↑は当時のパソコンゲーム雑誌の広告。スクラップして筆者が保存していたものだ。
当時はドラクエ・FFシリーズをはじめとしたRPG人気に火が点き始めていた頃で、
作を重ねるごとに「仲間の人数の多さ」がウリになっていたような部分があった。
初代ドラクエのような「主人公ひとりの旅」なんてのはもう完全に時代遅れであり、
"RPG=パーティープレイ" の時代へと移り変わりゆく頃だったのだ。
得手不得手のある複数のキャラクターたちが、お互いの欠点を補い合って大きな旅の目的を成す、というのは
現実世界にも通ずる仲間意識でもあり、RPGにもその波が押し寄せたことは別に悪いことでも何でもない。
むしろ当時は「RPGの仲間は多いに越したことはない」という感覚が当たり前であり、
望まれていたところに望まれていたものが投入されていたともいえる。
しかしそんな中、時代を挑発するかのような「パーティなんて組むものか。」のキャッチコピー。
これには当時中学生だった筆者も「カッコエエ……」と震えたものだ。
単に流行りに唾吐く天邪鬼的なスタイルに惹かれたわけではない。
『ブランディッシュ』は主人公=プレイヤーが最初から最後まで孤独であることがシステムの根幹にあった。
つまりこのゲーム的には当たり前のことなのだが、その続編……となったときに当然出たであろう、
「仲間を増やす」という安易な選択肢を選ばず『ブランディッシュ』イズムを貫き通した、そのスピリッツに惚れたのだ。
この後もシリーズは作られるが、この点は一貫している。
「主人公を選べる」という横の広がりは見せるが、やはり『ブランディッシュ』シリーズには
この「パーティなんて組むものか。」という言葉が、よく似合う。
なお、日本ファルコム30周年公式記念本 Falcom Chronicleを見る限りでは、『2』の広告は少なくともあと2種類、
RENEWAL版を含めると3種類存在している模様。この本には、↑に掲載している最初の広告は載っていない。
似たような広告が2つあるので、掲載を省略したか、見落としたか……。
↑のは発売日がまだ決まっていない段階の広告なので、ちょっとレアなのかもしれない。
本のほうには、3月12日という発売日が決定した後の広告が載っており、
「パーティなんて組むものか。」という文がより強調された広告になっている。
他にも、マンガ形式になった2ページ広告も存在する。
さらに、RENEWAL版の広告は筆者は一切所持していないので、いつか手に入れて網羅したいものである……。