『MEGAMIND :ULTIMATE SHOWDOWN』レビュー
 
2010年作品。
映画『MEGAMIND』のゲーム化。
正義のヒーローを倒すことに成功してしまった、悪役の "メガマインド"。
ライバルが居ないという退屈な日々に飽き飽きした彼は、なんと自らの手で、敵となる正義のヒーローを作り出すことにした。
しかし、生み出されたヒーローはメガマインドの思惑を外れ、世界を破壊し始めてしまう。
メガマインドは不本意ながらも、世界を救うために正義の味方として戦うハメになる……。
……というのが映画のストーリーらしい。
ゲームのほうは、メガマインドの秘密基地から盗まれたパーツを取り戻すために奔走しており、若干、話が異なるようだ。
映画のほうも観てみたいのだが、日本では2011年公開予定ということしか分かっていない。
ビジュアル的に日本ではウケなさそうなオーラがものすごいのだが、ちゃんと公開されるんだろうなオイ。

右がメガマインド、左は手下のミニオン。
映画は分からないが、少なくともゲームでのメガマインド陣営は、この2人しか居ない。
普通、ボスは部下に指示を出して動かすものだが、ゲームではミニオンの助言を聞いて、メガマインド本人が駆けずり回る。いいのかそれで。
■超子供向けソフト
低年齢層向けのゲームでも、意外と大人も楽しめる……ということは結構多いのだが、これは完全に子供向け。
重りを運んできてスイッチに乗せたり、使う武器を切り替えないと進めなかったりするパズル要素もあるのだが、詰まるのが難しいくらいカンタン。
それゆえに大人が遊ぶとゲームの行程自体が作業と化し、序盤から終盤まで凄まじい消化試合感が漂う。

レーザー銃で敵を蹴散らすメガマインド。
他にも電撃を放つグローブや、強風を発生させるグローブなどもある。
MP的なものを消費するのかと思いきや、どうやら撃ち放題でメガマインドの無双状態。
武器はどれも強力なので負ける要素はないのだが、3Dアクションにありがちな距離感のつかみづらさが災いして、リフトや高い建物からの落下死が多い。
ここまでカンタンな子供向けゲームにするなら、いっそ落ちようと思っても落ちることができないようにしてしまっても良かったのではないかと思わなくもない。
べ、別に俺が落ちまくったからじゃないんだからね! 勘違いしないでよね!
■実績病患者の視点
まれに見るほど1000取得がラクなソフト。
難しい実績もなく、誰でも3~4時間以内に1000とれるだろう。
ゲーム内容は何も特筆することがないほどに無難すぎる子供向け仕様だが、
「じ、じじじ実績をくれぇ! しかもカンタンなヤツ! ジッセキッ! アンッ! 数字増えるのォ! 何、それじゃ本来の、やりこみ達成的な意味がない?
うるせぇ! 俺たちはゲームをやってるんじゃない! 実績を増やしてるんだ!」
という末期患者には最上級のご馳走。ホラ、早く病棟に戻りなさい。アオオー! オアー!
■史上最強のドヤ顔ヒーロー
顔色の悪い井出らっきょとルー大柴を悪魔合体させたような風体なのに、とにかく彼は自信に満ち溢れている。
世界征服を目論む悪役というのはこうでなければいけないのかもしれないが、
戦っている姿を見ると、体型のヒョロさからか、自信満々のボヤッキーが自ら最前線に立っているかのような違和感を覚える。
トゲトゲが散りばめられた肩当てつきマント、異常肥大化した頭、彼の特徴は色々あるが、やはり一番は自信に満ちた表情だろう。

拠点となる秘密基地で、ちょっとコントローラから手を離したときの待機モーション。
トイレに行って帰ってきたときに気付いたのだが、よく見ると……
↓

カメラ目線でドヤ顔を決められていた。
クソッ、この胴長短足……。
いくら悪とはいえ、毎回毎回負けていると性格もひねくれて陰険になってしまいそうな感じがするが、思い返してみると、どんな作品でも悪役は前向きだ。へこたれない。
正義の味方というのは受け身の存在だ。悪役が何か悪いことをしない限り、動かない。
正義と悪に分かれて戦う作品は全て、悪役の原動力があってこそ成り立っているとも言える。
現に映画版『メガマインド』は、せっかく正義に勝ったのに、張り合いがないという理由でわざわざ正義のヒーローを新たに作り出しているわけで、どんだけエネルギッシュなんだと感心する。

なんか、しばらく見てるとイケメンに見えてきたわ……。
ゲームとしては本当に何も得るものがない作品だったが、自信に満ち溢れているということは、それだけで何か見る者を安心させる不思議な魔力があるのだなと感じさせてくれる。
できればいつも自信に満ち溢れていたいものだが、皇潤でも飲めばいいだろうか。
そう思ってググッてみたら、先読み検索で「皇潤 効かない」とか出てきた。早速、自信なくした。
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