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2009年10月27日

Xbox360『天外魔境ZIRIA ~遥かなるジパング~』レビュー

パッケージ

 今更ながら、Xbox360『天外魔境ZIRIA ~遥かなるジパング~』をクリア。今年アタマ頃に『ラストレムナント』を3周して「もう、しばらく RPG はいい……」ってほどに RPG 体力を使い果たして放置に拍車がかかっていたのだが、360 のダウンロード配信サービス「ゲーム オン デマンド」でコレが配信されるという情報が。

 実績の中に「オンラインランキングで入賞する」というのがあるのだが、ただでさえ出荷本数が少なかったうえに発売からもう4年経っているのでランキングそのものが過疎化してて、いつでも余裕……のはずが、「配信されると微妙に人が増えてランキング入賞しにくくならないか!?」という、かなり無駄な心配が頭をよぎり、「今のうちなら取れる!」と重い腰を上げることに。

 ドラクエ3で言うなら、まだロマリアにすら到達してない進行度のまま、買ってから2年間放置していたことからもわかるように、最初の印象は、かなり悪かった。
 しかし、ある程度進めて、ルーラに相当するものや、ザコ戦がラクになる「連携」を覚え始めた頃から、ちょっとずつ面白くなってくる……と言っても、読み込みの無さや戦闘エフェクトカットなどの快適さによるものかもしれないけど……。

 一応、カンタンに説明すると、これは PC エンジン版の『天外魔境ZIRIA』のリメイクで、シナリオの細部は少し変更、グラフィックやシステムは完全に作り直し。デキとしては「ファミコン時代レベルのシンプル極まりないシナリオを、PS2 初期頃のグラフィックで作ってみました」って感じ。
 でも、ずっとやってるうちになんか味が出てきて、「この程度のグラフィックで問題ないかもしれん……」とか思ってしまった。


■良かった点

・とにかく古臭い

 良くも悪くも。爆発エフェクト程度で処理落ちしかかったり、PS2 初期でももうちょっと頑張ってたんじゃないかと思えるグラフィック。ストーリーはあんまり元と変えてないから仕方ないかもしれないけど、とにかくヤバいくらい王道で、「そうきた!」的な、意外な展開が何ひとつない。でもそれが逆に、なんか安心で。

 新しい町に着く→武器防具を新調する→そこで起こってる事件を解決する→感謝される→新たな町の情報→旅立つ、といった昔の RPG お馴染みの流れが、たまらなく快感な瞬間がある。何だろうこれ。ドラクエで RPG の洗礼を受けた者の持病みたいなもんだろうか。


・キャラクター

 自来也・大蛇丸・綱手の3人が、それぞれガマ族・ヘビ族・ナメクジ族という種族(部族?)に属するという設定も面白かった。スマン、実は PC エンジン版やっていないんだ。

 ヘビ族である大蛇丸に睨まれると何も言えなくなる、ガマ族の自来也とか。しかし、キャライメージに動物を使うゲームは数あれど、紅一点にナメクジをあてがうゲームは他にないだろう。

 今の RPG だと和風というのがまずめったにないけど、キャラクター性というか個性のようなものが非常に優れている。愛着というか。
 以前に『スターオーシャン3』で、主人公が初対面の年上キャラに向かってタメ口だった時は何かイラッときたけど、全編通して、そういうものを全く感じなかった。セリフも相当配慮がされており、昔の RPG の良い部分を感じた。

 絵も、昔と変わらず辻野寅次郎氏なのだけれど、時代の流行りに合わせてムリヤリ絵柄を変えてしまって大変なことになっている人が多い中、絵柄の持つ良さを大事にしたまま、微妙に今風になってる辺りがサスガ。こういった少年マンガ風の絵柄はもっと流行ってもいいと思うんだけどなぁ。


昔
(※説明書より。)
PC エンジンの頃の ZIRIA。これが……

今
(※パッケージ裏より。)
こんな感じに。綱手が別人すぎる。鬼太郎の、猫娘の変化のようだ……。


 とはいえ、ゲーム中はポリゴンだから、これまたなんとも言えない造形なんだけども。


大蛇丸


 3D になると、アニメやゲームのキャラがどれだけ異様な出で立ちかがよくわかるけれど、あらためて大蛇丸を見てみるとスゴイ。水色の長髪、真紅の襟がついた紫色の着流し、首輪、胸はだけ。町の人とかはみんな普通の服装なだけに、この違和感は別格。しかも彼は、実は将軍の隠密です。目立ちすぎ。
 最近は RPG のキャラの外見や服装・色使いもリアル傾向にあるけど、これくらい突飛なほうが面白い。


・音楽

 世界観に合った、和風テイスト溢れる曲群。RPG でこういった曲というと『風来のシレン』シリーズくらいしか思い当たらないほど珍しい曲調なこともあってか、非常に耳触りが新鮮。広がりを感じさせるフィールドの曲も、テンポの良い街の音楽も好きだった。

 「たのみこむ」でサントラ発売希望の動きもあるほど。けど、ゲーム中に流れてる曲だからこその良さというか、あえて CD でじっくり聴くタイプの曲ではない気もする。ゲームの場面に合わせた曲作りが上手いというか、「ゲーム音楽」として一流というか。どんなカッコいいバトル音楽でも、歯医者さんで流れてたらイヤだもんなァ。痛そうで。


■不満点

・カメラアングルは相当ひどい

 たとえば、建物から出た時やダンジョンでエリア移動した時など、画面が切り替わると主人公が真正面からこっちを見ている状態。
 つまり、エリアを移動したらプレイヤーはまずトリガーで視点を回転させないと、移動直後に向かうべき方向を見失い、今来た方向に逆戻りしてしまうことも。場所によっては、周囲の様子がまるでわからない。これは、3D になり始めた PS1 初期のゲームに時々見られた問題。さすがに、なんとかしようぜ!

 あと、移動時は全体的にドアップすぎ。もう少し俯瞰にしないと、街にしろダンジョンにしろ、地形が把握しづらい。


・ランキング戦について

 とある場所で、100 人抜きするまでのタイムを計測して、そのタイムをアップロードすることで他のプレイヤーとランキングで競うことができるのだけど、このモードでは戦闘エフェクトカットは使用不可。これは公平を期すためにまだいいとして、同じ場所で挑戦できる「無限戦」という、「自分から中断するまで、いつまでも敵が出てくるモード」でもエフェクトカットが使用不可なのは、ちょっと意味が分からない。これはオンライン関係ないし、別にエフェクトを飛ばせてもいいと思うのだけど。
 実績 1,000 のためには、ここで長時間戦ってコインを稼ぐ必要があるので、エフェクトが飛ばせないのはツラかった。


・自来也の戦闘逃走時のセリフ「あーばよ!」が柳沢慎吾にしか聞こえない

 いや、ホントにどうでもいいことだけど。


■総括

 クリアーしてみた感想としては、エンディングがアッサリしすぎてて、「も、もうちょっと世界を救った余韻に浸らせてくれよ」的なものは感じたけれど、ある意味、時代劇の終わり方っぽいかもしれない。なんか「三匹が斬る!」っぽくて、主人公たち3人がちょっとカッコ良く見えた。元となった PC エンジン版や『天外魔境II』なんかも、ライブアーケードで配信すればいいのに! とか思った。


1000


 というわけで、なんとか実績 1,000 に。攻略wikiには大変お世話になったのだけれど、wikiを補完する形で、攻略メモを作っておいたよ。わざわざ攻略ページ作るほどでもないので、テキストファイル。これからやる可能性がある人は、wiki と併せて、ゼヒ。

 ・ ・ ・

 振り返ってみると、なんだかんだで気に入っていたんだろうか……? しかし、もう1回やれと言われたら……勘弁だなぁ。さすがに疲れた。でも、なんか懐かしい疲れだ。

■関連記事:4年目の真実

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| コメント (1)

コメント

綱手の喘ぎ声がめちゃエッチですよね
リョナに目覚めました。なんで攻撃されてあんなエッチな声出すのか。感じてるのかな


投稿者 Anonymous : 2018年8月22日 08:14

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