« 豚インフルエンザ? かかってこい | メイン | 4年目の真実 »
2009年4月30日
PSP『ブランディッシュ ~ダークレヴナント~』攻略本レビュー

発売日に買ったのにもう2週間くらい経っててアレですけど、『ブランディッシュ ~ダークレヴナント~』の攻略本レビューなんぞを。「買う人は誰かに言われずとも買ってるだろうし、買わない人は何と言われても買わないだろうから別にいっかー」と思ってたんですが、なんかAmazonのカスタマーレビューでフルボッコになってたので、擁護というわけじゃないですけど、私の視点での感想と、攻略本事情について少し。
まず、称号とその条件は網羅されてるっぽいこと、マップ攻略も、スイッチと扉の関連性まで詳しく載ってること、少しですが設定資料画も載ってるので、攻略本としては完璧な部類じゃないかと思います。96ページなので、本の厚さにしては1,500円(税別)という価格は高めに感じるかもしれませんが、多分、発行部数は相当少なく、仮に売り切れたとして重版はまず無いので、ファンは早めに買ったほうがよいですぞ~(ムック風に)。
ただ、Amazonレビューでフルボッコになっていた最大の理由でもあるんですが、96ページ中、開幕8ページ以降は全てモノクロ紙面という作りなので、マップ攻略をパッと見た場合の分かりやすさという面では分が悪いと言わざるを得ません。データ的には詳しく書き込まれてるので、ちゃんと読めば、しっかりしてるとは思うんですけども。
ページ下の欄外では、スタート地点で倒れてた男による独り言が毎ページ書かれているという小ネタが仕込まれてるんですが、30ページ分、何も書かれてないページがあったので、全ページ、何でもいいから書いといて欲しかったなーという気はします。アレスとドーラのサイドビューの姿をキャプってパラパラマンガでも作っておけばいいのに……と思ったけど、そもそもサイドビューの姿が存在しないんだな、このゲーム……。
で、96ページ中、88ページがモノクロという点についてですが、これは完全に、昨今の攻略本出版事情によるものです。仮にこれをオールカラーにすれば素晴らしい本になったのは間違いありませんが、そうするとおそらく採算分岐的に出版不可能になるのです。
オールカラーで出すこともできますが、採算を考えると、価格がおそらく2,000円を越えてしまうはずです。高いとやっぱり買わない人も出てきますし、96ページという薄さを考えると1,500円でも高いと感じる人が多いと思いますが、価格とカラー・モノクロの比率のバランスを考えた場合、これが限界だったのではないでしょうか。
オールカラーにすることで売上が大きく変わる可能性があり、またその理由となる根拠を提示できれば、オールカラーも実現したのかもしれませんが、このゲームの場合、おそらくそれはありません。ただでさえマイナーな部類に入るゲームですから、冒頭で述べたように「買う人はモノクロだろうがカラーでも買うし、買わない人はオールカラーでも買わない」だろうから、です。
攻略本の制作・出版は、ゲームの販売本数の10分の1が最初の目安と言われており、本を出すことで出版社が利益を得られるギリギリのラインが約3000部、つまりゲームが3万本くらい売れていなければならないということになります。ゲーム買った人の、10人に1人くらいは本買ってくれるんじゃないの、という考えですね。
FFなどは販売本数がハンパないため、クソ分厚い本でオールカラーにしても本の価格1,500円とかで出せたりしますが、Xbox360の大作RPGの攻略本が2,000円を越えてるのは、言われてるほど売れてないからです。最も売れたであろう『テイルズ オブ ヴェスペリア』が確か10万本いったかどうかだったのではないでしょうか。『ヴェスペリア』の本は完売して一時期プレミアついた上に重版までかかったけどね!
もちろん、3万本も売れていなくても本を刊行する場合もありますが、それはゲームの購買層が恐ろしくコアで「10人に1人どころか、3人に1人は買うんじゃねーの」という試算ができるようなゲームの場合、発刊されることもあると思います。この辺りの事情を出版社内の企画会議プレゼンで周囲を説得できれば、出版も可能……ということですね。以上、編集部在籍時代の受け売りデスケドネー
『ブランディッシュ ~ダークレヴナント~』の場合だと、前述の「コアな購買層」で計算されていると思います。正直、3万本どころか、1万本いってないと思うんですよね。ただ、初回出荷は完売したらしいので、ファルコムの計算としてはほぼ完璧で、以降のリピート出荷を考えると最終的に15,000くらいは売れるのではないか、といったところでしょうか。
特に新紀元社は、これまでにファルコムのゲームの本を多く出版しており、攻略本ラインナップの充実という面でも押さえておきたかったはずなので、多少のリスク(完売したとしても大して儲けにならない)を抱えてでも他社に先駆けて出しておきたかったというのがあるかもしれません。ファルコムのゲームといえば新紀元社、みたいな関係を築き上げてしまえば、以後、続々と発売されるファルコムゲーの攻略本制作を一手に引き受けることができ、『イース7』あたりがヒットしてくれれば、その本の儲けで今回の赤字も余裕で拭えるだろう……と、言わば先行投資ですね。俺ならそう考える!
長々と書きましたが、まあ読み手としては「なんでオールカラーじゃないの!」という気持ちはあると思います。作ってる人も多分カラーで出したかったと思います。でもムリなのさー!
僭越ながら俺が作った『バレットウィッチ』の本は、カラーとモノクロの比率は悩み抜いた挙句、112ページ中96ページカラー、16ページモノクロ。最大の理由はカラーでないと攻略ページの画面写真がイミフになってしまうこと(画面が暗いシーンが多々あったので)だったんですが、その分、必然的に価格が高くなるので、大型本にして高級感を出して回避した……と言うほど単純な問題でもなかったんですが、買って損はない本に仕上がってると思いますので、『バレットウィッチ』遊ぶ予定がある人はゼヒ! 価格が2,000円(税別)と高く感じるかもしれませんが、これ、出せただけで奇跡みたいな本なんだよ……。
そういや関係ないけど『デススマイルズ』は、すでに3万を越えてリピート出荷中らしいことと、購買層がコアもコアなので、本出したら絶対売れる! 多分もうどっかの出版社が動いてると思うけど! ていうか俺が欲しいからどっか出して!

コメントする