体験版でだけ遊べるマップ
当時、店頭で流れていた、新作のデモンストレーション。
あれはデモ用のデータが入ったフロッピーを動かしていたのだが、
実は『3』の RENEWAL 版の CD 内に収録されている(※スリムパッケージ版には入っていない)。
CD 内の「DEMO」フォルダの中にある「BR3D_98」の中身が、デモと体験版。
PC-98 エミュレータ上で遊ぶには、新規にフロッピーディスクイメージかハードディスクイメージを作り、
その中に「BR3D_98」の中身を突っ込めばいい。
DEMO.BAT で起動すると、店頭で流すことを想定されたデモが始まる。
『3』のオープニングがだいたい語られるほどのボリュームで、このデモと実際に遊べる体験版、
両方合わせてフロッピー1枚分(1.2 メガ弱)の容量というのが信じられない。
デモのワンシーン。
「はぐれ狼が四匹 生き残るのは誰だ」って、全員主人公だから、全員生き残るんですけどね……。
TAIKEN.BAT で起動すると、デモの後半でも少し流れていた “DEMONSTRATION” マップで実際に遊べる。
マップの雰囲気は製品版の CAVE そのものだが、オリジナルのマップである。
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体験版限りのマップ。
セーブどころかクイックセーブすら使えず、一発勝負を強いられるが、それでいてワーラットと大ハンミョウの攻撃力がヤバすぎるので、普通に進んでいたら軽く殺される。販促としては大失敗のような気もするのだが……。
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じっくり腰を据えてレベルアップすればまた話も違うのかもしれないが、これは店頭デモで、
長時間居座るわけにもいかない……と思って遊ぶと、「敵はヒットアンドアウェイで倒すべし」という
『ブランディッシュ』の基本を実践せざるを得ないようにできている。
ドアとスイッチの基本的な仕掛け、壊せる壁の発見、妙な壁を通過中の唐突な方向転換による惑わせ等、
さすが体験版と言うべきか、『ブランディッシュ』を象徴するダンジョンの仕掛けが詰め込まれている。
そこは宣伝としてグッドだと思うのだが、先述のとおり、敵の攻撃力がマジで強い。
さらに、ボスも分裂スライムなので長期戦必至。
1体を相手している最中に側面か背後からもう1体に襲われることも多く、緊張感ありすぎの時間が続く。
ちなみに2体同時に攻撃をくらい続けると2秒で死ぬレベル。
とりあえずマップは隅々まで探索して、入手した H.POTION を要所要所で惜しみなく使っていくことと、
危なくなったら恥も外聞も捨ててボス部屋から離脱して休息すること、
ボス部屋入口の宝箱で取れるトマホークを開幕から使い切るつもりでないとキツい。
隠し気味に置かれている透物化秘薬が、かつてこれほど効果的に使えたと思えるマップもなかったし、
小刀の意外な攻撃力にも驚かされた。
発売前にこの体験版をやっていたら、小刀をもっと活用していたかもしれない……。
死ぬときはアッサリ死ぬ『ブランディッシュ』らしさと、セーブできない緊張感。
所詮は体験版、と侮れない作りになっている。RENEWAL 版をお持ちの方は、ぜひやってみてもらいたい。
なお、ボスを倒すと「おつかれ様でした。ブランディッシュ3体験版は、これで終了です。」とだけ表示されて
メニューに戻ってしまう。「製品版は○月○日発売! 誰よりも早く手に入れて、この先は君の目で確かめろ!」
みたいな宣伝文句は一切ない。硬派すぎる。だが……そこがいい。