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2011年5月31日
『鉄拳6』レビュー
2009 年作品。割と最近のゲームという印象があったけど、すでに2年経っていることに驚く。安かったので海外版を買ったのだが、リージョンフリーかつマルチランゲージなので、パッケージと説明書以外はそのまんま日本版として遊べる。
PS1 の初代『鉄拳』は結構やった覚えがあるが、それ以降はあんまり記憶がない。そんな人間の言うことなので、格ゲーに造詣が深い人は聞き流してほしいのだが、オンラインで戦ってみて、久々にポカーンとした。
簡潔に言うと、一度浮かされたら体力ゲージを半分失うくらいまで延々コンボを決められる。脱出手段は、ない。つまり、読み合いに2~3回負けると、相手がコンボ入力をミスらない限り、そのラウンドは負け確定。浮かし以外にも、ダウンさせられた後の起き上がりモーションと地面に叩きつけられた時のバウンドにも当たり判定があるため、まったく起き上がれなくなることもある。どの格ゲーでも似たようなことはあるが、ここまでなす術もなく倒されたのは驚いた。
格ゲー好きな知人曰く「浮かされないように相手を浮かすゲーム」らしいが、やっぱり、1度くらうと8発くらい連続でボコボコ受けてしまうのはどうにかならんものか。たとえ熟練者同士の対戦でも気持ち良くないんじゃないか、これは……。
以下、○・×・△で各要素評価。個人差があると思うので、格ゲーとしてのシステムについての良し悪しは省く。
×な点
・リトライが不親切。
負けた際、毎回キャラセレクトさせるため、無駄にロードが長く感じる。ゲームオーバーになったら、即リトライするかキャラチェンジするか選べるようにはできなかったんだろうか。
・イベントシーンの会話ボイスが聞き取りづらい。
時々こういうゲームがあるが、原因は何なんだろうか……イヤホンかヘッドホン前提の音量で作っているのか? 格闘時のボイスや効果音は普通なだけに、謎。
△な点
・キャラカスタマイズがあること自体は○。作り込みに関しては△。
髪型を、前髪と後ろ髪のパーツに分けて別々に設定できるのは面白いのだが、服装のバリエーションは色違いが多めで、種類はそこまで多くはない。40 キャラいるため、作業工程上、1キャラあたりのコスチューム数はどうしても少なくなってしまったのかもしれない。髪や服の色も微調整できないので、カスタマイズの面白さ的には『ソウルキャリバーIV』のほうが上だろう。
どこかで見たような人っぽいものも作れる。
・シナリオキャンペーンモードの存在は○。
『エアガイツ』臭がしなくもないが、何もないよりは断然いい。
3D『ファイナルファイト』というか『バウンサー』というか、そんな感じのアクションゲーム。
ただ、アイテム関連が△。
頭と胴防具にそれぞれ「攻撃力+20」がついていた場合、攻撃力+40にはならずに片方切り捨てになるため、装備の幅が狭い。つけられるスキルが5種類というのも少ない。装備している防具のスキルは全部つけられても別に良かっただろう。スキルに関しては、もっといろいろな性能があっても良かったんじゃないか。
結局は「体力増加」「攻撃力」「アイテムドロップ率」だけを重視することになるのが残念。「移動速度アップ」とか「追加効果:毒」とかがあれば、強くて勝てない敵を毒状態にして逃げ回ってスリップダメージで倒す戦法なんかも生まれたのに……。
○な点
・初代『鉄拳』から『6』までを振り返る簡易ダイジェストムービーがあるのは○。
シリーズの流れをだいたい把握できる。ただ、水墨画みたいなムービーなので、絵的には分かりづらい。PS1 の頃のポリゴンそのまま出して、グラフィック面での成長も見てみたかった気もする。
・キャラの豊富さとグラフィックレベルの高さ。
順当といえば順当な要素ではあるが、全 40 キャラが最初から使用可能で、変にアンロックが必要だったりしないのはいい。
リリの 3P コスがエロゲーに出てきそうなウェディングドレスみたいでエロい。乳の上に布がかけてあるだけじゃないか……
尻も大変けしからん
・打撃音が良い。
攻撃をヒットさせた時のズガーンという音と言えばいいのだろうか。クリーンヒットすると敵がグルグルまわりながら吹っ飛んだり、人体的にそれはどうなのってくらい地面からバウンドするので、爽快感はある。
画面写真撮ってみたら、ことごとくブレてたけど、それだけ素早い技の応酬ということで……。
打撃音と言えば、昔のスト2で飛び込み強パンチ→キャンセル強昇竜拳を決めた時のデュクシ3連発の音が好きだった。格闘ゲームは、普段気付きにくい “音の快感” を実感させてくれる。
■実績病患者の視点
難易度無関係の実績が多いので 1,000 は取りやすいが、現在ランクマッチに残っている人は 2,000 勝してるような猛者ばかりなので、3D 格闘が得意でない人にとっては3ラウンド勝たねばならないランクマッチ勝利実績が地味に大変かもしれない。私はチキンなので、友人に協力を頼んだ。
それ以外ではシナリオモードクリア後の隠しステージだけがキツかったが、いいアイテムさえ揃っていれば、Bボタンによる回し蹴りを的確に当てていくだけでなんとかなった。ギャラリーを埋める実績はプレイ時間の経過でも取れるので、連射コンをボタン固定放置で。全部で 15 時間程度はかかるだろう。
・ ・ ・
しかし、キャラ増えたもんだ。昔から、キングとアーマーキングとか吉光と洲光とか対となるキャラを作ることでキャラクター相関図を賑やかしつつ、新規キャラモデリング制作の手間を省いていたような雰囲気があったが、上手く設定を後付けしていきながらその辺を維持して、ちょっとずつキャラを増やしている。デビルカズヤとか絶対、最初は単なる悪フザケだっただろ。
あと、平八が年齢的にまだ生きていたのも驚いた。谷から落としたり火口へ落とし返したりといった壮絶な親子喧嘩をしていたが、ついに宇宙船から大気圏へ。FF7 のバハムート並にエスカレートしてきているが、次回作ではどうなるんだろうか。その辺も気になるが、芸人のほうの鉄拳がどうなったのかも気になる。
「こんな鉄拳はイヤだ」とか言いながらスケッチブックで「隠しキャラで俺が登場する」とか言ったらギャラリーが普通に「それはホントにイヤだわ」的な反応で「うぬぼれんな」「今のバンナムならやりかねないからマジでやめて」「プラクティスモードのサンドバッグ役なら許す」「聖飢魔IIに謝れ」などとブーイングを受けた後に涙目で次のページめくったら「だと思ったよ!」と殴り書きしてあったりとか。
続いて「次回作のプロモに矢口真里が起用されて、昔から尋常じゃないくらいに鉄拳ファンです! シャオユウのコスプレしたいです! とか言い出す」と言った直後に背後から矢口真里が現れてご本人さん登場の流れになるも、「お前にはこれがお似合いだよ!」と文字通り鉄拳をお見舞いして放送事故。ギャラリーからは「よくやった!」「You Win!」「プラクティスモードのサンドバッグ役として矢口真里を」「矢口真里を蝋人形にしろ」などの声。
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