出来事を夢なんかじゃ終わらせねぇぜ、現実のものとしてやる!」という意味に聴こえてくる。巨大グモを火炎放射器で焼いてるシーンで明るく「ゆーめーでー終ーわーらせなーい」って歌われても、「いや、こんなことは夢で終わってほしいよ!」と突っ込まざるを得ない。

「最近はリメイクばかり」と、リメイク商法を批判する風潮が強いが、むしろビッグネームに育ったシリーズ全作が現行機で遊べない事のほうが大問題。なので、今回の『リバイバルセレクション』のようなものはガンガン出してほしい派なのだが、個人的には『アウトブレイク』こそリメイクというかリマスターするべきだと思っている。PS2 のネットワークアダプタに対応したオンライン対戦ありの外伝ゲームだったが、正直、あの作品は早すぎた。オンライン対戦・協力プレイが当たり前になった今こそ、真価を問われるゲームな気がする。『ガンサバイバー』や『アンブレラ・クロニクルズ』も、今なら PS Move とか Kinect とかあるし、移植できるんじゃないの。

 あと『バイオ』シリーズ唯一の黒歴史とされている、ゲームボーイの『バイオハザードGAIDEN』だが、最後をチョロッと夢オチにでも改変して、3DS のバーチャルコンソールで復活させてしまえばいいと思う。なんだかんだでファンは全部やりたいもの。一度、世に出てしまったものはなかったことにはできないのだから、適当に理由を後付けして、どんどん世に出してしまえばいい。そもそも『バイオ』シリーズ自体、後付けの嵐。サターン版の『1』にあった BATTLE GAME で、ゾンビになったウェスカーが襲ってくるのを俺は忘れないぞ。

『悪魔城ドラキュラ』シリーズでも唯一の黒歴史はゲームボーイの『漆黒たる前奏曲』で、時系列上、どうしても矛盾が出るということで開発も後から頭を悩ませていたようだが、あれも、夢とか並行世界の出来事にすればいいんだよ! 『漆黒たる前奏曲』は名曲「Bloody Tears」などを他では聴いたことのない独自のアレンジにしてるんだけど、あれはあれでいい味が出てたりする。音源としては、奇跡的に CD 化された「悪魔城ドラキュラ Best Music Collections BOX」を買うしかないが……Bloody Tears だけなら、↓の動画でも。この動画は音色のせいか、低音が不協和音になってる気がしなくもないが……。名曲「Vampire Killer」のアレンジをラスボス戦にもってくるというニクい演出もあるので、機会があれば、やってみてほしい。

 ちなみに「漆黒たる前奏曲」は「ダークナイトプレリュード」と読む。多分、大昔にこんな感じで決められたんじゃないかと思う。

野村「うーん。IGA ちゃんさあ。漆黒たる前奏曲じゃ余りに平凡じゃない?」
IGA「はい?」
野村「ダークナイト・プレリュードでどう?」
鳥山「ですね」
野村「それとソニアだけど、僕の解釈だとあれはこの世界のベルモンド一族じゃないんだよね」
IGA「は?」
野村「あれは並行世界に生きる無限のバンパイア・キラーの1人なんだよね。可能性のifが生み出す、もう1人のベルモンド」
鳥山「『アナザー・ディメンジョン・ベルモンド』ね」
野村「それと僕の解釈では、ドラキュラは必ずしも悪じゃなくて、数ある並行世界の1つではベルモンドこそ悪とされてるんだよね。価値観の違いによって正義は悪にもなるということに警鐘を鳴らしたいわけ」

 ……適当に喋らせただけなのに説得力あるな。

 手間をかけずに過去の遺産を利用して稼ぐことは別に悪ではないし、現行機で遊べなくなった作品の復活は、ユーザー側からしても望むところ。問題は、復活のさせ方次第だ。今なら、トロフィーと実績を組み込むだけで歓迎されるんじゃないか。シリーズも長くやってると、「あれはなかったことに……」というものも出てくるとは思うが、自社で作った過去のソフトを全て蘇らせるくらいの勢いで取り組んでほしい。

 そう、それこそ夢で終わらせないように……。(決め顔)

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| コメント (2)

コメント

『漆黒たる前奏曲』の熱いエールにつられて。作品自体が黒歴史扱いという事もあってか、ファンからもどことなく疎んじられていて(アルカードがチャラい、伝説Ⅱより劣化してないか等)個人的にやるせない思いがあるのですが、作品が好きという方に会えてホッとしています。

 仰る通り、夢でも良いんで現行リメイクを待っている状態なのですが、かつて『ゲームサイド』のドラキュラ特集インタビューで、IGA氏が「あれは外伝という解釈も無理なんで」的にサラッと流している所から、やっぱり無理なんだろうなと……個人的には「ベルモンド一族が鬼みたいに強いのは、実はスーパーウーマンとドラキュラの混血児なんだよ」という設定が、結構説得力あって好きです。

 あとつべのリンクで、マイフェイバリットの「ヴァンパイアキラー」(ラスボス)を思う存分聞けました。『漆黒』はやはりハードの制限をものともしない、ヤケクソかつ攻撃的なアレンジが最高です。


投稿者 ジストリアス : 2011年7月10日 05:02

>ファンからもどことなく疎んじられていて

やっぱ、1つだけ時系列に当てはまらない上、
ゲームとして特別優れた何かを持っているわけではないとなると
開発側もユーザー側も良い印象を持たないんでしょうなぁ……。

冷静に見るとそんなに叩かれるほどひどい作品でもないと思うんですが、
だからと言って力説して擁護するほどスゴい要素があるわけでもないので難しい作品ではありますね。
いやっ、音楽は良いぞ!

ただ、ソニアの歩行速度の遅さと、弁髪にしか見えない三つ編みのドット絵だけは叩かれても仕方がない。

>アルカードがチャラい

何かでカラーイラストを見たことがあるんですが、アルカードは顔色が明らかにおかしかった記憶が。
アンデッドみたいな。いや、ある意味アンデッドで合ってるんだけども。

>夢でも良いんで現行リメイクを待っている状態

扱いづらい作品な上、ファンからの支持もそこまでではないとなると、
リメイクする理由が見当たりませんからねぇ……。
いっそ、ソニアを本当に並行世界の次元の壁を越えられる唯一のベルモンドとかにして、
あらゆるコナミ作品から武器を取り寄せて攻撃できる異色のキャラにしちゃえよ!
ゴエモンのキセルで殴りながらスネークの段ボールで隠れてコナミレディばりのハイキック。
でも結局ファンからは「世界観が……」とか言われて、またも不人気作品に。

>マイフェイバリットの「ヴァンパイアキラー」(ラスボス)

ゲームボーイの音色って意外と、ドラキュラみたいなゴシックホラー的な曲調がイケるんですよね。
そこへファミコン時代のシューティングみたいな、やたら生き急ぐ系のアレンジが加わって、
他のシリーズにはない味が出てる。なんだかよくわからんけど動悸が速まるみたいな。

どの曲もループが短いのが残念ですが、あの頃のゲームボーイの曲は
だいたいこんな長さだったし、ロムの容量的にも仕方なかったのかもしれない……。
他にも何気に名曲多いんで、埋もれさすには惜しい作品です。


投稿者 夢崎 : 2011年7月10日 06:46

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