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2002年2月14日

あの日

 バレンタインの日に更新しないと何かから逃げていると思われるので更新。ああん? チョコ? 貰ったぜ? バイト先で。パートのおばちゃんから。

 寒い。気温も。心も。だいたい、毎日毎日レジ前で震えている俺に、女子中学生がありったけの勇気を振り絞って「い、いつも見てましたっ。こっ、これ、受け取って下さいっ」とか言ってハート型のやつを渡しに来てもバチは当たらないし、むしろお願いします。なんならダッフルコートの前をバッと開けて「溶けないうちに食べて……」コートの下は、生まれたままの姿。首にはピンクのリボン。そして上半身と下半身の計3か所、ソニーチェックに引っかかりそうな部分だけチョコレートが施されており、綺麗な逆三角形を描いていた。スイッチの入ったルパン三世みたいに飛びつきたい衝動を抑えて、耳元に優しくウィスパー。「こっちのチョコだけ、もう溶けかかってるよ?」俺は膝を床にストンと落とし、そっと舌を伸ばす。「あっ、そこはストロベリーなの……」俺はスタッフジャンパーのチャック下ろしつつ、意地悪に聞いてみる。「フフ……あれっ、このチョコ、中もストロベリー?

 ニックシ! おいおい、俺の妄想パワーも限界だっつーの。寒い。寒すぎ。なんなのこの寒風。いじめか。これは。いじめカッコ悪い。超カッコ悪い。ゾノもカッコ悪い。こんな寒かったら誰も外に出ない→店に客来ない→女子中学生も来ない。何もかも冬のせい。確実、風邪悪化した。だって今まさに鼻水ズルズルいってますもの。もう頭きた。俺を怒らせると怖いぞ。しまいにゃこれ買っちゃうぞ。スイートでビターって、どういうこと?

 いや、買いませんでしたけどね。というか、よりによって2月 14 日にこんなゲーム出さなくても。買い辛いだろこれは。タイトルに「チョコレート」って入っちゃってるし。どんな顔してレジに持って行けってんだ。罰ゲームか。俺がメーカーの販売部の人間だったら絶対この日は外したね。現行ハードはだいたい時計内蔵されてるから、14 日以前に発売して、2月 14 日の 11 時 59 分に自宅にいるとイベント発生。「どうしたんだこんな時間に」「えへへ。もっとカンタンに作れると思ってたんだけど、結構てこずっちゃって……ハイ!」「チョコレート……? これ、手作り……なのか?」「うん。ちょっと変な形だけどね」「……ありがとう。でも、こっちの方が甘そうだな……」「えっ?」刹那、チョコレートの箱は床に落ち、2つの影が1つになった……。

 どうよ。どうよ社長。販売部は判断誤ったね。ユーザー視点が足りねぇべ? そう思ってゲームショップに行ってみたら、このソフトだけ売り切れてました。俺は販売部の人間になれないと思った。あと、なんで俺がゲームショップに行ったかは秘密です。

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