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2010年11月 8日
『Shellshock2: Blood Trails』レビュー
2009年発売のゲーム。
海外では「5年前に発売されていたとしても酷いFPSとして突出していただろう」「悪い意味で、まさにショッキング」とまで言われたFPSで、
とにかく評判が悪いので逆に興味を持ち、中古屋で見つけた際に確保しておいたもの。
ベトナム戦争を舞台にしたFPSで、以前に紹介した『Rogue Warrior』と比べると、まだ『Rogue Warrior』のほうがFPSとしてプレイしやすかったと感じるほどに、なるほど納得のダメさ加減。
下には下があるものだ。
キャラの動きやグラフィック全般、FPSとしてのシステム面、どれを取ってもホントにチープなのだが、たとえば銃弾が飛び交う緊迫した雰囲気の中、先行する仲間兵士の後をついていくシーン。
仲間兵士は前かがみで小走りになって然るべきところ、上半身は真っ直ぐ姿勢良すぎ状態、下半身は超のんびりジョギング状態という、何の冗談かと見紛うキャラモーションが平気で横行する。
それでも、チープなスリルに身を任せてみればそれなりには楽しめるもので、個人的には実績1000にするまで割と夢中だった。
基本的にダメなんだけど、ダメなりのルールみたいなものがあって、何度も死んでその辺りのダメさ加減を理解してくると、チープさは気にならなくなってくる……
……とまで言ってしまうと、ちょっと嘘になる気もするが。
■ダメな点
・憎い、振動が憎い
おおむね全部ダメだと思うが、振り返ってみて最もダメだったと思うのは、コントローラの振動。
FPSではコントローラの振動を重視する人が多く、臨場感・爽快感に一役買うことも良く理解しているつもりだが、本作の振動は完全にイライラ一直線。とにかく振動がうるさい。振動しすぎ。
FPSはBGMがないことが多く、それに反して銃撃音が大きかったりするので小さめの音でプレイしていたのだが、振動がうるさすぎて音が聞こえないレベル。
被弾するたびに「Xbox360のコントローラを最大限に振動させました」って感じの「ヴィーーーーン、ヴィーーーン」といった振動音が耳をつんざく。
こういうのは大抵オプションで振動オフの設定があるものだが、どうにも見当たらない。
振動するためのモーターを抜いた自力改造コントローラを持ってる変わり者の皆様は、是非このゲームでご活用下さい。
・敵の動き
いやらしいことに、かなりの確率でプレイヤーの "側面" を狙ってくる。
これが至近距離での殴り合いの最中の動きのひとつならまだ分かるのだが、
遠くからこっちを視認→正面からこっちにダッシュ→一定距離に入ると突然左右に展開→プレイヤーの視界外から至近距離で攻撃してくる。
攻撃を始めた後もプレイヤーの視界から消えることが多く、「攻略しがいがある」のではなく、「単純に狙いづらくてイライラする」ものになってしまっている。
あからさまに「簡単に敵を倒されたらマズいな」というFPS対策的な不自然な動きなので、ちょっと萎える点だった。
■良かった点……?
・残虐表現
このゲームの、数少ない優秀な点。
単純に残虐さだけで言うなら他にもそういうゲームはいっぱいあるが、ベトナム戦争という実在の戦争が舞台で「人間の兵士が負傷している様を描く残虐表現」と言うか……。
片足を失って這いずりながら移動する兵士とか、地面に座り込んでこちらに背を向けて震えてる兵士がいるなと思って前にまわって様子を見たら両足を食いちぎられてる状態だったり、
しばらくそのまま見てたら痙攣が止まってガックリと死亡したり。
オカルト方面ではない類のリアルホラー。これは日本では発売できんわな……。

屋外戦闘のワンシーン。
奥のほうに、足を失った仲間が這っているのが見えるだろうか……。
ゲームにおける残虐表現は何かと問題視されやすい。
残虐表現したいだけ、みたいなのはダメだと思うが、個人的には「当たり前の表現」をしてほしい。
「残虐表現になるから控えよう」という考えで修正していき、結果的に「見た目はリアルなのに非常に不自然なゲーム」になってしまっては、誰も得をしないと思うのだ。
そういう意味で本作は納得の残虐表現だった。
・実は結構怖い
ステージ1~3は舞台が市街・密林で、敵兵士とドンパチを繰り広げるリアル戦争系のFPSだったのだが、ステージ4からは主な敵がゾンビになり、
「開発者が変わったのか?」と思えるほどに急にバイオハザードと化す。
特にこのステージは屋内戦だから、余計に『バイオ』の洋館っぽい。
ただ、出てくるゾンビは最低でも徒歩の速度であり、半数以上は『Left 4 Dead』ばりの全力疾走。
素早い照準合わせが求められ、ここからはもはや別のゲーム。
ステージ1~3など、チュートリアルに過ぎなかったことを思い知らされる。
屋内戦ならではの密閉空間的な怖さとでも言うのか、とにかくステージ4の「バイオハザード的ホラー感」はスゴい。本家越えてると言ってもいい。
何度もリトライして「ここで敵が何匹出てきて、どこから襲ってくる」というのが分かっていても、キンタマ縮み上がる。
やはり、ゆっくり動いてるゾンビでも、撃つと急にこっちに向かって全力疾走してくることがあることによるものだろうか。
じゃあ怖いのは屋内だけかと言うとそうでもない。
ステージ8などは屋外戦、しかも真昼間で雰囲気的な怖さは皆無に近いのだが、それでもスゲー怖い。
その理由の1つが、四方八方から襲われる可能性があること。
普通、こういうゲームは通過した場所はもう無視して前だけを見ていればいいものだが、このゲームは容赦なく背後から来る。
ジャングルの中を進行中に前方・真横・背後から同時に襲われた時は、さすがにうろたえた。
そんなことがあったもんだから、進行中も時々バッと後ろを振り返ったりして。
密林の中を進行中の兵士の動きとして考えるとリアルなんだろうけど、百歩譲って横はいいとして、背後て。
主観視点のゲームで、『バイオ』みたいに180度ターンもできないのに。攻撃受けてからじゃないと気付かねーよ。
ゾンビと言うと今ではもう何も目新しくなく、躊躇せずに「モンスター」として攻撃できる人が多いと思うが、
本作では兵士服や帽子をかぶっているゾンビが多いので、ステージ3までに戦っていた普通の敵兵士を思い出し、否が応にも「元々は人間だったんだ」という事を思い知らされる。
BGMに、筋肉少女帯の『再殺部隊』をオススメ。
■難易度Hardこそ、このゲームの真骨頂
やるからには実績1000を目指すのがXbox360のゲームだが、難易度Hardがマジハードで、ゲームそのもののチープさが、チープゆえに牙を剥く。
側面から狙ってくることだけは一人前のゾンビたちが大挙して全力疾走してくる場面が何か所もあり、難易度Hardの被ダメージ量を考えると正直、手に負えない。
そこで活躍するのが銃殴り。
銃を持った状態で「銃の柄で敵を殴る」アクションがあるのだが、この殴りによるダメージは銃ごとに異なっており、
「装填数7のショットガンっぽい銃」での殴りはこのゲームにおけるエクスカリバー状態。
向かってくる大勢のゾンビに対して律儀にヘッドショットとかしてたら絶対間に合わないし弾も足りないので、そんな時は引き付けて銃殴り。
何気に前方範囲攻撃なので、2~3体まとめて殴れることも。
殴ったら怯むので、タイミングを合わせてまた殴る。
これさえ覚えれば、銃を撃つより安全に、複数の敵に対処できる。
さらに言うとラストステージでは、閉鎖空間で『三國無双』も真っ青の量のゾンビを相手にしなければならず、この銃殴りなしで抜けれるのかマジで疑問。
ていうか銃殴りを以てしても、あそこの難易度は異常。
ラストステージのワンシーン。
普通にやってると瞬殺(こっちが)なので、敵の襲撃を前方に限定できる袋小路に陣取って銃を撃つ……のではなく、振るう。
柱を上手く使って、ちょっとでも侵入経路を狭め、一度に襲い掛かってくる敵を減らすのがポイント。
倒しても倒しても、本当に次から次へと沸いてくる。
ここのステージデザインした人とは一度腹を割って話し合いたい。
悪夢の終焉。文字通り、死体の山。
多分これ、ハードの表示性能上、すべてを表示しきれてないと思う。実際の死体はもっと多いハズ。
いいか、銃は打撃武器だ。心して殴れ。
■クリアしてみて……
1ステージが良い感じの短さで、全10ステージ。初見でFPS不得意なら4~5時間程度。
各ステージの進行から敵の配置まで丸暗記できてる状態ならば、各ステージ平均13分前後でクリアー可能。
要するに、慣れると約2時間ちょいでクリアできることになる。
デキはともかくとして、個人的にはサクサク楽しめた。
「頭カラッポにして、出てくる敵をいかにヘッドショットするかだけ考えてればいいお気楽極楽なFPSないかな~、しかも実績がラクに1000とれるやつ」というポンコツ野郎にオススメ。
チープだけどサクサク進めて、やり込み要素はないので実績1000=完全クリア。
1000になったら何の未練もなくスッパリやめられるので、後腐れのないワンナイトジゴロみたいなゲームだった。
キライじゃない。アタイ、こういうのキライじゃないよ。








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